■物流施設 投資関連情報2025版<3.20~3.26>

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<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>

■大阪ガス都市開発株)<3月21日>
千葉県柏市における「(仮称)柏冷凍冷蔵倉庫開発プロジェクト」に事業参画/東急不動産(株)、ダイビル(株)と共同で柏開発特定目的会社への出資を実行


 大阪ガス都市開発(株)は、柏開発特定目的会社(以下TMK)が計画している「(仮称)柏冷凍冷蔵倉庫開発プロジェクト」に事業参画するため、東急不動産(株)、ダイビル(株)の2社と共同でTMKと出資契約を締結し、このほど出資を実行した。TMKは千葉県柏市の土地を取得済みで、今後、冷凍冷蔵倉庫の開発に着手するとしている。
 同事業は、東京都心から直線で約30km、常磐自動車道「柏IC」と国道16号との結節点から約1.3kmの好立地に位置している。同エリアは関東各方面への配送拠点として利便性が高く、物流施設が集積。大阪ガス都市開発は以前から物流施設事業に取り組んでいるが、昨今の冷凍冷蔵食品消費量の拡大と2030年のフロン規制対応に伴う既存倉庫建て替えの進展に対応するため、同事業に参画し、冷凍冷蔵倉庫開発に新たに携わることを決めた。同事業では環境に配慮した自然冷媒を採用する計画。冷凍エリアには+5℃~-25℃の範囲で温度設定が可能なチルド・フローズン対応の冷凍冷蔵設備を導入する予定だ。

※「(仮称)柏冷凍冷蔵倉庫開発プロジェクト」の概要
所在地:千葉県柏市新十余二8-1
敷地面積:5,965㎡(約1,804坪)
延床面積:1万2,382㎡(約3,745坪)(予定)
建物着工時期:2026年冬(予定)
建物竣工時期:2027年夏(予定)

■(株)ワールドサプライ<3月21日>
茨城県つくば市に化粧品特化の物流センターを新設/同一敷地内に一般倉庫と危険物倉庫を併設した物流ソリューションサービスを提供


 SGホールディングスグループで百貨店・大規模小売店向けの納品代行や店内配送を手がける(株)ワールドサプライは茨城県つくば市に化粧品特化の物流センターを新設し、2025年11月に本稼働させる。同施設には一般倉庫の同一敷地内に危険物倉庫を新設し、化粧品の国内流通に必要な工程・設備を1カ所で提供できる「コスメフルフィルメントセンター」としてサービス展開する意向だ。同社は今後も危険物商材を含む化粧品に特化した物流ソリューションサービスに磨きをかけ、顧客に選ばれる企業への進化を目指す。

〇新物流センターの特徴
①同一敷地内に一般倉庫と危険物倉庫を併設
一般倉庫と危険物倉庫の併設により、一般商材と危険物商材を様々な付帯作業を含め一貫して取り扱うことが可能。倉庫間移動を最小限に止め、輸送コストや環境負荷の低減、物流の効率化を見込む。
②2つの倉庫に空調とセキュリティシステムを完備
一般倉庫と危険物倉庫のいずれも化粧品商材の保管で求められる空調管理に対応。高度なセキュリティシステムを両倉庫に導入し、厳格な入退館管理により防犯対応を高めることで高価な化粧品商材の保管も可能としている。
③商材に配慮した危険物倉庫
消火剤による危険物商材の汚損を最小限に止めるため、CO2消火設備を導入している。
④立地の優位性
同施設は最寄りの常磐自動車道「谷田部IC」から2.2kmと物流センターとして交通利便性の高い場所に所在している。首都圏へのスピーディーな配送が可能な郊外型物流センター。
⑤危険物商材取り扱いにおけるコンプライアンス遵守
同社の危険物倉庫は消防法の基準を満たした設備・構造を有し、危険物第四類(引火性液体)に対応。同分類に該当する危険物商材について消防局から発信されている管理徹底の方針を遵守する。

※新物流センター・一般倉庫の施設概要
所在地:茨城県つくば市谷田部字本郷
敷地面積:3万608.76㎡
延床面積:1万9,379.74㎡
構造:鉄骨造、地上2階建て
仕様:空調設備、シーリングファン

