<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■山九(株)<3月13日>
インド南部スリシティに大型物流センター「スリシティ物流センター」を開設/世界的なシェアをもつ日系大手メーカーの専用センター、成長著しいインド国内市場への対応に加えてアフリカ・中東市場への輸出拠点としての可能性も見据える
山九(株)は、インド南部スリシティで大型物流センター「スリシティ物流センター」を開設したと発表した。同施設は2024年10月1日、世界的なシェアをもつ日系大手メーカーの専用センターとして開設されたもので、成長著しいインド国内市場において同メーカーの生産・販売活動を支える物流拠点、ならびにアフリカ・中東市場への輸出拠点として位置付けられている。
同施設は、インド南部のANDHRA PRADESH 州に位置し、チェンナイ港まで約 80kmと好立地なスリシティ工業団地に近接している。規模は敷地面積3万3,418㎡、倉庫面積 2万8,538㎡で、構造・設計は鉄骨平屋建て・高床式。同メーカーが先行実施している工場内での構内作業に合わせ、山九が同施設におけるシステム導入と作業を担うことで、日本と同品質のサービス提供が可能になったとしている。
同施設は2024年 9月に完成し、同年10月から順次立ち上げ作業を開始。現在は100名を超える倉庫スタッフが業務を推進している。
同施設の開設は、同メーカーのインド事業拡大をサポートするための山九の取組の一つ。山九は今後、第3国への輸出拠点としての同施設の可能性も見据え、同メーカーの安定的なサプライチェーンの構築に貢献する意向だ。
※「スリシティ物流センター」の施設概要
所在地:インド国 アーンドラ・プラデーシュ州 ティルパティ
開設日:2024年10年1日
敷地面積:3万3,418㎡
倉庫面積:2万8,538㎡ (賃借面積)
立地:チェンナイ港まで約80km、スリシティ工業団地に近接
設備:ドックレベラー9基
■日本GLP(株)<3月17日>
兵庫県神戸市で「GLP 神戸住吉浜」を満床竣工/国内最大級の賃貸型全館冷凍冷蔵・全館可変温度帯仕様のマルチテナント型物流施設、3社入居決定で満床稼働へ
日本GLP(株)は、兵庫県神戸市で国内最大級の全館冷凍冷蔵および全館可変温度帯仕様のマルチテナント型物流施設「GLP 神戸住吉浜」を竣工した。既に(株)日本アクセスや水間急配(株)ほか1社の計3社の入居が決定しており、満床で稼働する。
同施設は延床面積4万5,924㎡、収容能力5万2,660t、地上5階建ての国内最大級の賃貸型全館冷凍冷蔵物流施設。神戸湾岸エリアに位置し、国内五大港の一つである神戸港の大型コンテナターミナルに至近で、動物検疫検査を受けられる希少な冷凍冷蔵物流適地に立地している。阪神高速5号湾岸線「住吉浜IC」から約1.3km、阪神高速3号神戸線「魚崎IC」から約2.5kmの距離に位置するため、神戸市内および関西広域の双方への配送拠点として適する。
同施設は、日本GLPが開発する全館冷凍冷蔵マルチテナント型物流施設の3つの特長を備えている。その特長とは、①柔軟性(契約期間を常温の物流施設と同等、小規模区画、可変温度帯、2層使い、高いトラックバース比率)、②環境配慮・省エネ(自然冷媒〈ノンフロン〉、太陽光発電の設置、全館LED等)、③入居企業による投資低減(冷凍冷蔵設備に関わる初期投資、原状回復工事費、設備管理費について入居企業の投資負担ゼロ)―の3点であり、1階および3階にアクセス可能なランプウェイ付きという仕様の優位性も兼ね備えている。
日本アクセスは同施設に対し、消費地に近接する立地性および店舗配送に最適な流通型施設としての仕様を評価している。同社は同施設をスーパーマーケット向けのチルド・冷凍食品を取り扱う配送センターとして活用する予定だ。水間急配は従来の運送業に加え、新規で倉庫業に参入するため、「GLPコンシェルジュ」を通じた入居企業の事業拡大をサポートするソフトサービスや日本GLPがカスタマーとともに構築する企業を超えた共創のネットワークへの参画にも期待を寄せている。また残り1社も同施設に対し、冷凍冷蔵食品の需要拡大に伴う冷凍食品の物量増加に増床対応できる保管型施設としての仕様を評価している。
