■物流施設 投資関連情報2024版<6.27~7.3>

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<2024年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>

■コアスタッフ(株)<6月27日>
長野県佐久市に建設中の新物流センター「Zero Hub」が8月稼働へ/省エネ・創エネ技術で一次消費エネルギーを100%削減、「ZEB」認証にも適合


 半導体・電子部品の通販サイトを運営するコアスタッフ(株)は、長野県佐久市に建設中の新物流センター「Zero Hub(ゼロ ハブ)」が6月に竣工し、8月に稼働開始すると発表した。
 同社は「日本発のグローバルカタログディスティ」を目指しており、新物流センターをグローバル展開における基幹倉庫として、今後、製品在庫の拡充を予定している。延床面積は、同社が現在保有する長野物流センターの約5倍(延床面積1万5,020㎡、地上4階建て)となる計画で、在庫収容能力は約10倍となる見込みで、自動倉庫やAGVなどの最新技術も導入する。 
 同社は、物流・運送業界をとりまく2024年問題への対応策として、新物流センターを活用した購買・物流受託事業の強化も併せて実施する予定。購買・物流業務を同社が一括で受託し、購買窓口の集約、および効率的な配送を実現することで、荷量を大幅に削減させ、2024年問題の解決に貢献する考えだ。
 新物流センターは、環境省が推奨する環境対策建物の最高ランクである「ZEB」に適合している。全熱交換器や照明制御などの搭載による省エネに加え、太陽光発電システムの搭載による創エネを取り入れており、省エネ・創エネ技術で一次消費エネルギーを100%削減する新世代の環境配慮型物流センターとして稼働させる。 また、日本全国に点在している半導体・電子部品の在庫を新物流センターに集約させ、大規模なカーボンオフセットが実現する意向だ。
 同社は、余剰在庫の解決のため、セットメーカーや代理店で余剰になった在庫を同社が一括で買い取るか、委託販売を行う「余剰在庫削減サービス」の拡張も予定しているという。

※「Zero Hub」の施設概要
所在地:長野県佐久市猿久保525
敷地面積:1万6,761.37㎡
延床面積:1万5,020.00 ㎡
規模・構造:鉄骨、耐火構造、地上4階建て
設備:自動倉庫、AGV、解析センター、託児所、駐車場148台
竣工予定:2024年6月
稼働予定:2024年8月22日(稼働準備で8月10日~21日は入出荷停止)

■関電不動産開発(株)<6月28日>
石川県白山市で開発を進めてきた物流施設「KRD-Logistics 白山木津」が竣工/鉄骨地上4階建てで延床面積は2万6,000㎡超、最大4区画に分割貸与が可能


 関電不動産開発(株)は、石川県白山市で開発を進めてきた物流施設「KRD-Logistics白山木津」が竣工したと発表した。物流施設は同社の主要アセットの一つで、現在、同施設を含む9施設を保有・運用している。同社は今後も高い需要が見込まれるエリアに積極的に投資し、物流事業の成長と拡大を継続的に図っていくとしている。
 同施設は、北陸の幹線道路である北陸自動車道「白山IC」まで車で約15分、金沢市中心部(金沢駅)まで車で約25分の位置に立地している。白山市は北陸エリアの中心部に位置しているため、北陸3県の主要都市への配送が可能で、金沢市や小松市等の人口集積都市にも近い物流に適した地域。また、豊富な地下水を利用した北陸有数の工業都市でもあるため、産業用でのニーズも見込めるという。

〇同施設の主な特徴
①機能性・汎用性を兼ね備えた倉庫スペック
梁下有効天井高5.5m以上、床荷重は1階が2.0t/㎡、2,3階が1.5t/㎡を確保。建物は最大4区画に分割貸与可能であり、最小区画である約1500坪から幅広いニーズに対応可能。荷物用エレベーター4基、垂直搬送機4基を実装。 従業員の通勤手段も考慮し、敷地内に212台の駐車場を確保。 冬季の積雪を見据え車両出入口及びトラックバース部分に融雪装置を設置。
②ゼロカーボンへの取り組み
オール電化の物流施設であり、LED照明や人感センサー(事務所区画)を採用し、省エネに配慮。

※「KRD-Logistics白山木津」の施設概要
所在地:石川県白山市木津町1815番 安養寺町ト88番(地番)
敷地面積:2万1,230.53㎡
延床面積:2万6,031.32㎡
構造規模:鉄骨造・地上4階建て
主要用途:倉庫(倉庫業を営む倉庫)
着工:2023年6月16日
竣工:2024年6月28日