※新物流センター・危険物倉庫の施設概要
所在地:茨城県つくば市谷田部字本郷
敷地面積:3万,608.76㎡
延床面積:997.20㎡
構造:鉄骨造、地上1階建て
仕様:空調設備、二酸化炭素消火設備
類別対応:危険物第四類(引火性液体)
第一石油類・アルコール類・第二石油類・第三石油類・第四石油類・動植物油類

■P&Gジャパン(同)<3月21日>
日本最大級の自動倉庫「高崎サプライ倉庫」を新設/倉庫保管オペレーションの自動化も推進、タッチレスなサプライチェーン構築により倉庫業務の効率化と物流の最適化を実現


 P&Gジャパン(同)は、医療用洗剤をはじめとするファブリック&ホームケア製品の生産拠点である高崎工場の専用倉庫として、群馬県藤岡市に日本最大級の約5万2,000パレットの保管能力を有する自動倉庫「高崎サプライ倉庫」を新設し、4月1日から本格稼働を開始すると発表した。
 世界経済フォーラムから第4次産業革命をリードする世界の先進工場「Lighthouse(ライトハウス)」に選出されたのが高崎工場。2022年のことで日本の消費財メーカーとして初めての快挙だった。同社は高崎工場においてデジタルツインやAI、機械学習などの先進的なデジタル・テクノロジーを活用し、様々なイノベーションを推し進めてきたという。
 同倉庫では、高崎工場で生産された製品の保管オペレーションの自動化も進めた。これにより労働力不足や2024年物流問題に対応するタッチレスなサプライチェーンを構築するとともに倉庫業務の効率化と物流の最適化を実現する。
 同倉庫における自動化では、工場からトラックで運ばれてきた製品の自動入荷を実現する「自動トラック荷役システム(ATLS)」を導入。工場・倉庫間の運搬を担う同社専用トラックの荷台に新たにレーンを取り付け、入荷時にトラックのレーンと倉庫のATLSのレーンを繋げることで自動的に製品を入荷できる仕組みだ。従来約30分かかっていた入荷作業を約3分に短縮できる。ATLSを介して入荷した製品は、有軌道無人搬送車(RGV)により指定された倉庫内のラックに運ばれ、自動保管される。出荷時もRGVを介してトラック搬入口まで運ばれるため、入荷から出荷準備までの全プロセスの自動化を実現。倉庫業務を大幅に効率化し、省人化も図れる。さらに自動ゲートも導入し、事前に予約システムに登録した車両番号をゲートで照合することで受付作業を不要とした。またトラック予約システムと倉庫制御システムを連動させることで、トラックが自動ゲートに到着すると出荷予定の製品パレットのピッキングを開始し、搬入口まで自動運搬する仕組みとなっている。トラックドライバーは搬入口到着後すぐに作業できるため、スムーズに荷積みを行い、短時間で出発することができる。
 同社は同倉庫新設を機にこれまで分散していた複数倉庫を集約し、物流ネットワークを最適化することで工場からの直送率向上を図る。同倉庫が地理的にも主要高速道路へのアクセスに優れることから、輸送効率化も見込める。試算的にはトラック走行距離を年間約200万km削減することが可能となり、2024年物流問題への対応強化はもちろん、CO2排出量削減にも貢献できるとしている。今後は再生可能エネルギーの活用なども積極的に行い、環境に配慮した倉庫運営を目指す。

※「高崎サプライ倉庫」の施設概要
所在地:群馬県藤岡市本動堂538-5
建築面積:1万6,818 ㎡
保管能力:5万2,000 パレット
入出荷能力:30万 ケース/日
稼働開始日:2025 年4月1日

■安田倉庫(株)、JA三井リース(株)、JA三井エナジーソリューションズ(株)、農林中央金庫、(株)アイ・グリッド・ソリューションズ<3月24日>
余剰電力循環型太陽光PPAを初導入/共同出資するサーキュラーグリーンエナジー(同)と連携、安田倉庫・九州営業所屋根に設置した自家消費型太陽光発電設備の稼働を開始


