<2024年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■関西ペイント(株)<12月26日>
サプライチェーン刷新計画を本格スタート/中部地区で調色工場、販売、倉庫・物流の3部門で構成される新拠点「愛知ステーション」建設に着手
関西ペイント(株)は、愛知県春日井市に調色工場や販売、倉庫・物流の3部門で構成される新拠点「関西ペイント株式会社愛知ステーション」の建設に着手する。
同社は、2022年4月にスタートした第17次中期経営計画でサプライチェーン刷新を重点施策の一つとして掲げており、これまでこの構想を進めてきている。また、2025年4月からスタートする第18次中期経営計画の重点方針の一つに「構造改革による収益性と効率性の強化」を掲げ、環境循環性と経済性の双方を向上させるサプライチェーンの刷新を進めており、新拠点建設はその具体的なアクションの一つ。 塗料需要が大きい中部地区で製造・販売・物流を統合するとともに、自動化による生産効率のアップと現場従業員の負担軽減、さらには在庫集約・共同配送によって事業競争力の強化を図るとしている。
顧客が求める色は無限にあり、調色工場には顧客の求める色や機能を作り出すカスタマイズ対応力が必要。顧客により近い場所で、必要な種類と量の塗料を効率的に製造し、素早く配送することが求められている。また、調色工場には事業性とサステナビリティ性の両立が求められており、今回の新拠点建設は中部地区における競争力の大幅な向上を目指した戦略投資と位置付けられている。
〇施設計画概要
①サステナブルなものづく
新拠点では、省人化したスマートファクトリーを目指す。最新鋭設備導入により、調色時間を大幅に短縮。年間70tの産業廃棄物が削減可能となり、サステナブルなものづくりを実現する。
②物流拠点としての機能
新拠点は、東名高速道路「春日井IC」を降りた国道19号線沿いにあり、中部地区最大需要地の名古屋市まで30分という好立地で、西日本・東日本への配送に優れた物流拠点。東西物流の中間地点に位置しており、近年、社会課題となっている物流問題にも対応できる。
③BCP対策
最新設備導入により、工場内の溶剤臭の揮散を最小化した働きやすい作業環境を実現。沿岸部から遠くに立地し、地盤も強固なため、BCP対策も万全。
④集客力アップと塗装店の技術向上
新拠点は70名規模のプレゼンルーム・大型塗装ブースが完備されており、自動車補修・建築・防食・工業分野の全ての顧客を迎えることのできるオープンな施設。関係各社で定期的に開催するプレゼンテーションや塗装デモを新拠点だけで完結することができ、関西ペイントの最新塗料に触れられる場として、また塗装技術の研修等が実施できる場として活用する。
※「関西ペイント株式会社愛知ステーション」の施設概要
所在地:愛知県春日井市大泉寺町
敷地面積:1万3,600㎡
施設構成:調色工場部門、販売部門、倉庫・物流部門
着工:2025年1月
竣工:2026年3月予定
操業:2026年7月予定
投資金額:約37億円
■(株)ブルボン<12月26日>
サッポロビール那須工場の土地・建物・生産設備等を売買契約で取得/品質保証第一主義の取組強化の一環、グループとして生産工場の再構築進める
(株)ブルボンは、サッポロビール(株)が所有するサッポロビール那須工場の土地・建物・生産設備等の固定資産について売買契約を締結したと発表した。
ブルボングループは、さらなる安全・安心・安定を基とした品質保証第一主義の取組を強化しており、その一環として生産工場の再構築を進めている。また、同グループには“全国第1号クラフトビールメーカー”のエチゴビール(株)があることから、 今後の同グループの事業拡大を見据えた生産拠点として、今回の売買契約を締結するものだとしている。
※「サッポロビール那須工場」の施設概要
所在地:栃木県那須郡那須町高久甲 4453-49
敷地面積:約4万7,000 ㎡
契約締結日:2024 年12 月25 日
取得完了日:2025 年3 月(予定)
取得価額:未公表
稼働時期:未定
■極東開発工業(株)<12月26日>
