■物流施設 投資関連情報2024版<7.18~7.24>

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■野村不動産(株) <7月18日>
フィリピン・大手デベロッパーと設立した合弁会社が物流施設を展開/ファーストリテイリング社の「東南アジア最大の物流施設」として開発


 野村不動産(株)は、フィリピンの大手デベロッパー、Federal Land, Inc.と設立した合弁会社 Federal Land NRE Global Inc. (FNG)が、フィリピン カビテ州で推進している郊外型大規模タウンシップ開発「カビテプロジェクト」で物流施設を展開すると発表した。
 同施設は、フィリピン現地でユニクロ事業を展開する Fast Retailing Philippines, Inc.と施設開発における協定を締結し、2024 年 6 月に着工したもの。全体敷地面積は約 600haで、ユニクロ事業における東南アジア最大の物流施設になるとしている。
 同施設を建設するフィリピン カビテ州は、フィリピンの中心機能が集積するメトロマニラに隣接し、フィリピン最大の人口 (約 430 万人) を有する。メトロマニラと接続する既存高速道路に加え、新たに 2025 年に延伸高速道路が開通する予定で、さらなる交通利便性の向上が期待されている。
 FNG は、カビテ州イムス市およびジェネラル・トリアス市で推進される全体敷地面積約 600ha の「カビテプロジェクト」 に 2022 年より参画。合計約 230ha の土地を取得し、30 年超にわたる大型タウンシップ開発を推進している。 FNG 参画街区は「ノースリバーパーク」「サウスリバーパーク」「ダウンタウン」の 3 エリアで構成されており、同施設は「ノース リバーパーク」に敷地面積 6 万 ㎡超の規模で開発する。

〇同施設の特徴
・ワーカーの労働環境改善への取組

倉庫内の空調設備の導入、カフェテリアや休憩室、緑地帯の配置等、快適な労働環境を提供し、ワーカーの健康・ 安心安全を確保するための設計・取組みを複数導入し、働き方の支援を行う。
・環境負荷低減の取組
同施設では屋根を活用し、太陽光発電による自家消費を行う予定です。また、全熱交換器の導入により、空調 効率を高め、環境負荷低減に取り組む。
・BCP/生産性向上への取組
施設内では、指紋認証設備の導入により、入退場管理作業効率の改善を行うと同時に、有事の際等の停電時には、 物流機能を継続するため、非常用発電機で 24 時間分の電力確保する等、BCPにも対応する。

※「 FNG の物流倉庫」の施設概要
所在地:Brgys. Pasong Camachile and Navarro, General Trias, Cavite
敷地面積:約 6万㎡
延床面積:約 4万2,000 ㎡
着工:2024 年 6 月 /
竣工:2026 年以降(予定)

■(株)フェローテックホールディングス<7月18日>
マレーシアのクアラルンプール近郊に現地子会社が新物流倉庫を開設/ハラル認証取得手続きも進め、拡大を続けるマレーシアの日本食需要に対応


 (株)フェローテックホールディングスは、7月17日開催の取締役会でマレーシア南部地区でのシリコンパーツ製造子会社 Ferrotec Silicon(Malaysia)SDN BHD(FTHSM)の設立と新工場建設を決議した。 また、FTHSM に出資するため、日本子会社のフェローテックシリコンジャパン(株)(FTHSJ)に増資したことから、FTHSJ は特定子会社に異動している。

1. 背景、狙い
同社半導体製造用部材(半導体マテリアル製品)の一つであるシリコンパーツ事業は、近年の半導体製造装置の需要増大に伴い急速な成長を遂げた。生産面では中国の杭州、銀川、常山の生産拠点を有し、顧客のおう盛な需要に対して安定的な供給を実現し、世界的な大手顧客とも長期的な信頼関係を築いてきた。
ただ、昨今の経営環境の変化から、大手顧客の生産拠点が東南アジアを含め中国以外にシフトしていることを鑑み、今回マレーシア南部地区での新工場建設を決定した。同地区での生産を通じて、顧客需要の取り込みを強化し、さらなる成長をめざす。
新工場に関しては、2023 年7月 19 日付開示した「パワー半導体用絶縁放熱基板製造子会社におけるマレーシアでの設備投資(新工場建設)に関するお知らせ」のとおり、Ferrotec Power Semiconductor Malaysia Sdn. Bhd. (FLHM) の工場敷地を賃借するかたちで設置する。これにより、工場立ち上げのスピードアップと投資金額の抑制を狙う。
また、FTHSM 設立に関しては、シリコンパーツ製造の中核子会社である杭州盾源聚芯半導体科技有限公司(FTHS) が FTHSJ を通じて出資する。同出資に伴い 、FTHSJ の資本金が当社資本金の 10%を超える見込みであるため、特定子会社に異動する。