※「GLP 神戸住吉浜」の施設概要
所在地:兵庫県神戸市東灘区住吉浜町19-24
敷地面積:2万1,195.01㎡(6,411.49坪)
延床面積:4万5,924.19㎡(1万3,892.07坪)
建築面積:1万2,716.27㎡(3,846.67坪)
収容能力:約5万2,660t(C&F級:5万2,660t)
構造:地上5階建て、耐震・耐火RCS造
着工:2023年8月
竣工:2025年2月
認証取得:CASBEE認証、ZEB認証
■日本GLP(株)<3月17日>
大阪府大阪市での冷凍冷蔵物流施設開発プロジェクト2件を始動/湾岸エリア・物流プライム立地で冷凍冷蔵物流事業をさらに拡大
日本GLP(株)は、大阪府大阪市で延床面積約7,700㎡の全館冷凍冷蔵物流施設「GLP 南港Ⅰ」と延床面積約2万1,000㎡の全館冷凍冷蔵マルチテナント型物流施設「GLP 南港Ⅱ」の開発プロジェクトを始動させる。
GLP 南港Ⅰの開発プロジェクトはJA三井リース建物(株)が担当する。同施設の建設は2024年7月からスタートしており、2026年2月に竣工する予定で、竣工後は日本GLPが取得する計画。竣工後は冷凍冷蔵物流会社が1棟全体を専用施設として利用する予定だという。一方、GLP 南港Ⅱについては収容能力約2.5万tの保管型施設として、2025年6月に着工し、2026年12月に竣工する予定となっている。
GLP 南港ⅠおよびGLP 南港Ⅱが位置する南港エリアは冷凍冷蔵倉庫の集積地。自治体が統合型リゾートの誘致や研究開発にほか、ビジネス創造やにぎわい創出といった国際的な交易・交流を促進するビジネス交流拠点の形成を目指す大阪湾岸部にも近接している。
両施設の立地は主要高速道路や幹線道路にも至近で、大阪都市圏へのアクセスに加え、兵庫、京都、奈良をはじめとした関西エリアへの配送にも有利。東南アジア・中国航路が充実している大阪湾岸コンテナターミナルへのアクセスも良好で、生鮮・冷凍品の輸出入に必須な動物検疫検査を庫内で受けることができる。このため、輸入・通関・検疫・流通加工・配送といった一連の業務を1施設で完結できる希少な冷凍冷蔵倉庫となる。
冷凍食品市場の年平均成長率は2014年から2023年にかけて2.6%に達し、市場規模は27.6%に膨らんでいる。特にコロナ禍以降は家庭用冷凍食品の国内生産金額の伸びが顕著であり、同期間で43.6%増加。年平均成長率も4.1%を記録するなど堅実に成長しており、今後も安定した成長が見込まれている。日本GLPは2017年に冷凍冷蔵の専門チームを立ち上げ、冷凍冷蔵分野における知見を集約してきた。現在までに33物件の冷凍冷蔵物流施設(うち3温度帯:約63万㎡、冷凍冷蔵:約20万㎡)を手掛け、うち6物件では日本GLPの負担で冷凍冷蔵設備を設置している。
※「GLP 南港Ⅰ」の施設概要
所在地:大阪府⼤阪市住之江区南港東3-2-4
敷地面積:約3,600㎡
延床面積:約7,700㎡
構造:地上4階建て、耐震RC造
着工:2024年7月
竣工:2026年2月(予定)
認証取得:CASBEE認証(予定)
※「GLP 南港Ⅱ」の施設概要
所在地:大阪府大阪市住之江区南港北3-8-2
敷地面積:約7,000㎡
延床面積:約2万1,000㎡
構造:地上5階建て(1-4階:倉庫、5階:事務所)、耐震S造
着工:2025年6月(予定)
竣工:2026年12月(予定)
認証取得:CASBEE認証(予定)
■(株)センターポイント・ディベロップメント<3月17日>
神戸市北区で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「CPD西宮北WEST」が竣工/地上4階建ての耐震構造で延床面積は約6万5,670㎡、最新型部物流施設の仕様備える