横浜工場で小型リヤダンプトラックボディー自動化ラインが完成 /中型自動化ラインに続き大幅な生産性向上を実現
極東開発工業(株)が、横浜工場(神奈川 県大和市)内にて設備投資を進めていた小型リヤダンプトラックボディーの自動化ラインが完成した。
同ラインは、同工場で2021年9 月から稼働している中型リヤダンプトラックボディーの自動化ラインに続き、同工場の主力製品の一つである小型リヤダンプトラックボディー生産ラインを刷新したもの。自動溶接ロボットの増設をはじめ効率化を徹底的に追求したことにより、従来のラインと比較して約 45%生産性を向上させた。設備投資額は約12億円。2024 年 7 月からのトライアル生産を経て当初想定の効果が確認されたことから、今回本稼働に至ったという。
特装車は、一品一様でのオーダーメイドによる製作が多く、サイズも大型から小型まで多岐にわたるため、生産の自動化が難しい製品。同工場における今回の中型・小型リヤダンプトラックボディー自動化の実績を基に、今後他工程でも生産効率化に向けた自動化を推進していく方針だ。
極東開発グループは、引き続き生産性向上に寄与する設備投資をさらに積極的に進め、業績拡大と特装車事業を通じた社会への貢献に努めるとしている。
※「横浜工場」における設備投資の概要
名称:横浜工場 小型リヤダンプトラックボディー自動化ライン
投資額:約 12 億円
目的:①小型リヤダンプトラックボディーの生産自動化による生産体制の効率化
②将来を見据えた小型リヤダンプトラックボディーの生産自動化及び無人運搬機による部品自動供給によ
る効率化・省人化
ボディーライン:全長 76m
ロボット台数:20 台
物流システム:立体自動倉庫設置、フォーク型無人運搬機による部品配膳
■サン インテルネット(株)<12月27日>
神奈川県厚木市に新物流拠点「サン インテルネット『厚木第六センター」」を開設/同社所有物件で最大級の延床面積 8,000 坪超
サン インテルネット(株)は 2025年1月1日、新物流拠点「サン インテルネット 『厚木第六センター』」(神奈川県厚木市)を開設する。
同拠点の延床面積は 8,000 坪超で、同社所有物件としては最大級規模になるという。 圏央道「厚木SIC」から約 1.0km に位置し、都内、神奈川県内はもちろん、関東全域、西日本へのアクセスにも優れる物流拠点として良好な立地だ。同拠点には、約 1,000 坪の冷蔵設備と最大 29 台のトラックの同時接車が可能なバースを導入。屋上には非常用発電機が設置されており、災害などに伴う停電時にも物流機能を継続することができる。
なお、同拠点は既に大手ドラッグストアの配送拠点としての利用が予定されている。
※「サン インテルネット『厚木第六センター』」の施設概要
所在地:神奈川県厚木市猿ヶ島 186-1
用途地域:市街化調整区域(物流効率化法による認定事業)
延床面積:8,805.45 坪(2万9,108.92㎡)
構造:FSRPC-B 構法・地上 2 階建て
バース:最大 29 台(冷蔵:12 台・オープンバース 3 台・インナーバース 14 台)
プラットフォーム:高床式 1.0m
梁下有効天井高:各階 5.5m
搬送設備:EV 3 基、垂直搬送機 3 基
駐車場台数:普通車60台、大型待機場10台
その他:非常用発電機の設置
■カルビー(株)<1月6日>
広島市佐伯区に建設した「せとうち広島工場」が2025年1月13日から操業開始/優れた環境性能・生産性向上・作業環境改善を実現
カルビー(株)は2025年1月13日、かねてから広島県広島市佐伯区で建設を進めていた「せとうち広島工場」の操業を開始する。同社が国内に工場を新設するのは約19年ぶり。
同工場は、「人と地球の笑顔をつくりだす、未来を形にする工場」をコンセプトに、優れた環境性能・生産性向上・作業環境改善を実現する最新鋭マザー工場。再生可能エネルギーや循環型エネルギーシステムを導入しており、廃熱や排水、廃棄物を有効活用することで環境負荷を低減し、温室効果ガス総排出量50%減・廃棄物排出量50%減・水の総使用量30%減(いずれも広島西工場2019年3月期実績との比較)の達成を目指す。なお、再生可能エネルギー由来のCO2フリー電力の調達も行うことで、再エネ電力100%(CO2フリー電力100%)も実現するという。
