■物流施設 投資関連情報2024版<6.6~6.12>

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<2024年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>

■(株)あさひ<6月6日>
西日本の主要物流拠点である「西日本物流センター」を三重県伊賀市から京都府京田辺市に移転/10月から本格稼働、店舗に近い立地で配送効率向上を図る


 大型自転車専門店「サイクルベースあさひ」を全国チェーン展開する(株)あさひは、主要物流拠点の1つである「西日本物流センター」の機能を現在の三重県伊賀市から京都府京田辺市に移し、2024年10月から本格的に稼働すると発表した。
 同社は、中期経営計画「VISION2025」における成長基盤の一つとして「物流基盤の強化と最適化」を定めており、その一環である「物流拠点の再配置」に向けた取り組みを進めている。今回の物流センター移転では、物流拠点をより店舗に近い立地に移し、配送効率を高めることで、「距離×台数」により算出する物流負荷係数の80%削減を狙う。庫内運用においてはDXを活用したシステム(バースコントロールシステム)を導入し、ドライバーの待機時間の削減、管理にも取り組む。
 こうした取り組みにより、「物流基盤の強化と最適化」を実現することに加え、移動距離や車両の削減により、CO2排出量の削減や物流2024年問題にも対応する。
 同施設は、オリックス不動産(株)が開発した「京田辺ロジスティクスセンター」を 1棟利用するもので、京奈和自動車道「田辺西IC」から約0.6km、第二京阪道路「枚方東IC」から約3.9kmに位置する。また、2027年度には新名神高速道路の全線開通が予定されており、関西を中心とした西日本エリアの広域配送だけでなく、東日本と西日本の結束点としてもさらなる交通利便性の向上が期待できるエリアとなっている。
 建物は地上3階建てで、1階には最大19台が同時接車できるバースを備える。屋上には太陽光発電システムが設置されているほか、夜間や天候の影響により電力が不足する場合には非化石証書 (トラッキング)付き電力の供給を受けることで、100%再生可能エネルギー由来の電力のみで稼働することができるという。駐車場にはEV充電スタンド2基を設置されるなど、環境に配慮した施設となっている。また、BCPの一環として、24時間稼働想定の非常用発電機も設置されており、災害などに伴う停電時にも配送機能を止めることなく安定稼働することができる。

※「西日本物流センター」の施設概要
所在地:京都府京田辺市甘南備台2-14-8西田辺工業団地内
敷地面積:1万2,479.90㎡(約3,775.16坪)
延床面積:2万15.54㎡(約6,054.7坪)
設備:トラックバース19台(17台:10t車、2台:4t車)、床荷重1.5t/㎡、梁下有効高:5.5m、全館LED、非常用発電機、太陽光発電設備、EV充電スタンド2基
稼働日:2024年10月予定

■伊藤忠ロジスティクス(株)、沼尻産業(株)<6月6日>
「つくばメディカル物流センター第2期」開発プロジェクトが始動/医薬品・医療機器の安定供給とさらなる物流効率化への貢献をめざす


 伊藤忠ロジスティクス(株)と沼尻産業(株)は、2025年7月竣工予定の「つくばメディカル物流センター第2期」開発プロジェクトを始動したと発表した。
 同計画は、伊藤忠ロジスティクスと沼尻産業の共同開発物件。あらゆる有事に対応したライフラインの維持に加え、人命に直結する医薬品・医療機器の供給体制を支えるメディカル物流の重要性に鑑み、同計画に至ったとしている。開発地は、2022年4月に竣工した「つくばメディカル物流センター第1期」(茨城県つくば市高野台)と同敷地内に位置し、医薬品・医療機器の安定供給とさらなる物流効率化への貢献をめざしたメディカル専用の物流拠点とする計画だ。