2.子会社資本金の増減
FTHSJ 新会社(FTHSM)
・ 現行資本金 1 億円
・今回増資額 28 億 8,855 万円
・ 増資後登録資本金 29 億 8,855 万円

※「Ferrotec Silicon(Malaysia)SDN BHDの新工場」の施設概要
所在地:マレーシア南部地区柔仏州新山地区
延床面積:約6,000 ㎡
投資金額:約29 億円
工場改修費用:約 9 億円
機械・設備等:約 20 億円
設備発注開始:2024年10月
内装工事開始:2024年12月
設備据付完了:2025年5月
操業開始予定: 2025 年8月

■ペットゴー(株)<7月18日>
神奈川県海老名市内に新物流センターを開設/2026年2月から稼働、新たに定期建物賃貸借契約を締結


 ペットゴー(株)は、神奈川県厚木市所在の物件について賃貸借条件に関する合意書を締結することを取締役会で決議した。 なお、2023 年5 月10 日付「物流センターの新設に関するお知らせ」で開示した神奈川県海老名市所在の物件については、契約解除に関する特約事項に該当したため、契約先と合意のうえ、契約を解除した。
同社は今後、事業拡大に合わせ、定期建物賃貸借契約により物流センターを新設し、自社物流センターと3PL事業者へ の業務委託を組み合わせることで、効率的かつ円滑な物流業務の運営を行う。

※「厚木新物流センター」の施設概要
所在地:神奈川県厚木市
賃貸面積:倉庫 2,058.33 坪(予定) 事務所等 134.11 坪(予定)
構造: 耐火構造
賃貸借期間 :2026 年2月1日~2036 年1月31 日まで(予定)
※定期建物賃貸借契約による賃貸借
稼働開始日:2026 年2月1日(予定)
総投資額( 敷金及び物流設備等) :2億円程度予定 (2025 年4月~2026 年1月までに 支出予定)

■オリックス不動産(株)<7月18日>
関東・関西・北陸と東海を結ぶマルチテナント型物流施設「(仮称)一宮萩原ロジスティクスセンター」を着工/延床面積7万㎡超のRCS4階建て、最小約1,300坪区画から利用可能


 オリックス不動産(株)は、愛知県一宮市でマルチテナント型物流施設「(仮称)一宮萩原ロジスティクスセンター」の開発に着手した。
 同施設は、一宮市の市街化調整区域内で地区計画制度を活用して建設する。名神高速道路「一宮IC」から約6km、名古屋高速16号一宮線「一宮東IC」から約5.7km、2021年3月に開通した東海北陸自動車道「一宮稲沢北IC」から約0.2kmに位置し、関東・関西・北陸と東海地方を結ぶ結節点として広域配送に適する。また、名古屋都心部まで車で約35分、名古屋鉄道尾西線「苅安賀駅」から徒歩約10分と通勤利便性にも優れているほか、施設内には、入居テナント企業の従業員が昼食や休憩などに利用できるカフェテリアを2カ所設けるなど、雇用確保の面にも配慮している。
 同施設は、延床面積7万6,539.09㎡(約2万3,153.07坪)のRCS造4階建て。テナント企業の多様なニーズに応えるため、最小約1,300坪の区画から利用することができる。各階へ直接アクセス可能なスロープを設けたランプウェイ式のため、各階に最大42台、合計168台の大型車(10t車)が同時接車可能だ。
屋上には太陽光発電設備を設置するほか、天候の影響や夜間など発電量が不足する場合にはオリックス(株)から非化石証書付き(トラッキング付き)電力を供給することも可能で、入居テナント企業は100%再生可能エネルギー由来の電力を利用できる。また、1階平面駐車場にはEV充電スタンド8基(将来設置予定の2基を含む)を備えるなど、環境面にも配慮する。

