■物流施設 投資関連情報2024版<11.7~11.13>

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<2024年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>

■ダイセーホールディングス(株)<11月7日>
ダイセーグループのイズミ物流(株)が医薬品専用物流拠点を山形県米沢市に開設/食品輸送に次ぐ第二の事業として医薬品物流に本格参入


 ダイセーホールディングス(株)は、グループのイズミ物流(株)が山形県米沢市に同社初の医療医薬品専門物流拠点「米沢Logistics Center」を開設したと発表した。
 同施設は、主力事業の食品輸送で培った高度な温度管理と品質管理のノウハウを活かし、2020年に参入した医療医薬品物流事業の拡大を見据えて開設したもの。冷凍・冷蔵・定温室に加え、BCP対策を強化した非常用発電機や高度なセキュリティシステムを完備している。また、GDP・GMPガイドラインの法制化を見据え、これに準拠した最新設備を整えた国内有数の物流センターとして医薬品の安全で安定的な供給を支える基盤の役割を果たす。
 イズミ物流は、大手パンメーカーの輸送を手掛け、本州の約20%のコンビニへの店舗配送を行うなど、長年にわたり食品輸送の実績を築いてきた。2020年には、安定した食品輸送に次ぐ第二の事業として医薬品物流に参入。今回の医薬品専用物流拠点新設はこの一環で、2027年にはさらに埼玉県にも医薬品専用物流拠点を建設する予定だとしており、医薬品物流体制のさらなる強化を進める構えだ。
 同施設は、医薬品の安定供給を支えるため、7日分の非常用電源を確保できる発電機を完備。さらにトラックバースにはエアーシェルターを設置し、徹底した防虫防鼠対策を施した。また、冷凍・冷蔵・定温環境での結露対策を徹底したほか、冷凍室の固定ラックや冷蔵室の移動ラック導入により保管・作業効率の向上も図っている。セキュリティ面では、カードリーダー・静脈認証による入出管理に加え、オンライン監視システムや55台の監視カメラの導入による24時間監視・録画体制を整え、安全性についても強化。さらに、豪雪地帯に適した太陽光パネルを設置するなど、エネルギー効率にも配慮している。

※「米沢Logistics Center」の施設概要
所在地:山形県米沢市アルカディア1-808-35
敷地面積:6,537.00㎡(1977.44坪)
延床面積: 4,137.69㎡(1251.65坪)
構造:鉄骨造2階建て・準耐火建築物
温度帯:冷凍(-20~30℃対応)、冷蔵(2~8℃対応)、定温(15~25℃対応)

■阪急阪神不動産(株)<11月7日>
好立地・高機能な物流施設「ロジスタ北伊丹」および「ロジスタ京都伏見」の開発に着手/2026年夏に竣工・開業へ、環境に配慮した設備採用等によりZEB Ready以上の認証取得も予定


 阪急阪神不動産(株)は、物流施設「ロジスタ北伊丹」および「ロジスタ京都伏見」の開発に着手した。
 近年は、サプライチェーンの見直しを契機とした拠点の再編や統合の加速に伴い、物流施設にはより利便性の高い立地が求められるほか、EC市場の継続的な成長に伴って高機能化ニーズも高まっている。また、環境配慮や省エネルギー対応も必須の条件になっていると言える。ロジスタ北伊丹およびロジスタ京都伏見はこうしたニーズに対応した物流施設で、優れた立地条件に加え、高い機能性と汎用性を併せ持っている。また、環境配慮の面でも館内LED 照明、高効率空調等を採用し、ZEB Ready 以上の環境認証を取得する予定だ。ロジスタ北伊丹は10月21日に建設工事に、またロジスタ京都伏見は11月1日に開発工事にそれぞれ着手しており、ともに2026年夏の竣工および開業を目指しているという。