〇開発施設の特長と取り組み
① 医薬品・医療機器に適した設備(GDPガイドライン準拠)
全館空調(1℃~30℃)を完備し、保冷庫(2℃~8℃)、冷凍設備(-20℃)を有している。また、入出庫時の温度逸脱防止のため、保管エリアと入出庫エリアは区分けされ、搬入口にはドックシェルターを設置。さらに災害等の停電時にも72時間稼働可能な大型非常用発電機を設置し、継続的に医薬品・医療機器を供給できる体制を整える。
②高い配送利便性
常磐自動車道「谷田部IC」より5km、また4車線化工事が進行中の首都圏中央連絡自動車道「つくば牛久IC」より3kmに位置。成田空港を含めた関東各拠点へのアクセスに優れ、国内のみならず、航空輸送とのグローバル一貫サービスの提供により、医薬品・医療機器物流サービスのさらなる拡充・展開を図る。
③物流効率化、省人化への取り組み
MHシステムの活用による効率化や、共同センター・共同輸配送による人員・車両の共有化など、省力化対策に取り組む。
④働きやすい環境づくり
事務所棟については、施設内ワーカーの労働環境に着目し、倉庫内のアメニティ充実の観点から、多様な設備を完備。共用部にはカフェテリア風のリフレッシュスペースを設け、休憩時間に十分な休息がとれる環境を整える。
⑤地域社会との共生に向けた取り組み
大規模高機能型物流施設として地域の新たな雇用創出に貢献する。施設稼働後も、地域交流の仕掛けづくりやイベントなどを行い地域社会との接点を作る。また、災害時には、本施設を開放することにより地域防災に貢献する。
⑥環境への取り組み
全館LED照明に加え、センターの屋根全面及び、敷地内に出力1.266MWの太陽光発電設備を設置し、発電した電力はセンターで自家消費することで環境志向型のセンターをめざす。

※「つくばメディカル物流センター第2期」の施設概要
所在地:茨城県つくば市高野台2-1
敷地面積:3万6,014㎡(1万894坪)
倉庫部分:1万3,545㎡(4,097坪)
事務所部分:707㎡(214坪)
建物構造:鉄骨造 2階建て
着工:2024年6月
竣工:2025年7月予定

■プロロジス<6月6日>
岩手県胆沢郡金ヶ崎町でマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク北上金ケ崎」を着工/東北縦横の結節点に立地し、2024年問題にも対応


 プロロジスは、岩手県胆沢郡金ケ崎町でマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク北上金ケ崎」の建設に着手した。同施設は、2023年11月に竣工した「プロロジスパーク盛岡」に続く岩手県では2件目のマルチテナント型物流施設。2026年1月竣工予定で入居企業の募集を開始しており、現在、周辺に立地する企業や、2024年問題に対応する拠点を求めている複数企業が入居を検討しているという。
 同施設の開発地は、東北を縦断する東北自動車道「北上金ヶ崎IC」の隣接地。北上市は、南北に物流の大動脈である東北自動車道や国道4号、東西に秋田自動車道が交わる地点に位置し、東北各地域にアクセスしやすく、盛岡市には約60分、仙台市には約90分、秋田市には約120分で到達できる。また、東北新幹線「北上駅」から車で約15分(約10km)、東北本線「金ケ崎駅」からは約10分(約6km)とアクセスしやすく、雇用にも有利な立地だ。
 周辺10km圏内には多数の工業団地があり、半導体メーカー、日用雑貨メーカー、自動車メーカーなどが立地し、生産・物流拠点が集積地となっている。このため、生産工場から東北地方広域への物流拠点に適するほか、サプライヤーの門前倉庫としての需要も見込めるという。
 また、同施設開発地から3時間以内で南は福島県北部、北は青森県南部まで到達可能。東北広域を当日中に往復できるため、2024年問題への対策として、新たな在庫拠点の役割を担うことができる。また、災害等におけるBCPの観点からも拠点分散化の必要性が高まっており、仙台エリアに次ぐ物流拠点としての活用も可能だ。
同施設は、約7万8,500㎡の敷地に地上2階建て、延床面積約5万5,000㎡のマルチテナント型物流施設として開発される。1・2階を縦に利用できる保管効率に優れたメゾネット型の施設とし、荷物用エレベーターを設置することで迅速な荷捌きを可能とする。1棟最大の賃貸面積は約5万2,000㎡、最小面積は約5,000㎡からで、最大6企業が入居できる計画だ。
 1階には建物内部を通る2つの車路に沿って64台が着車できるトラックバースを設け、天候に左右されないスムーズなアクセスと荷捌きをサポート。寒冷地・積雪対策として、施設の雨どいには融雪ヒーターを整備する予定だ。また、プロロジスが除雪サービスを提供し、外構スペースの利用に干渉しない雪置き場を設けることで、降雪時にも安全で機動性の高いオペレーションを提供する。敷地内の動線は、安全性に配慮し、すべての動線を一方通行とする計画だという。
 ESG推進・環境負荷低減への取り組みとして、倉庫内には通常のLED照明比で電力使用量を半減できる高天井用センサー付きスマートLED照明(プロロジス共同開発)を設置する予定。また、施設屋根面に太陽光発電設備の設置も検討するとしている。
 防災、BCPの一環として、緊急地震速報システムや、災害用無線機「ハザードトーク」の導入、停電時でも共用部の電力を72時間程度維持する非常用発電機、断水時に利用可能な組み立て型簡易トイレの設置も計画している。