 安田倉庫(株)、JA三井リース(株)の再生可能エネルギー分野における戦略事業子会社JA三井エナジーソリューションズ(株)、農林中央金庫、(株)アイ・グリッド・ソリューションズ(以下アイ・グリッド)が共同出資するサーキュラーグリーンエナジー(同)は、余剰電力循環型太陽光PPAサービス契約を締結し、安田倉庫・九州営業所(福岡県三井郡大刀洗町)の屋根に設置した自家消費型太陽光発電設備の稼働を開始した。
 安田倉庫グループは、持続可能な社会の実現のために「低炭素・循環型社会への貢献」を重要課題(マテリアリティ)の一つに位置づけ、2030年までにグループのCO2排出量を2022年度比で30%削減することを目標としている。その達成に向けた具体的な施策として、これまでに自家消費型太陽光発電設備やオフサイトPPAなど再生可能エネルギーを積極的に活用しており、今回の余剰電力循環型太陽光PPA導入は初めての取組だという。
物流施設は広大な屋根面積がある一方、電力使用量が少なく、屋根全面に自家消費型太陽光発電設備を導入した場合には余剰電力が生じ、発電した再エネ電力を有効活用できないとの課題があった。サーキュラーグリーンエナジーが提供する余剰電力循環型太陽光PPAではアイ・グリッド独自の余剰電力予測AIを活用し、余剰電力をアイ・グリッドが買い取り、他の電力利用者に供給するスキームを構築しており、従来課題の解消が可能。電力使用量が少ない物流施設でも屋根スペースを最大限発電に活用することで自家消費量を増やし、再エネ比率の最大化を可能にすることできる。
 今回の取組による電力供給は年間約56万6,000kWhで、このうち約33万9,000kWh を安田倉庫・九州営業所で自家消費し、余剰電力約 22万7,000kWh をアイ・グリッドから他の電力利用者に供給する。安田倉庫は同営業所の消費電力全体の約41%に相当する電力を再生可能エネルギーに切り替えることとなり、CO2排出量を年間約15万7,000kg削減できる見込みだ。また余剰電力分の約22万7,000kWhはCO2フリー電力として他の利用者に供給することで、国内全体の再生可能エネルギーの普及(CO2排出量年間約10万5,000kg削減)につなげる。
 JA三井リースグループと農林中央金庫は、「食」と「農」をはじめとした流通分野などで幅広いネットワークを有する。物流施設をはじめ、取引先が保有する建物屋根を活用した余剰電力循環型太陽光PPAサービスをアイ・グリッドとともに推進することで、CO2排出量削減と国内における再生可能エネルギー比率向上など地域社会の発展に資する取組を加速していく。

■みずほリース(株)、エムエル・エステート(株)<3月24日>
福岡市東区で開発を進めていた都市型物流施設「Malien Logistics 福岡松島」が竣工/MLEの物流施設ブランド「Malien Logistics」を名称に冠した第1号物件


 みずほリース(株)の100%子会社 エムエル・エステート (株)(以下MLE)は、 福岡市東区で開発を進めていた物流施設「Malien Logistics福岡松島」が2月に竣工したことを明らかにした。
 同施設はMLEの物流施設ブランド「Malien Logistics(マリエン ロジスティクス)」を物件名称に冠した第1号物件。同施設所在の福岡市東区松島は西に博多港箱崎ふ頭、南に福岡空港が位置し、双方に短時間でアクセス可能な希少性の高さが魅力。高速道路も福岡都市高速4号粕屋線松島ランプに車で約2分、九州自動車道「福岡IC」には車で約11分と近く、交通利便性が高い。福岡市内や九州各地に加え、陸・海・空を含む広域エリアを視野に入れた物流拠点構築に有利だ。
 同施設は市内配送が可能な都市型物流施設と位置付けられている。地上4階建てで、延床面積は約2,246坪、基準階面積は約538坪。前面道路は40ftコンテナの運搬が可能な幅員を備える。梁下は5.5mを確保し、作業性に優れた空間を提供する。1 階トラックバースは大型トラックが同時に7台接続可能。ドックレベラーを装備し、スムーズな荷物の搬出入が行える。
 倉庫フロア内には荷物用エレベータと垂直搬送機を各1基設け、フォークリフト充電コーナーも設置した。4階には快適な作業空間を実現するため空調設備を実装。他のフロアも入居テナントの要望に合わせて空調設備の導入が可能だ。環境面では「CASBEE-建築(新築)」Aランクを取得するなど、各所に配慮を行き届かせている。