また、DX等の先端技術を活用し、生産ラインの自動化・省力化も進める。IoT技術を活用した次世代工場モデルを応用展開し、より高度な品質管理や高効率な多品種少量生産に対応するほか、将来的には生産ラインの遠隔監視等によるリモートワークの導入を進める。これら諸施策の導入により、労働生産性(従業員1人あたり)の約6割向上を図る。また、重筋作業の負担軽減や温熱環境の改善、LGBTQに配慮した厚生エリア等、安全性と多様性を両立した従業員に快適な職場環境の実現を目指す。
※「せとうち広島工場」の施設概要
所在地:広島県広島市佐伯区五日市港1-2-3
敷地面積:10万10㎡
施工日:2024年6月28日
操業開始日:2025年1月13日予定
建物:生産棟(鉄骨4階建て、延床5万1,164㎡)
原料供給棟(鉄骨平屋建て、延床3,675㎡)
主な製造商品:ポテトチップス、堅あげポテト、Jagabee、サッポロポテト
生産能力:年間約280億円
従業員数:約280名(2025年4月予定)
■マツダ(株)<1月6日>
山口県岩国市に車載用円筒形リチウムイオン電池のモジュール・パック工場を建設/完成した電池パックは同社国内車両工場で初となるEV専用プラットフォーム採用のバッテリーEVに搭載する予定
マツダ(株)は、山口県岩国市に車載用円筒形リチウムイオン電池のモジュール・パック工場を新設する。
新工場では、パナソニック エナジー(株)から調達する車載用円筒形リチウムイオン電池セルのモジュール化とパック化を行う。2027年度での工場稼働開始を目指しており、完成した電池パックは、マツダの国内車両工場で同社初のEV専用プラットフォームを採用するバッテリーEVに搭載する予定。生産能力は年間10GWhとなる予定だ。
マツダは、「2030経営方針」のもと、地球温暖化抑制を通じて社会的課題の解決に貢献するため、顧客ニーズや規制の変化に応じた様々な技術的選択肢を用意する「マルチソリューション戦略」に基づき、電動化技術への準備を進める。電動車の重要部品の1つである電池については、パナソニック エナジーと2023年5月に車載用円筒形リチウムイオン電池の供給に向けた合意書を締結しており、2024年9月に同協業に関わる電池の生産増強および技術開発に関して、経済産業省から「蓄電池に係る安定供給確保計画」との認定を受けている。同計画に基づき、新工場でモジュール・パック化した電池を活用し、デザインや利便性、航続距離などを高いレベルで実現させたマツダらしいバッテリーEVを今後ユーザーに提供していく。また、新工場を通じて、地域の雇用や経済発展にも貢献するとしている。
■ロジスティード(株)<1月8日>
ロジスティードケミカル(株)が京都府亀岡市に「関西物流センター(京都亀岡)」を開設/省人化テクノロジーの導入で高効率な物流サービスを提供
ロジスティード(株)は、ロジスティードグループのロジスティードケミカル(株)が京都府亀岡市に物流施設「関西物流センター(京都亀岡)」を開設し、1月6日に稼働させたと発表した。
同施設は、7棟の危険物倉庫群からなる危険物の取り扱いに特化した物流センターで、幹線道路からのアクセスが良好な大規模工業地域に立地している。化学品のほか、化粧品や医薬品、リチウム電池など、様々な産業分野における危険物保管の関連法令遵守をサポートしており、顧客サプライチェーンの強化に貢献する意向。また、無軌道タイプの自動運転技術を搭載した無人搬送車をロジスティードグループとして初めて屋外に導入しており、フォークリフトによる屋外搬送を省人化するなど、高効率な物流サービスを提供する。
※「関西物流センター(京都亀岡)」の施設概要
所在地:京都府亀岡市篠町夕日ヶ丘4-7-1
建屋仕様:鉄骨造(平屋建て)
敷地面積:約4万6,981.84㎡
延床面積:約9,570.15㎡
主要設備:危険物倉庫7棟、泡・粉末消火設備、自家発電設備、セキュリティシステム、太陽光発電設備、屋外無
人搬送車 など
稼働開始日:2025年1月6日
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。