※「 プロロジスパーク北上金ケ崎」の施設概要
所在地:岩手県胆沢郡金ケ崎町六原土井道合、後平地内
計画敷地面積:約7万8,500㎡(約2万3,500坪)
計画延床面積:約5万5,000㎡ (約1万7,000坪)
構造:地上2階建て、鉄骨造
着工:2024年6月
竣工予定:2026年1月

■トラスコ中山(株)<6月6日>
愛知県北名古屋市で建設中の「プラネット愛知」で上棟式を実施/複数商品をまとめてユーザーに直送する同社独自サービスの展開強化へ、2024年問題や環境負荷低減などへの貢献も見込む


 機械工具卸売商社のトラスコ中山(株)は6月6日、愛知県北名古屋市で建設中の物流センター「プラネット愛知」の上棟式を行った。同社は、モノづくり現場に必要なプロツール(工場用副資材)を「必要な時」に「必要なモノ」を「必要なだけ」届けることをめざし、全国28カ所の物流センターに約60万アイテムの在庫を保有している。2026年7月稼働予定の同施設は、29カ所目となる物流センターで、最先端の物流機器と約100万アイテムの在庫保有により、同社では即納体制の一層の強化を見込んでいる。
 プロツール流通では、2024年問題に加え、「荷分かれ」によって出荷個数が増加するなど、さまざまな物流課題が顕在化している。同社はこうした状況に対応するため、複数商品を可能な限り一つの箱にまとめ、ユーザーに直接届ける「ニアワセ+ユーチョク」のサービス展開をさらに強化。同施設稼働をもって在庫アイテム数を約100万アイテム(現在の約2倍)に拡大し、一箱で荷合わせできる商品の数を増やすことで、荷分かれによる出荷個数増加を抑制する。さらに、通常発生していた卸売業から小売店経由の配送を省略することで、サプライチェーン全体の効率を高め、納期、梱包資材、配送運賃、環境負荷、作業負荷の半減を実現するとしている。
 同施設の立地は、JR「 名古屋駅」から約 10km(車で 20 分)、名古屋高速「春日 IC」から約 1.7km(車で 6 分)と利便性が高い。ここから日本全国への「ニアワセ+ユーチョク」に対応し、商品が手元に届くまでのリードタイムを短縮する。 また、愛知県への物流拠点設置で東京・大阪間の長距離配送を削減するとともに、「ニアワセ+ユーチョク」を拡大することで、不要な荷量と配送を減らし、ドライバー担い手不足や時間外労働の上限規制、カーボン ニュートラルなどの課題解決に貢献するとしている。

※「プラネット愛知」の施設概要
所在地:愛知県北名古屋市名古屋 19 街区 1~39-4 他
敷地面積:1万2,595 坪(4万1,634 ㎡)
延床面積:2万6,795 坪(8万8,579 ㎡)<東京ドーム約2個分>
建物構造:複合構造(柱 RC 梁 S 構造)、免震構造
階数:倉庫4階、事務所4階
能力:出荷行数⇒10万 行/日、保管点数⇒100 万アイテム
竣工:2025年1 月
稼働:2026年7月予定