(株)センターポイント・ディベロップメント(CPD)は、特定目的会社を通じ兵庫県神戸市で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「CPD西宮北WEST」が2月28日付で竣工したと発表した。
同施設は中国自動車道「西宮北IC」から約2kmの距離にあり、物流拠点の集積がある阪神流通センターに近接している。新名神高速道路、阪神高速7号北神戸線の各高速道路へのアクセスも容易で、関西圏への近距離配送に加え、広域配送拠点としての活用も見込める。神戸電鉄三田線「岡場駅」からは徒歩約5分の好立地で、労働力確保の面でも優位性がある。
同施設は地上4階建ての耐震構造で、延床面積は約6万5,670㎡。1フロア約3,700~4,200坪の賃貸区画を有し、最大4区画に分割可能。床荷重1.5t/㎡、柱スパン11.5m×10.4m、梁下天井有効高5.5mと、最新型物流施設の仕様を備えており、1階と3階にはそれぞれ36台(計72台)接車可能なトラックバースを設けた。庫内には荷物用エレベーターを8基、垂直搬送機を8基設置し、多様な荷物への対応を可能としたほか、貨物の搬送および保管の効率化も実現している。また、施設内ワーカーの職場環境にも配慮し、共用の休憩室やドライバー用トイレ、喫煙スペースなどのアメニティを設けたという。
同施設では外壁に断熱性能の高いサンドイッチパネルを採用したほか、高効率空調設備を設置し、全館省電力型LED照明も導入するなどの省エネ対策を施しており、環境負荷低減に配慮した施設としてCASBEE(建築環境総合性能評価システム)「Aランク」、BELS「5スター」およびZEB Readyの評価を取得。非常用発電機設備も採用するなど、入居企業のBCPにも寄与する施設となっている。
なお、CPDは最小区画約1,500坪から入居可能なマルチテナント型物流施設「CPD西宮北EAST」(地上6階建、延床面積23万9,629.01㎡)の開発を同敷地内で進めており、2025年7月末に竣工する予定だとしている。
※「CPD西宮北WEST 」の施設概要
所在地:兵庫県神戸市北区有野町有野字岡場1951番地(地番)
敷地面積:5万3,003.13㎡
延床面積:6万5,672.53㎡
構造:鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造4階建て
着工:2023年6月15日
竣工:2025年2月28日
認証取得:CASBEE-建設(新築)「Aランク」、BELS「5スター」、ZEB Ready
■センコー(株)<3月18日>
「鳥栖IC」至近の好立地に「鳥栖物流センター」を開設/グループ傘下の九州センコーロジ(株)が運営を担当、九州エリア全域のさらなる物流網強化へ
センコー(株)が佐賀県鳥栖市内に「鳥栖物流センター」を開設した。
鳥栖エリアは、「福岡空港」「博多港」などへのアクセスに優れ、物流ハブとしての注目度が高く、熊本県を中心とした半導体関連企業の誘致により物流需要も高まっている。新センターは、長崎自動車道「鳥栖IC」から車で3分、JR鹿児島本線「田代駅」からは1.4kmと近く、九州自動車道、長崎自動車道、大分自動車道が交差する「鳥栖JCT」からのアクセス性にも優れる。今後は福岡市中心部をはじめ九州エリア全域の配送に対応するほか、九州エリアのセンコーグループ各社と連携し、九州全域の物流網拡大も進める。
設備面では、全天候型の屋内低床接車バースを採用したほか、72時間連続稼働可能な非常用自家発電設備や自家給油スタンドも併設。災害時でも商品配送・保管機能の継続可能で、救援物資保管拠点としての役割も果たせるという。
なお、新センターの運営はセンコーグループ傘下の九州センコーロジ(株)が担当する。
※「鳥栖物流センター」の施設概要
所在地:佐賀県鳥栖市姫方町字池ノ上640番1
建物構造:鉄骨造 地上3階建て
敷地面積:2万9,200.61㎡
延床面積:倉庫棟 4万5,552.60㎡ 給油所 50㎡
主要設備:垂直搬送機、非常用自家発電機、インタンクなど