〇「ロジスタ北伊丹」の特長
・阪神高速11号池田線「川西小花IC」まで約3.1km、中国自動車道「中国池田IC」まで約4km と、複数の高速道路へのアクセスが良好で、大阪・神戸の都心部にも近く、都市部近郊への配送に適しているだけでなく関西圏の消費地まで広くカバーすることが可能。
・伊丹市から川西市にかけては人口が集積しており、最寄り駅及びバス停からも徒歩圏内であることから、雇用確保面でも有利。
・複数テナントが入居可能なマルチテナント型物流施設とする計画で、1階と2階に合計36台の10t トラックが接車できるバースを設けるほか、各分割区画に1基ずつ荷物用エレベーター・垂直搬送機を実装する。最大4テナントの入居が可能。倉庫部分は、床荷重が1.5t/㎡で、各階の天井有効高は5.5mとし、さらに標準柱の間隔も11.5m×10mを確保することで、汎用性の高い大空間を有するフロアとする予定。

〇「ロジスタ京都伏見」の特長
・名神高速道路「京都南IC」まで約5.9km、第二京阪道路「伏見IC」まで約6.4km の地点に立地し、複数の高速道路へのアクセスが良好で、関西圏をはじめとする広域への配送が可能。また、「JR 京都駅」から10km 圏内に位置していることから、都市部近郊への配送拠点としても優れる。
・1階トラックバースは車両保管場所として車庫証明を取得することが可能なほか、駐車場としても利用できる。

※「ロジスタ北伊丹」の施設概要
所在地 :兵庫県川西市久代1-39他
敷地面積:約1万5,000 ㎡(約4,600 坪)
延床面積:約3万2,000 ㎡(約9,700 坪)
構造規模:S造・地上4 階建て
施設タイプ:スロープタイプ
竣工:2026 年夏(予定)

※「ロジスタ京都伏見」の施設概要
所在地:京都府京都市伏見区久我西出町7 番4 他
敷地面積:約5,000 ㎡(約1,500 坪)
延床面積:約1万1,300 ㎡(約3,400 坪)
構造規模:S造・地上4 階建て
施設タイプ:ボックスタイプ
竣工:2026 年夏(予定)

■小田急不動産(株)<11月8日>
物流施設プロジェクト第7弾となる冷凍冷蔵倉庫「(仮説)小田急不動産ロジスティクスセンター鳴尾浜コールドストレージ」の開発に着手/兵庫県での物流施設開発および冷凍冷蔵倉庫の開発は同社として初めて


 小田急不動産(株)は、兵庫県西宮市鳴尾浜の開発用地で物流施設第7弾となる冷凍冷蔵倉庫「(仮称)小田急不動産ロジスティクスセンター鳴尾浜コールドストレージ」の開発に着手した。兵庫県での物流施設の開発および冷凍冷蔵倉庫の開発はともに同社として初めて。同社は、これまで日本全国で6棟の物流施設の開発を手掛けており、そのノウハウを活かして今後も冷凍冷蔵倉庫開発に積極的に取り組む方針だ。

〇同施設の計画
 同施設は、阪神高速5号湾岸線「鳴尾浜出入口」より約1.1kmに位置し、大阪・神戸の両方面への交通アクセスが良好なことから、関西圏の広域配送拠点として利便性の高い立地に所在している。また、阪神本線「甲子園駅」・JR神戸線「甲子園口駅」からアクセス可能な阪神バス「鳴尾浜南第一停留所」も目の前にあるため、同施設で従業するワーカーは公共交通機関を利用しての通勤が可能。労働力確保の点でも優位性がある。同施設の対応温度帯は-25℃~5℃帯に設定可能な温度帯可変区画のほか、一部10℃~25℃帯の定温区画となっている。冷凍冷蔵設備は環境への負荷が低く、高エネルギー効率によりコスト削減可能な自然冷媒を採用。また、主要設備もBCP対策に配慮し、屋上に配置する計画になっている。

〇同施設の入居テナント
同施設には尼高運輸(株)が入居する予定で、同社は関西圏における倉庫拠点の一つとして同施設を利用する計画。同社は、倉庫保管・輸配送のほか、流通加工業務も得意とする物流企業で、兵庫県、大阪府および北海道に複数の事業拠点を構えている。同施設は1棟借り契約により、自社倉庫と同様、要望に沿った柔軟な仕様での利用が可能だ。