■三菱地所(株)<6月7日>
東北圏初となる高速道路IC直結の「次世代基幹物流施設」開発計画が始動/自動運転トラックなど次世代モビリティの受け入れを視野に


 三菱地所(株)は、宮城県仙台市太白区郡山北目地区で、新しい物流システムに対応した高速道路IC直結の「次世代基幹物流施設」を開発するプロジェクトを始動した。6月7日には、仙台市、仙台市郡山北目土地区画整理組合設立準備委員会、同社の三者間で本計画実現に向けた連携に関する覚書を締結。同社は、レベル4自動運転トラック等の次世代モビリティの受け入れが可能な次世代型物流施設を整備し、トラックドライバー不足の解決をめざす「基幹物流構想」を掲げている。同計画により、2030年代前半をめどに延床面積約27万3,000㎡の次世代基幹物流施設を東北圏に整備することで、この構想を実現するほか、国が2040年まででの実現をめざしている「フィジカルインターネット」の実現にも寄与するとしている。
 同計画は、仙台駅より約6.3km、国道4号線・東北自動車道・仙台東部道路に接続する仙台南部道路の結節点「長町IC」に直結する物流施設を開発するもの。高速道路ICに直結した専用ランプウェイを設けることで、自動運転トラックや後続車無人隊列走行などの次世代モビリティが高速道路から一般道に下りることなく利用できる物流施設の整備をめざす。具体的には、レベル4自動運転トラックが建物内まで運行できるよう施設整備を行うほか(建物内運行における特有技術につき特許出願済み)、現在実用化されているダブル連結トラックも受け入れ可能とする計画。将来的には、東北圏における基幹物流施設として、関東圏とのネットワークを構築するほか、物流IoT等の最先端技術にも対応する中核物流拠点とし、日本全国を結ぶ物流ネットワークである広域幹線物流システムとしての役割を担わせる考えだ。
 同社は、京都府城陽市でも次世代モビリティに対応した基幹物流施設の開発計画に着手しており、関東圏や中京圏においても基幹物流施設の検討を進める。2023年6月には、レベル4自動運転トラックによる幹線輸送をめざす(株)T2と資本業務提携を締結。T2の手掛けるレベル4自動運転トラックによる日本の幹線輸送と、三菱地所が開発する次世代基幹物流施設を融合させ、自動化・省人化を推進するほか、効率的な輸配送で環境負荷低減を図る方針だ。

※「次世代基幹物流施設」の開発計画概要
所在地:宮城県仙台市太白区郡山北目地区
敷地面積:約11万㎡(約3万3,500坪)
延床面積:約27万3,000㎡(約8万2,600坪)
用途:マルチテナント型物流施設
竣工:2030年代前半(予定)