※「(仮称)一宮萩原ロジスティクスセンター」の施設概要
所在地:愛知県一宮市萩原町林野字鷺宮1-1他47筆
敷地面積:3万2,085.49㎡(約9,705.86坪)
延床面積:7万6,539.09㎡(約2万3,153.07坪)
規模・構造:地上4階建て、RCS造、耐震構造
駐車場台数:普通車161台、大型トラック待機場20台
その他:トラックバース計168台
床荷重:1.5t/㎡、梁下有効高:5.5m以上、全館LED完備、非常用発電機完備、太陽光発電設備実装、電気自動車(EV)充電スタンド8基設置
着工:2024年6月20日
竣工:2026年4月30日(予定)

■センコー(株)<7月22日>
常温・低温複合型センター「イオン福岡XD」の構内作業・配送業務などを受託/低温物流市場に対しても積極的に物流サービスを提供、3温度帯物流事業の拡大・強化をグループ全体で推進


 センコー(株)は、イオングローバルSCM(株)が 大型物流施設「T-LOGI 福岡アイランドシティ」内に開設した常温・低温複合型センター「イオン福岡XD」の構内作業、配送業務などを受託し、7月24日から業務を開始する。
 同施設は、常温商品のDC(保管型)およびTC(通過型)の物流機能に加え、冷蔵設備を実装しているため、低温商品のTC物流にも対応可能である。福岡市内から北九州地域のイオングループ各店舗への商品供給を行い、常温・低温商品を同一センターで取り扱える強みを生かした配送車両の積載率・回転率の最大化を図る。
同施設内には、自動仕分け機・自動倉庫といった大型MH機器を設けるほか、多くの新規省人化機器を導入し、作業効率の向上を図る。具体的には、①AII遠隔機能を搭載し、遠隔AGFと連携運用を行うデパレアームロボット、② パレット自動倉庫連動デパレアームロボット、③パレットtoコンベアとパレットtoカート積みを1台で対応するデパレアームロボット、④カートナンバーとケースラベルナンバーを自動で紐づけを行うカメラシステム、⑤ カート及びハンドリフトの両方を牽引し、磁気テープを使用しない次世代型AGV―の5種類を導入したとしている。
 センコーは、カーボンニュートラルな社会の実現に向け、様々なCO2排出量削減施策を推進している。先進環境トラック(天然ガストラックやEV車)の導入はその一環。CO2を一切排出しない低温車仕様の燃料電池小型トラックも2台導入し、環境負荷のさらなる低減にも注力していく。
 同社は、これまで小売業の常温物流を軸に物流センター事業の展開を進めてきたが、今後はこれまで常温物流で培ってきた経験とノウハウを活かし、低温物流市場に対しても積極的に物流サービスを提供するほか、3温度帯物流事業の拡大・強化をグループ全体で進める。

※「イオン福岡XD」の施設概要
名称:イオン福岡XD(福岡アイランドシティ営業所)
所 在 地:福岡県福岡市東区みなと香椎4-1-1  T-LOGI 福岡アイランドシティ1・2階
建物構造:RC/S造 地上6階建て
延床面積 :4万1,335.80㎡(賃借部分)
設備: 仕分けソーター、パレット自動倉庫、垂直搬送機、次世代デパレロボット、世代AGV、DAS、常温トラックバース 74台、ドッグシェルター25台

■三井不動産(株)<7月22日>
英国子会社を通じて物流施設事業「(仮称)Wilson’s Lane」に参画/海外で10件目の物流事業、海外における新たなアセットクラスへの投資拡大


 三井不動産(株)は、英国子会社Mitsui Fudosan (UK) LTD (英国三井不動産)を通じ、欧州の物流事業で最大の開発実績を誇る物流デベロッパー、Panattoni UK(パナトニUK社)との共同事業契約を締結し、英国中部西エリアのコベントリーでの物流施設事業「(仮称)Wilson’s Lane」に参画したと発表した。
 同物件は、英国の物流プライム立地であるゴールデントライアングル(高速M1線、M6線、M69線から形成されるエリアとその周辺)付近に位置し、高速道路出入口に隣接する立地にある。また、リサイクル材の使用、自然採光の活用、LED照明の導入など、環境にも配慮をした計画となっており、サステナビリティに対して関心の高い英国で他社施設との差別化を図るという。同物件の竣工は2026年の予定だ。
 英国は、欧州の中でもEC化率が高く、今後もその成長が期待される。また、コロナウイルスの影響や地政学的要因、輸送コストなどの高騰を受け、物流拠点を再びユーロ圏へ戻すサプライチェーンの再構築により、物流施設事業は今後も拡大が見込まれている。
 三井不動産は、2024年4月に策定したグループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」において、海外事業領域での新たなアセットクラスへの投資拡大を戦略のなかに位置付けている。同社グループがこれまで国内外で培ってきた物流施設開発のノウハウと、パナトニUK社が持つ欧州での物流施設開発ノウハウを最大限生かし、同事業を積極的に推進していく考えだ。