※「(仮称)小田急不動産ロジスティクスセンター鳴尾浜コールドストレージ」の施設概要
所在地:兵庫県西宮市鳴尾浜2-1-19(地番)
都市計画等:準工業地域、建ぺい率60%、容積率200%
敷地面積:4,064㎡(約1,229.36坪)(登記記録記載面積)
延床面積:8,008.98㎡(約2,422.71坪)(建築確認申請面積)
構造規模: 鉄骨造4階建て
耐床荷重:1万5,000N/㎡
梁下有効天井高:5.5m
柱スパン:間口10m以上×奥行10.2m以上
設定温度:1階:5℃帯(一部に-25℃~5℃帯の可変区画あり)、2階・3階:-25℃~5℃帯、4階:10℃~25℃帯

■日本GLP(株)<11月11日>
岡山県早島町で延床面積約4万9,000㎡の先進的物流施設「GLP早島Ⅳ」の建設に着手/リピートカスタマーが専用施設として1棟利用する予定


 日本GLP(株)は、岡山県早島町で延床面積約4万9,000㎡の先進的物流施設「GLP早島Ⅳ」の建設に着手した。
同施設は2026年5月末に竣工する予定で、竣工後は日本GLPのリピートカスタマーが専用施設として1棟全体を利用することが決まっている。この決定について同入居企業は、エリア配送・広域配送双方に適した同施設の圧倒的な立地の良さに加え、これまでの信頼関係に基づくリレーションや、効率的なオペレーションを実現する日本GLPの提案力と柔軟な対応力などを評価。今後は日本GLPと同入居企業がタッグを組み、中四国における物流プライム立地での開発に取り組む。両社は同施設を、物流2024年問題対策として配送効率向上を実現する重要物流拠点と位置付け、業界の課題解決をめざす。

〇同施設の立地

  • 同施設は、兵庫県から山口県を繋ぐ山陽自動車道また岡山県と四国を繋ぐ瀬戸中央自動車道へアクセスが可能な「早島IC」から約5分(約1.9km)の物流施設が立ち並ぶエリアに立地しており、岡山・倉敷市街のエリア配送だけでなく、中・四国エリアを含めた広域配送も可能な物流プライム立地。
  • 同エリアは歴史的にも流通・物流の要衝で関西・中四国エリアの各大都市圏の中間点に位置しており、山陰方面への配送もカバー。
  • 物流2024年問題において長距離輸送の目安となる4時間の移動で、東は京都市内、西は山口県まで到達が可能。物流2024年問題の課題解決への貢献に加え、中四国エリアの物流ハブとして高いポテンシャルを持つ。
  • 同施設が立地する早島エリアは、日用雑貨メーカーや食品流通系企業、工業メーカーが集まる岡山県総合流通センターにも至近で、先進的物流施設のニーズは一段と高まるとみられる。
  • 周辺には住宅エリアが隣接しており、雇用確保にも適する。

〇同施設の特長

  • 地上3階建てで、各階へのアクセスを可能とするシンプルランプを備えたBTS型施設。
  • 物流2024年問題を見据え、1階には入出荷作業を効率化するための両面バースを備え、効率的な倉庫オペレーションをサポート。
  • 一部に冷凍冷蔵倉庫の設置を可能とした建築・設備仕様とし、多種多様な荷物のニーズに対応。
  • カスタマーオペレーションに寄り添ったスパン寸法や、5t対応の荷物用エレベーターの設置など、効率的な倉庫オペレーションをサポート。
  • 屋上には一部トラックにも対応した車室エリアを設けた約400台の駐車場を整備し、トラックドライバーの負荷軽減と通勤アクセスの利便性を確保。
  • 庫内には空調設備・大型シーリングファンを設置し、快適な労働環境を提供。