※「 Malien Logistics福岡松島」の施設概要
所在地:福岡県福岡市東区松島4-9-36
敷地面積:3,497.06㎡(約1,057.86坪)
延床面積:7,425.21㎡(約2,246.13坪)
構造・規模:鉄骨造 地上4階建て

■クレド・アセットマネジメント(株)<3月18日>
物流施設「CREDO桶川伊奈」の賃貸借契約を西濃運輸(株)と締結/西濃運輸・専用物流施設として4月から稼働開始


 クレド・アセットマネジメント(株)は、埼玉県北足立郡伊奈町の物流施設「CREDO桶川伊奈」の賃貸借契約を大手物流会社の西濃運輸(株)と締結した。同施設は西濃運輸の桶川伊奈物流倉庫として4月から稼働する予定だ。
 西濃運輸は物流(ロジスティクス)と輸送(トランスポーテーション)の複合的なサービスとして「ロジ・トランス機能」を提供している。同施設は、圏央道「桶川加納IC」から約6.1km、「白岡菖蒲IC」から約5.4kmに位置し、関越道や東北道など日本各地を結ぶ高速道路へのアクセスに優れ、同施設が大宮支店の新たな拠点に加わることから、商品保管や入出庫業務、全国各地への短いリードタイムでの輸送、集荷から輸配送まで一元管理できる体制が整備され、同エリアの事業強化につながるとみている。西濃運輸は物件選定にあたり、同施設が桶川・上尾・北本エリアで1社専用利用できる数少ない物件であることを評価し、利用を決めた。
 同施設は、1階をブレースのない構造にして空間を確保し、搬入出のオペレーションを効率化するなど、機能性を重視した設計。環境面では、CASBEE認証Aランク、BELS認証5スター、ZEB Readyなどの環境認証を取得している。

※「CREDO桶川伊奈」の施設概要
所在地:埼玉県北足立郡伊奈町西小針7-10-2
敷地面積:5,001㎡(1,513坪)
延床面積:1万207㎡(3,088坪)
構造:鉄骨造・地上4階建て
竣工:2023年10月

■トーハン(株)<3月26日>
埼玉県川口市に開設した物流拠点「トーハン川口センター」の運用を開始/大手コンビニ向けの雑誌発送にも対応、最新MH設備導入で雑誌物流品質向上見込む


 (株)トーハンは、新たな物流拠点「トーハン川口センター」を開設し、3月26日より運用を開始した。
 同施設の開設は、中期経営計画「REBORN(2019-2023)」および「BEYOND(2024-2026)」に基づく本業改革の一環となる取組。開設の目的は、①最新のMH設備導入による雑誌物流品質の向上、②雑誌以外の商材にも対応可能な汎用性のある新センターの整備―の2つ。建設計画策定後に大手コンビニとの新規取引が決定したため、計画を一部変更して当該コンビニ向けの雑誌発送も同施設で対応することになり、今回の当該業務をスタートしたとしている。
 今夏にかけて段階的にコンビニ2万店の発送業務を他社から移管した後、現在トーハンの西台雑誌センターで行っている書店向けの雑誌発送業務を順次移管し、2025年中には川口センターを全面稼働状態とする予定。将来的には雑誌以外の商材も取り扱うことも視野に入れ、今後の同社の物流を担う重要拠点として活用する方針だ。

※「トーハン川口センター」の施設概要
所在地:埼玉県川口市弥平3-16-1
事業:雑誌新刊発送業務
敷地面積:1万810㎡
延床面積:2万1,760㎡(4階建て)
〇設備の特長
・発送ラインコンベヤ(発送作業用)
・スパイラルコンベヤ(2階と3階をシームレスに連結)
・輸送方面別仕分ソータ(7,500個/hの処理能力)
・トラックバース(最大33台着車可)
・バース予約システムを導入(トラック待機時間短縮、CO2削減)
・空調設備を整えた事務所、休憩所を完備

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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