ラサール不動産投資顧問(株)<6月28日>
マルチテナント型物流施設「ロジポート多摩瑞穂」が竣工/地上4階建てで延床面積は16万㎡超、すでに複数社の入居が決定


 ラサール不動産投資顧問(株)が東京都西多摩郡瑞穂町で建設を進めていたマルチテナント型物流施設「ロジポート多摩瑞穂」が竣工した。
 同施設は、地上4階建て、延床面積16万2,112.50㎡のマルチテナント型物流施設。約1,000万人の経済圏を有する国道16号に面し、圏央道「青梅IC」まで約4kmと、近接していることから、首都圏全域はもとより、中央自動車道、関越自動車道や東北自動車道等を経由し全国への配送拠点として利用できる。
 機能面では、最小区画830坪から、最大で48区画に分割できるため、様々なテナントニーズに対応が可能。また、雨天作業でも濡れることのない全天候型の中央車路式や、各階へ直接45Ftコンテナ車が着車可能なダブルランプウェイを備え、床荷重 1.5t/㎡、梁下天井有効高 5.5m、柱スパン約 11m×10m、コンテナ用のドックレベラーを配備するなど、機能性も高い。
 施設内には、1階と4階に休憩室となるカフェテリアやシャワー室・コインランドリーを完備し、24時間利用可能なセルフレジの売店もオープンする予定。また、約360台分の普通自動車の駐車スペース、40台分の大型車待機場、バイク置き場や駐輪場を整備するなど、入居企業の従業員に対するサポートも充実している。
 防災面に関しては、ハザードマップの水害・災害想定エリアに位置していないほか、地盤も強固な土地上に建設されており、安全性が高い。24時間365日稼働の防災センターが館内のセキュリティを維持しているほか、72時間対応の非常用発電機を備えており、入居テナントのBCP対応に寄与するとしている。
 環境面では、LED照明や人感センサー、外装断熱パネルなどを設置し、「CASBEE-建築(新築)」のSランク、および「Zeb-Ready」を取得予定だ。
なお、同施設は、竣工時点ですでに複数社の入居が決定している。

※「ロジポート多摩瑞穂」の施設概要
所在 地:東京都西多摩郡瑞穂町大字高根字高根新田623-1他(地番)
敷地面積:7万826.64㎡(約2万1,425坪)
延床面積:16万2,112.50㎡(約4万9,039坪)
構造:鉄筋コンクリート+鉄骨造地上4階建
用途:マルチテナント型物流施設
着工:2023年2月13日
竣工:2024年6月28日

■日鉄興和不動産(株)<7月1日>
物流施設「LOGIFRONT越谷Ⅲ」が竣工/「LOGIFRONT」シリーズ初の危険物専用倉庫、東武運輸(株)が全4棟を利用


 日鉄興和不動産(株)は、物流施設「LOGIFRONT」シリーズを関東・関西を中心に展開しており、 7 月1日には、埼玉県越谷市で建設していた同シリーズ初の危険物専用倉庫「LOGIFRONT越谷Ⅲ」が竣工したと発表した。同施設には、東武運輸(株)の入居が決定しており、全4棟を利用するという。
 同施設は、現在稼働中の「LOGIFRONT 越谷Ⅰ」「LOGIFRONT 越谷Ⅱ」に併設し、国道 16 号線の内側、都心から25km 圏内、東京外環自動車道「草加IC」から約 6km に位置している。また、国道 4 号線へのアクセスも良好で、道路の混雑状況に応じた配送ルートの選択が可能。周辺に住宅エリアが広がっており、雇用確保の面でも有利だ。
 同施設の開発プロジェクトは、物流業界をとりまく企業各社のコンプライアンス意識の高まりに加えて、近年の危険物取扱量の増大を背景にニーズが高まりつつある「危険物専用倉庫」を整備する計画となった。一般倉庫では保管できない、アルコール類等の消防法上の危険物(第4類相当)を保管できる施設となっており、テナントである東武運輸(株)のニーズに沿った4棟平屋建てでの施設計画となっている。また、庫内には空調設備を設置することで、第4類の中でも塗料や医薬品等の様な温度管理が必要となる商材にも対応できるものとなっている。

「LOGIFRONT越谷Ⅲ」の施設概要
所在地: 埼玉県越谷市西方3092-5、3107-4,3151-167
敷地面積:3,826.49㎡(1,157.51坪)
延床面積:1,454.96㎡(440.12坪) ※4棟合計面積
構造・階数:S造・ 平屋建て
入居者:東武運輸(株)
着工:2023年10月
竣工:2024年6月末(C・D棟:4月末、A・B棟:6月末)

■鈴与(株)<7月1日>
医療機器専門の物流拠点「尼崎メディカルセンター」が稼働/西日本における医療機器物流体制を強化し、安定配送・利便性向上の実現へ


 鈴与(株)は7月1日、兵庫県尼崎市に医療機器を取り扱う「尼崎メディカルセンター」を稼働しました。
 同施設は医療機器製造業登録倉庫として、輸入手配から在庫保管、流通加工、入出荷対応といった物流業務に加え、検品やラベル貼付など薬機法に基づく製造業務、出荷判定業務まで一貫して対応する。品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO13485:2016認証の取得に加え、専門スタッフで対応により、高品質で安定した物流サービスを提供するとしている。
 物流2024年問題によって、自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制が適用されており、特に医薬品や医療機器分野では、配送の遅配や輸送品質の低下が致命的な問題となる。同社は今回、医療機器を専門とした物流拠点を構えることで、西日本への医療機器の安定した配送および利便性の向上につなげるとしている。