※「GLP早島Ⅳ」の施設概要
所在地:岡山県都窪郡早島町早島字畑岡463-1外
敷地面積:約3万3,000㎡
延床面積:約4万9,000㎡
構造:地上3階建て、耐震造
着工:2024年12月
竣工:2026年5月末(予定)
認証取得:CASBEE認証(予定)、ZEB Ready認証(予定)

■(株)シーアールイー<11月11日>
愛知県名古屋市港区で開発を進めている大型物流施設「ロジスクエア名古屋みなと」を着工/最大4テナントへの分割賃貸が可能なマルチテナント型物流施設


 (株)シーアールイーは、愛知県名古屋市港区で開発を進めている大型物流施設「ロジスクエア名古屋みなと」の建設に着手し、 2025 年 12 月末に竣工予定であると発表した。

〇同施設の立地
 同施設の開発地は、名古屋市港区の湾岸部に位置し、周辺は工場が立ち並ぶ 24時間操業可能な工業専用地域に立地している。名古屋市内中心部まで約 11km、名古屋高速4号線「木場IC」まで約 1.8km と名古屋市内へのアクセスに優れ、また「木場IC」から新東名高速道路・新名神高速道路へとつながる「東海JCT」までは約 6km と、中部圏はもとより東日本・西日本への広域配送拠点としても優れた物流適地だ。さらに「名古屋港飛島ふ頭北コンテナターミナル」までは約 16km、中部国際空港(セントレア)まで約32km と輸出入貨物輸送にも適する。加えて、名古屋鉄道築港線「東名古屋港駅」および名古屋市交通局市バス「大江町バス停」から約 700mに位置し、交通利便性が高い。同開発地の港区および隣接する南区は合計約 27 万 の人口を擁しており、雇用確保においても有利な立地だ。

〇同施設の計画概要
 同施設は、地上4階建て、延床面積 4万9,901.24 ㎡(1万5,095.12 坪)の物流施設として開発される。3 階に大型車両が直接乗り入れできる車路スロープが設けられているほか、トラックバースが 1 階および 3 階に備えられている、最大 4 テナントへの分割賃貸が可能なマルチテナント型施設だ。 倉庫部分の基本スペックとしては、外壁には金属断熱サンドイッチパネル、床荷重は 1.5t/㎡(2.5t フォークリフト対応可)、有効高さは 5.5m以上(一部除く)、照度は平均 250 ルクスを確保する。昇降設備については、荷物用エレベーター(積載荷重 4.1t)を1・2 階専用 に4 基、3・4 階専用を 4 基実装する。 さらに、将来的なオペレーションの対応として、垂直搬送機 2 基(いずれも 1~4 階での利用可)やドッグレベラーの増設を可能とする構造とするほか、庫内空調設備設置の際の配管ルートや室外機置場・キュービクル増設スペース等の確保、事務所スペースの増床を想定した法的な対応等、入居テナントの将来ニーズにも一定の対応ができる仕様とし、様々な物流ニーズに対応できる機能性と汎用性を兼ね備えた同社基本スペックを満足し得る計画となっている。 環境対策としては、全館 LED 照明、人感センサー、節水型衛生器具を採用するなど、環境配慮や省エネルギーに対応した施設計画とし、BELS 評価、CASBEE-建築(新築)を取得する予定だ。また、エンバイオ C・ウェスト(同)を通じて太陽光発電システムを導入する予定で、同施設屋根に設置する太陽光パネルで発電した電力の供給を受け、自家消費する計画もあるという。また、発電した電力の一部を施設内に蓄電し、停電時に非常用電力として使用できる蓄電池システムの導入も検討している。

※「 ロジスクエア名古屋みなと」の施設概要
所在地:愛知県名古屋市港区大江町
敷地面積:20,882.84 ㎡(6,317.05 坪)
用途地域:工業専用地域
主要用途:倉庫(倉庫業を営む倉庫)
構造規模:鉄骨造 4 階建て(1 階・3 階接車バース)
延床面積:4万9,901.24 ㎡(1万5,095.12 坪)(予定)
着工:2024年11月11日
竣工:2025年12月31日(予定)

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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