■日本GLP(株)<6月7日>
国内最大級の冷凍・冷蔵マルチテナント型物流施設「GLP 川崎Ⅱ」の開発に着手/常温区画も設定し、3温度帯のニーズにも対応


 日本GLP(株)は、神奈川県川崎市で延床面積約20万5,000㎡、収容能力約17.6万tの国内最大級の冷凍・冷蔵マルチテナント型物流施設「GLP 川崎Ⅱ」の開発を行うと発表した。
 同開発プロジェクトは、みずほリースグループのエムエル・エステート(株)が所有する土地に、日本GLPが「GLP 川崎Ⅱ」を開発する形で行うもの。施設は、地上5階建て、常温、冷凍、冷蔵の3温度帯に対応した冷凍・冷蔵マルチテナント型物流施設で、2025年3月に着工し、2027年8月末の竣工する予定だ。
同施設は、冷凍・冷蔵区画に加えて常温区画も備える日本最大級の冷凍・冷蔵マルチテナント型物流施設。最小区画は約800坪(約2,600㎡)から賃貸が可能で、最大35社のテナントが入居できる。フラッグシップである「ALFALINK」で実現した次世代物流施設のエッセンスを取り込み、“Shared Solution”のコンセプトを実現することで、入居企業同士の共創により新たなコールドチェーンを生み出すプラットフォームとして機能させることをめざすとしている。
 同物件の建設予定地は、冷凍・冷蔵物流施設が集積する川崎エリアに所在し、主要高速道路や最寄り駅、幹線道路へのアクセスに優れたプライム立地に位置する。首都高速神奈川1号横羽線「浜川崎IC」から約1.5km、「大師IC」からは約4.6kmの距離に位置し、関東全域をカバーするほか、直線距離で羽田空港から約6.9km、川崎コンテナターミナルから約4.0kmと、海上・空輸を利用した輸配送拠点としても活用可能だ。加えて、JR鶴見線「昭和駅」から徒歩約1分、川崎市営バス「昭和駅前」バス停と川崎鶴見臨港バス「扇橋」バス停から徒歩約4分の距離にあるため、通勤の利便性が高く、雇用確保にも有利な条件を備えている。
 同社は、冷凍・冷蔵賃貸型物流施設マーケットにおけるパイオニアとして、業界最先端の冷凍・冷蔵機能を備えた物流施設の開発に力を入れており、2016年からは冷凍・冷蔵専門チームを立ち上げ、これまでに30棟の冷凍・冷蔵物流施設を手掛けてきた実績がある。同社では、冷凍・冷蔵物流施設の提供にあたり、契約期間を常温同等に設定するほか、一部施設では温度帯も可変とし、小規模区画も用意する。また、初期投資や設備管理費のほか、冷凍・冷蔵設備の原状回復工事費において入居企業に投資負担を求めない。環境面では、自然冷媒、LED使用、電気は太陽光発電を館内に還元するなど、限りある資源を有効活用し環境配慮・省エネを推進している。
 GLP 川崎Ⅱは、こうした3つの特長に加え、川崎の湾岸エリアに位置する立地性と各階へのアクセス可能なダブルランプ付きという仕様の優位性を兼ね備える。庫内は、総貸床面積の約66%を冷凍・冷蔵区画とし、-25~+10℃で設定可能な可変温度帯区画も一部対応。また、3温度帯ニーズへの対応から常温区画も設置しており、あらゆる温度帯に合わせた使い方が可能だ。また、施設内には従業員専用のラウンジやレストラン、無人売店などの設置を予定し、快適な就労環境を整備する。
 ソフト面では、物流に携わる企業が直面する多様な課題をワンストップで解決し、支援する「GLPコンシェルジュ」サービスを冷凍・冷蔵物流についても強化。すでに入居している冷凍・冷蔵物流パートナー企業8社とのネットワークを通じ、荷物保管・庫内作業・幹線物流から納品先への配送に至るまでの各種ニーズに応じた、日本GLPならではのきめ細かなサポートと提案を行っている。
 同社はまた、兵庫県神戸市で関西最大級の全館冷凍・冷蔵および全館可変温度帯仕様のマルチテナント型物流施設「GLP 神戸住吉浜」の開発を進めており、2025年2月末に竣工する予定。GLP 川崎Ⅱ開発と合わせ、関西と関東での物件開発を進める。同社は今後もマルチテナント型冷凍・冷蔵物流施設の標準化と賃貸型冷凍・冷蔵物流マーケットの伸長をめざし、積極的な開発を推進するとしている。

〇同施設の特長
①常温、冷凍、冷蔵の3温度帯対応が可能で、さまざまな業態・業種に対応した最大35テナントの入居が可能なマルチテナント型施設。最小区画は約800坪(約2,600㎡)から賃貸が可能。
②地上5階建てで各階にアクセスが可能なダブルランプウェイを備え、庫内には中央車路を設置することで効率的な物流オペレーションを実現。
③総貸床面積の約66%を冷凍・冷蔵区画(一部-25~10℃で設定が可能な可変温度帯区画あり)とし、3温度帯のニーズにも対応するために常温区画も設置することでカスタマーのあらゆる温度帯のニーズに合わせた倉庫の使い方が可能。
④5階の一部には、スプリンクラーの設置に伴い通常の約2倍(3,000㎡)となる広防火区画フロアを設け、レイアウトや動線、マテハン設備の導入に対して高いフレキシビリティを確保。
⑤従業員専用のラウンジやレストラン、無人売店などを設置し、快適な就労環境を整備。45台分のトラック待機場を整備し、トラックドライバーの負担軽減に寄与。
⑥従業員用の駐車場は乗用車566台、駐輪場140台(バイク20台、自転車120台)分を備え、通勤利便性を確保。

