<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■霞ヶ関キャピタル(株)<1月9日>
冷凍自動倉庫「LOGI FLAG TECH名古屋みなとⅠ」の建設に着手/快適な通勤環境を提供できる立地により人材確保面で優位性、自動ラック設置で冷凍倉庫の過酷な就労環境の改善も目指す
霞ヶ関キャピタル(株)は、同社がアセットマネジメントおよびプロジェクトマネジメント業務を受託している物流施設「LOGI FLAG TECH 名古屋みなとⅠ」の建設に着手した。同施設は、物流業界の慢性的な問題である労働力不足への対応と冷凍倉庫の過酷な就労環境の改善を目的としたもので、自動ラックを設置した冷凍自動倉庫とする計画だ。
同施設を建設する野跡地区は、伊勢湾岸自動車道「名港中央 IC」から約 3.3km に位置し、物流施設として高い交通利便性を有する。関東・関西の大型消費地への効率的な輸送と中継地点としての機能を持つ配送優位性の高い地域で、あおなみ線「野跡駅」の正面に立地しており、同施設内ワーカーに対して快適な通勤環境を提供できることから、昨今の課題である人材確保においても魅力的な立地だとしている。
同施設では 2030年のフロン規制を見据え、自然冷媒を用いた冷却機を採用するほか、屋根には太陽光発電パネルを敷設することで、再生可能エネルギー由来電力を供給できる環境配慮型の施設とする。また、地域交流の場となるカフェやマルシェを併設するほか、災害時には防災備蓄品を備えた避難スペースを提供し、地域の安全にも貢献する意向だ。
※「 LOGI FLAG TECH 名古屋みなとⅠ」の施設概要
所在地:愛知県名古屋市港区野跡 3-1-3
敷地面積:7,083.32 ㎡(2,142.70 坪)
延床面積:2万1,600.97 ㎡(6,534.29 坪)
竣工予定:2026 年 5 月
建物構造:鉄骨造地上 2 階建て
(注)自動倉庫は吹き抜け構造で床がないため、延床面積は仮想床での面積
■(株)カインズ<1月10日>
埼玉県日高市の物流施設「カインズ日高流通センター」が本格稼働を開始/敷地面積および保管能力では関東エリアで同社最大級の規模、岐阜プラスチック工業(株)と共同開発した「茶殻リサイクルパレット」の利用も推進
(株)カインズは、埼玉県日高市に建設した物流施設「カインズ 日高流通センター」が1月13日に本格稼働を開始すると発表した。
同施設は、関東エリアでは敷地面積および保管能力がカインズ最大級の流通センター。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)「狭山日高IC」から約3.4km、圏央道と国道16号の結節点に立地することから、首都圏にある店舗にアクセスしやすい。
同施設の特徴の一つであるトラックバースは3面に設置しており、合計127台の車両の同時接車が可能。バース予約システムも導入し、荷物の積み下ろしに要する時間を削減することで、トラックドライバーの拘束時間短縮にも貢献するとしている。
屋根全面に配置した太陽光パネルは、2.6Mの太陽光発電が可能で、同施設使用電力の70%を再生可能エネルギーで賄える。また、岐阜プラスチック工業(株)と共同で、お茶を抽出した後に排出される茶殻をプラスチックの代替原料として再生利用した「茶殻リサイクルパレット」を開発しており、カインズとして初めて採用することで、有限資源の代替素材を有効利用するサステナビリティの取組も積極的に進めるという。
その他、同施設敷地内にある既存林の伐採樹木の一部をエントランスホールや休憩室の内装、建築資材として再利用し、環境負荷低減に努めたとしている。
〇茶殻リサイクルパレットの開発
同施設の開所に伴い、環境面に配慮した取組の検討を進めるなか、岐阜プラスチック工業(株)から、「茶殻リサイクルパレット」開発の提案を受け、2023年初旬から共同開発を構想。茶殻(原材料)の調達を岐阜プラスチック工業が、パレットのサイズや使用イメージ、強度などのデータ提供をカインズがそれぞれ担い、その仕様について協議を重ねてきたという。パレット強度を維持するための茶殻の配合率決定に最も苦心したが、試作を重ねる中で適切な配合率を決定し、製品化にこぎ着けた。カインズでは、利用パレットの約1割を茶殻リサイクルパレットに変更することで、約4,600㎏のCO2排出量(2ℓ入りのPETボトル換算で約118万本に相当)削減が可能だとしている。
※「カインズ 日高流通センター」の施設概要
所在地:埼玉県日高市大字上鹿山字茗荷沢780-1
敷地面積:約5万5,026.15㎡
延床面積:約6万6,166.08㎡
保管能力:約1万8,000PL
トラックバース:127台
駐車場:285台
竣工:2024年4月3日
稼働開始:2025年1月13日
■(株)ポプラ<1月10日>
広島市安佐北区の「ポプラ広島工場」に大量製造対応の冷凍設備を新たに導入/老健施設向け調理済み冷凍惣菜の受注量増大に対応、トンネル式フリーザーなどに1.9億円を投資
(株)ポプラは、1月10 日開催の取締役会で広島市安佐北区の「ポプラ広島工場」で設備投資を行うことを決議した。
同社は冷凍事業として、2023年6月から老健施設向け調理済み冷凍惣菜の製造・販売を開始している。ここにきてその受注量が大幅に増加し、既存設備では対応困難になってきたことから、新たに大量製造に適した冷凍設備の導入を行い、事業の拡大を図ることにした。