※「(仮称)Wilson’s Lane」の施設概要
所在地:Wilson’s Lane, Longford, Coventry
敷地面積:約19万2,700㎡
延床面積:約5万㎡
用途:物流施設(一部事務所)
構造・棟数:RC造、1棟
着工:2025年 
竣工:2026年

■トラスコ中山(株)<7月24日>
新潟県三条市に建設予定の新物流センター「プラネット新潟」の地鎮祭を開催/ホームセンター向け納品体制の強化、ファクトリー向け大物商品出荷拠点としての機能も見込む


 トラスコ中山(株)は7月23日、新潟県三条市に建設予定の物流センター「プラネット新潟」の地鎮祭を実施した。
 新潟県三条市の同社ホームセンタールート向け物流センター「HC東日本物流センター」は、建設から約30年が経過し、建物や設備の老朽化が進んでいる。また、ホームセンター様への売上拡大に伴い、在庫保管能力や出荷能力が限界に達しつつあることから、より効率的な作業環境を構築するとともに、ホームセンターをはじめ、より多くのユーザーのニーズに応えるため、このほど新物流センターの建設を決定した。

〇新物流センターの役割
1.ホームセンタールート向け納品体制の強化
ホームセンターの売上拡大に伴い、既存物流センターの在庫保管能力や出荷能力が最大値に達しつつあることから、より効率的な作業環境を構築するとともに、物流保管能力を強化する。ホームセンターの「ストアブランドの在庫化」や「店舗ごとに仕分けて納品してほしい」といった要望に柔軟に効率的に対応できる納品体制を強化する。
2.ファクトリールート向け大物商品出荷センター
埼玉県幸手市にある「プラネット埼玉」は、最先端の物流機器を導入した同社最大の物流センターで、60万以上の在庫アイテムがある。今後の在庫商品拡大にあたり、出荷頻度を加味するほか、「プラネット埼玉」では高速自動梱包出荷ライン「I-Pack®」に投入できるサイズの商品を、「プラネット新潟」ではそれ以外の大物商品を保管・出荷することで、物流全体の効率を図り、東日本全体で約80万アイテムの即納体制を整える。
3.海外一括仕入れ商品ストックセンター
同社は現在、ドイツ、台湾、タイの3拠点に仕入先開拓オフィスを設けることで、海外一流メーカーの商品の取り扱いを拡充している。海外仕入れ商品は、まとまった数量を一括輸入するため、新潟港からの近い「プラネット新潟」でこれら商品を保管し、全国の物流拠点への在庫補充機能を持たせることで、海外輸入品の在庫管理を強化する。
4.新潟支店向けの在庫確保
現在、「HC東日本物流センター」に併設している「新潟支店」も「プラネット新潟」の新設に合わせて移転する。地域のユーザーへの「最速」「最短」「最良」の納品を実現するため、十分な在庫を確保する。

 新物流センターは、ホームセンタールート向けとファクトリールート向けの両機能を備えた物流拠点とする方針。ホームセンタールートの機能としては、大量少品種の在庫保有が必要であるため、同施設の在庫アイテム数は他の物流センターより少なくなるが、その分、各アイテムの在庫数を多く持つことで、各ホームセンターへの販売における欠品防止と即納体制を整える。また、大物商品や海外一括品も在庫することで、東日本の物流と海外輸入品の供給をサポートする。新物流センターの開設により、作業効率の向上と在庫量の確保、出荷能力の増強を実現し、ユーザーの要望により細やかに対応することで、売上のさらなる拡大をめざす。

※「プラネット新潟」の施設概要
所在地:新潟県三条市福島新田字松橋下丁431-2
敷地面積:7,956坪(2万6,300 ㎡)
延床面積:1万4,221坪(4万7,010 ㎡)※東京ドーム約1個分
建物構造:複合構造(柱RC 梁 S 構造)、免震構造 、消雪装置
階 数:倉庫4階、事務所3階
保管点数:16万アイテム
出荷行数:3.5万行/日
建屋着工:2024年8月
建屋竣工:2026年2月(予定)
出荷開始:
ホームセンタールート向け=2026年6月(予定)
ファクトリールート向け=2026年10月(予定)

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

目次