〇同施設におけるサステナビリティへの取り組み
①災害への対応:免震構造の採用。また、非常用発電設備を有し、電気設備等を屋上に設置するなどの浸水対策を講じ、高い事業継続性を確保。
②環境への配慮:自然冷媒の採用、太陽光発電設備の設置、また全館LEDの整備を予定しており、地球・地域・社会環境に配慮した施設を目指す。
③環境認証の取得:CASBEE、ZEB認証を取得予定。

※「GLP 川崎Ⅱ」の施設概要
所在地:神奈川県川崎市川崎区扇町
敷地面積:約8万2,000㎡
延床面積:約20万5,000㎡
収容能力:約17万6,255t(C&F級:約28,275t、F級:約14万7,980t)
構造:地上5階建て、免震・PC造
着工:2025年3月(予定)
竣工:2027年8月末(予定)
認証取得:CASBEE認証、ZEB認証(予定)

■三井物産都市開発(株)<6月7日>
岡山県都窪郡早島町に物流施設開発用地を取得/関西・中四国エリアをカバーする広域配送拠点を構想、2024年問題対応の中継地点としても高いポテンシャル


 三井物産都市開発(株)は、岡山県都窪郡早島町に物流施設開発用地を取得した。
 同計画地は山陽自動車道「早島IC」から3kmに位置し、瀬戸中央自動車道へもアクセス容易なことから、関西・中四国エリアをカバーする広域配送拠点に適した立地。2024年問題を見据えた中継地点としての高いポテンシャルを有するほか、岡山県総合流通センター内の高台に立地するため、BCP面での優位性も高い。
 同社は今後も、三井物産グループの物流ネットワーク活用により利用者ニーズを的確につかみ、物流機能・物流サービスの高度化・多様化に応える物流インフラ基盤としてのハード&ソリューションを提供していく。

※取得用地における物流施設開発計画の概要
所在地:岡山県都窪郡早島町矢尾815
敷地面積:9,388㎡(2,840坪)
延床面積:18,754㎡(5,624坪)
構造規模:鉄骨造、地上4階建て
着工:2024年 9 月(予定)
竣工:2025年11月(予定)

■三井物産都市開発(株)<6月7日>
「LOGIBASE 柏」竣工/4年問題にも対応


 三井物産都市開発(株)は、千葉県柏市風早で開発を進めてきた物流施設「LOGIBASE柏」が竣工したと発表した。
 同施設は国道16号に面しているため、常磐自動車道「柏IC」までアクセス良好な立地にあり、首都圏向けの地域配送に加え、北関東・東北エリア向けの広域配送拠点としての活用も可能。また、ワンフロア約1,000坪に対して垂直搬送機と荷物用EVを2基ずつ設置し、縦搬送に適した設備・仕様するなど、1 棟使い可能なコンパクトで取り回しに優れた物流施設を実現している。開口高さ5.5mのオーバースライダーを2カ所設置しており、ウィング車等、様々な大きさのトラックにも柔軟に対応可能。環境配慮面では、ランニングコスト低減、業務効率化といった効果が期待できるタブレット制御式人感センサー付きLED照明を実装している。

※「LOGIBASE柏」の施設概要
所在地:千葉県柏市風早1-10-3、13
用途:物流倉庫(倉庫業を営む倉庫)
用途地域 : 工業専用、準工業地域
着工:2023年4月
竣工:2024年5月
敷地面積:6,034㎡(1,825坪)
延床面積:1万3,114㎡(3,967坪)
規模・構造: RCS造(柱鉄筋コンクリート造 梁鉄骨造)、地上4階建て
仕様・設備:床荷重 1.5t/㎡ (倉庫エリア) 、天井高 梁下有効5.5m、照明 タブレット制御式人感センサー付きLED照明、搬送機 垂直搬送機 2基、荷物用EV 2基、駐車場 乗用車駐車場 20台、バース台数 9台