〇同施設の強み
①阪神高速「尼崎末広IC」から0.7km、大阪港へ15分(13km)という非常に利便性の高いロケーション。西日本への輸送アクセスに優れた好立地を生かし、リードタイムを短縮。
②同社は60社以上の医療機器物流・製造業務における豊富な経験と実績があり、クラスⅠ(人体に与えるリスクが低いもの)からクラスⅣ(人体に与えるリスクが高いもの)までさまざまな医療機器に関するノウハウを生かし、高品質なサービスの提供が可能。
③BCPの面では、防潮堤や地盤の嵩上げによる水害対策のほか、地震対策として上級クラスの座屈拘束ブレースを採用。停電に備え、非常用自家発電機を整備し災害時でも安定したサービスを提供。

※「尼崎メディカルセンター」の施設概要
所在地:兵庫県尼崎市末広町1-5-1「ESR尼崎ディストリビューションセンター」Office C4階
延床面積:5,450㎡
稼働開始:2024年7月1日

■郵政ロジスティクス(株)<7月2日>
ポーランド現地法人の大型ロジスティクスセンター「7R Park Wrocław West II」が稼働/フルフィルメントセンターを併設、一般消費財や自動車関連貨物、ファッション、美容関連商品などの取り扱いに対応


 郵船ロジスティクス(株)のポーランド法人Yusen Logistics (Polska) Sp.zo.o.は、ポーランド・ヴロツワフに大型のロジスティクスセンター「7R Park Wrocław West II」を新設し、6月18日に稼働を開始した。
 同施設は、ポーランド南西部の都市ヴロツワフに位置し、約4万4,000㎡の面積を有する大型施設。一般消費財や自動車関連貨物を取り扱うほか、フルフィルメントセンターを併設し、ファッションや美容関連商品などリテール産業における幅広い商品の取り扱いにも対応する。中央ヨーロッパに立地する同施設は、高速道路へのアクセスも容易なことから、在庫管理、流通加工、配送手配など欧州域内の最適な物流拠点として、より多くの顧客の要望に沿ったサービスの提供が行えるとしている。
 郵船ロジスティクスグループは2050年までに提供する全てのサービスをネット・ゼロエミッション化することを目標に掲げている。同施設についても、太陽光パネルを利用した高効率な蓄電システムと省電力のLED照明を導入することで、温室効果ガス排出量が少なく環境負荷を抑えた施設を実現。また、高い気密性に加えて、排熱を利用した空調システムや高性能ヒートポンプを設置するなど、環境に配慮した性能が評価され、「BREEAM認証」の最高評価「Outstanding」を取得している。

※「7R Park Wrocław West II」の施設概要
所在地:Kąty Wrocławskie, Polska          
倉庫面積:4万4,000㎡

■スケーター(株)<7月3日>
奈良県大和郡郡山市で建設を進めていた新物流センターが竣工/保管スペースの拡充と出荷量の拡大の実現へ


 キャラクター弁当箱などの製造・販売を行うスケーター(株)は、新物流センターの竣工式を奈良県大和郡山市で建設を進めていた新物流センターが竣工したと発表した。
 同社は成長戦略として、今後、商品カテゴリーの拡大とキャラクターライセンスの積極的な取得を進める方針。そのためには従来以上の在庫確保スペースが必要なほか、販路拡大に対応するための出荷量拡大に対応できる拠点が必要となっていた。新物流センターの設置はこうした展開に沿ったもので、物流業務の効率化を図るために、倉庫内には自動ラック装置やピッキング補助ロボットを導入している。

※「新物流拠点」の施設概要
所在地:奈良県大和郡山市八条町356-1
敷地面積:1万5,541㎡(約4,700坪)
延床面積:2万3,830㎡(約7,200坪)
総投資額:60億円
設備:自動ラックシステム、ピッキング補助ロボット16台、トラック予約システム

■イオン(株)<7月3日>
イオンネクスト(株)が運営するネット通販事業「グリーンビーンズ」の物流体制を強化/2028年2月までに「久喜宮代CFC」を開設、既存物流拠点の約2倍の供給能力

 イオン(株)は、子会社のイオンネクスト(株)が運営するネット通販事業「グリーンビーンズ」の新たな物流拠点「久喜宮代CFC(顧客フルフィルメントセンター)」を2028年2月までに開設する。同施設は、施設規模を既存物流拠点である「誉田CFC」(千葉県千葉市)の約1.5 倍、供給能力を約2倍とする。食品スーパーの100店分の物流を担える計算。2026年には、東京都八王子市に2カ所目となる物流拠点「八王子CFC」を開設する計画となっており、1都3県での配達エリアの拡大を見込んでいる。

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