※「ポプラ広島工場」における設備投資の概要
所在地:広島県広島市安佐北区安佐町大字久地665-1
設備内容:トンネル式フリーザーならびに生産量拡大に向けた付帯設備
投資予定額:1.9 億円
資金計画:自己資金および銀行借入
稼働時期:2025 年9月(予定)
■(株)C&Fロジホールディングス<1月14日>
岩手県滝沢市における冷凍・冷蔵倉庫完備の低温物流センター建設で2025年6月竣工目指す/事業会社3社での共同運営により北東北エリアをカバー、持続可能なコールドチェーン構築へ
SGホールディングスグループで低温物流事業を担う(株) C&Fロジホールディングス(以下、C&Fロジ)は、岩手県滝沢市に低温物流センターを建設し、2025年 6月での竣工を目指していると発表した。同施設は、 C&Fロジの事業会社で、主に冷凍食品を取り扱う(株)ヒューテックノオリンが運営主体となり、同じくC&Fロジの事業会社で、冷蔵温度帯の食品を扱う名糖運輸(株)、牛乳や乳製品の入出庫保管から輸配送を得意とする(株)デイラインとの 3社共同で運営する。冷凍・冷蔵温度帯を兼ね備えた施設の複数事業会社による共同運営は、 C&Fロジとしては初めてだとしている。
C&Fロジは、岩手県、青森県、秋田県の北東北エリアでの低温物流事業について、各事業会社が業務ごとに協力会社に委託することで対応してきたが、物流業界を取り巻く環境は、高齢化などによるドライバー不足や、エネルギーコストなどの上昇による物流コスト自体の高騰もあり、既存業務の拡張や新規受注に困難が生じ、事業継続リスクも生じる状況となっている。また、ドライバーの時間外労働時間の規制により、C&Fロジでも、宮城県などの南東北エリアの自社拠点から北東北エリアの納品先への配送に対応することができなかったケースがあるほか、場所によっては途中で中継し、ドライバーを交替して配送するケースも散見されているという。
C&Fロジはそのため、同じ課題を抱えるヒューテックノオリン、名糖運輸、デイラインの事業会社3社が共同で運営する同施設の設置を決定。3社それぞれの取扱品目に適合する、冷凍・冷蔵・常温の3温度帯の保管機能を持ち、北東北エリアの納品先への配送機能と南東北エリアからの中継拠点となる拠点として、同施設の建設を進めている。こうした共同運営施設はC&Fロジでは初めてだが、それぞれの温度管理や品質管理のノウハウを集約し、従来にない新たな価値を提供することが可能となるとしている。
同施設での業務は、これまで取り扱いがあった冷凍食品やチルド食品の保管業務および共同配送業務や、病院施設への食材の配送のほか、新たにSGホールディングス傘下の事業会社との協業により、同エリアの特徴であるEC向けの農畜産物の保管や輸送業務、高齢者世帯に向けた宅配関連業務、また厳格な温度管理が必要な医薬品輸配送関連業務などへの拡張が可能となることから、グループ力を生かしたシナジーを創出する。
同施設は、東北自動車道「盛岡IC」から約10分と交通の便に優れ、北東北3県をカバーすることができるなど、物流拠点として立地優位性がある。また、施設面では、自然冷媒を使用した冷凍機や、全館LED照明を採用するなど、自然環境にも配慮する予定だ。
※「(仮称)北東北共同センター」の施設概要
所在地:岩手県滝沢市大釜風林
敷地面積:約1万2,686㎡
延床面積:約6,222㎡
構造:一部2階建て1棟
保管能力:冷凍倉庫 約1,800パレット
冷蔵倉庫:約730パレット
常温倉庫:約100パレット
主な設備:ドックシェルター16基、自然冷媒冷却システム、全館LED照明、
保有車両:中型・大型合わせて15台(予定)
竣工:2025年6月(予定)
■(株)ロジテック<1月15日>
千葉県習志野市にEC特化物流センター「ロジテック東習志野倉庫」を開設/売上連動課金のフルフィルメントサービス「Demand Logistics」の提供を開始
(株)ロジテックは、千葉県習志野市にEC特化物流センター「ロジテック東習志野倉庫」を開設し、EC事業者向けの売上連動課金、およびカスタマイズ可能なフルフィルメントサービス「Demand Logistics(デマンドロジスティクス)」の提供を開始したと発表した。同社は今後、新たな拠点とサービスを起点としつつ、同社所有の他の倉庫拠点や物流リソースマッチングサービスとのシナジーにより、EC事業者の自社物流を総合的に支援していく。
〇フルフィルメントサービス「Demand Logistics」の特徴
大手ECの拠点に近い習志野市東習志野の立地を生かすとともに、OMSとAPI/ CSV連携可能なクラウド型のWMSを活用することにより、バックエンドからフロントエンドまで一気通貫・365日支援を可能とするEC事業者向け特化型フルフィルメントサービス。セールや新商品入れ替えなど、急激な受注の増減にも対応できる柔軟なオペレーション体制を整えているという。
※「ロジテック東習志野倉庫」の施設概要
所在地:千葉県習志野市東習志野6-18-9プロロジスパーク習志野5(1F・2F部分)
賃借部分面積:4,844.71㎡
建物構造:鉄骨造、地上4階建て
床荷重:倉庫1.5t/㎡
梁下有効天井高:5.5m(2階6.5m、一部5.5m)
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。