■プロロジス<3月18日>
「郡山中央SIC」隣接の「福島郡山LLタウン」でBTS型物流施設「プロロジスパーク郡山1」建設に着手/ヤマト運輸(株)専用施設として2026年10月に竣工予定、クール便対応の冷凍倉庫と冷蔵庫も整備する計画
プロロジスは、福島県郡山市で開発を進めている先進的物流施設の集積拠点「福島郡山LLタウン」の1棟目となる物流施設「プロロジスパーク郡山1」の建設に着手した。
同施設はヤマト運輸(株)のBTS型物流施設として開発され、2026年10月に竣工する予定。2018年9月に竣工した「プロロジスパーク仙台泉2」の宮城ターミナルや2026年3月竣工予定の「プロロジスパーク豊中」のラストマイル専用拠点に続くヤマト運輸専用施設となる。
同施設の開発地は、東北自動車道「郡山中央SIC」に隣接。東北地方を縦断する東北自動車道と、太平洋岸・日本海岸を横断する磐越自動車道とが交差する「郡山JCT」に近接し、首都圏へ約3時間、仙台市へ約1時間、新潟市まで約2時間で到達することができる。東北エリアで、仙台市に次ぐ人口集積地である郡山市(人口32万人)の中心部から車で20分(約7km)とアクセスしやすく、雇用にも有利。災害時には、磐越道など複数の迂回ルート確保が可能で、東北・首都圏にも災害支援物資を運ぶことができ、BCPの観点からも優れた立地となっている。
同施設の敷地面積は4万7,200㎡で、鉄骨造・2階建て建屋の延床面積は約4万1,100㎡。45ftセミトレーラーが上階に直接アクセスできるスロープを2カ所設けるほか、施設の南北両面にトラックバース合計85台分を整備する。スロープには融雪用のロードヒーターを設け、降雪時にも安全で効率的な物流オペレーションを実現する。また、BCPの観点から、非常用発電機を設置する計画だ。
ヤマト運輸は、IC隣接の優れた立地を評価し、同施設を福島県内の物流拠点として利用する。全国各地からの県内宛て荷物の集約・仕分けや、県内からの全国各地宛て荷物の発送を行うほか、営業倉庫としても利用する予定だ。なお、同施設倉庫内にはクール便の保管スペースとして-25℃帯の冷凍倉庫と7℃帯の冷蔵庫も整備するとしている。
※「プロロジスパーク郡山1」の施設概要
開発地:福島県郡山市大槻町中ノ平地内
計画敷地面積:約4万7,200㎡(約1万4,280坪)
計画延床面積:約4万1,200㎡(約1万2,460坪)
構造:地上2階建て、鉄骨造
着工:2025年3月
竣工:2026年10月(予定)
■安田倉庫(株)<3月19日>
連結子会社の(株)オリエント・サービスが愛知県春日井市で危険物倉庫建設に着手/今後増加する危険物保管需要への対応能力を強化
安田倉庫(株)は、連結子会社の(株)オリエント・サービスが愛知県春日井市明知町で危険物倉庫建設に着手したと発表した。
安田倉庫グループは、2030年のあるべき姿としての「長期ビジョン2030」と、長期ビジョンを実現するための計画として2025年4月にスタートする新中期経営計画「強くなる、ひとつになる YASDA GROUP CHALLENGE 2027」を策定しており、その中で物流事業戦略として「グループ連携によるネットワーク拡充」を掲げている。中京エリアの運送グループ会社であるオリエント・サービスの危険物倉庫建設もその取組の一環。同社が春日井市明知町に所有する物流拠点「明知物流センター」隣接地に3棟の危険物倉庫を建設する計画だ。明知物流センターは中央自動車道「小牧東IC」至近で、同センター内には既に1棟の危険物倉庫が稼働している。今回の新たに3棟の危険物倉庫を建設することで今後増加する危険物保管需要への対応能力を強化する。
※新設する危険物倉庫の施設概要(予定)
所在地:愛知県春日井市明知町
敷地面積:約7,468㎡(約2,259坪)
延床面積:約2,981㎡(約902坪)〔3棟合計〕
主要構造:鉄骨造、平屋建て
着工:2025年5月
竣工:2026年3月
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。