■霞ヶ関キャピタル(株)<6月10日>
福岡県古賀市のマルチテナント型物流施設「LOGI FLAG DRY & COLD 福岡古賀Ⅰ」に旭食品(株)が入居/賃貸型でドライ・冷蔵・冷凍の3温度帯ニーズに対応


 霞ヶ関キャピタル(株)は、同社が開発用地のソーシングおよび企画立案を行い、アセットマネジメント業務を受託している福岡県古賀市の物流施設「LOGI FLAG DRY & COLD 福岡古賀 I」の一部区画について、旭食品(株)がテナントとして決定したと発表した。
 同施設は、ドライ・冷蔵・冷凍の 3 温度帯に対応したマルチテナント型物流施設。立地は、福岡市と北九州市を結ぶ要所に位置しており、九州自動車道「古賀 IC」から約 3 km、「福岡 IC」から約 15kmの場所にあるため、物流施設として高い交通利便性を有する。また、「福岡空港」と「博多港」についても 30 分圏内のため、空路と海路双方のアクセスに優れており、国外への貨物輸送にも適する。
 同施設の 1 階は、環境に配慮した自然冷媒による冷凍冷蔵設備を設置した冷凍冷蔵区画。冷凍冷蔵区画は約 1,000 坪から賃貸可能で、最大 3 テナントの入居が可能だ。また、設定温度を変更できる機能を有しており、幅広い荷物や運用に対応できる。2 階および 3 階はドライ区画で、荷物用エレベーター3 基、垂直搬送機 3 基を実装しており、倉庫内オペレーションの効率化が図れる。ドライ区画は約 2,000 坪から賃貸可能で、最大 3 テナントの入居が可能だ。

※「 LOGI FLAG DRY & COLD 福岡古賀Ⅰ」の施設概要
所在地 福岡県古賀市玄望園 14-1,14-2(地番)
延床面積:3万6,809.27 ㎡(1万1,134.80 坪)
敷地面積:2万3,849.80 ㎡(7,214.56 坪)
賃貸借契約開始:2024 年 7 月 1 日(予定)
構造:鉄骨造地上 3 階建て(耐火構造)
評価認証:CASBEE 建築評価認証 A ランク取得(予定)、BELS 認証(ZEB Ready)取得

■大和ハウス工業(株)<6月11日>
タイの物流施設開発最大手WHA社との複合開発プロジェクトが最終段階に/プロジェクトの最終棟となるマルチテナント型物流施設を着工


 大和ハウス工業(株)は、タイ王国で物流施設や工場の開発等を展開する最大手のWHA Corporation PCL(以下、WHA社)と、タイで最も倉庫供給面積が多いサムットプラカーン県バンナ地区で、物流施設2棟と事務所兼ショールーム1棟で構成される複合開発プロジェクト「WHA ダイワ ロジスティクスセンター バンナ・トラッド Km.23 インバウンド」(総敷地面積約8万3,200㎡)を進めており、このほど、同プロジェクトの最終棟となるマルチテナント型物流施設「バンナ・トラッド プロジェクトB棟」の建設に着手したと発表した。
 同プロジェクトは、大和ハウス工業とWHA社が設立した合弁会社WHA Daiwa Logistics Property Co., Ltd. (以下、WHADLP社)を通じて進めているもの。WHADLP社では、これまで合計3つのプロジェクトで6棟の物流施設などを開発してきた実績がある。3月にはベトナム社会主義共和国でも物流施設開発をスタートするなど、両社の連携を強化してきた。
 同プロジェクトは、物流施設が集積するバンナエリアに、開発した「バンナプロジェクト」(マルチテナント型物流施設、平屋建て、延床面積約4万9,000㎡)に続く第2弾のプロジェクト。2023年3月に事務所兼ショールーム「バンナ・トラッド プロジェクトA棟」を着工し、2024年2月にはマルチテナント型物流施設「バンナ・トラッド プロジェクトC棟」(平屋建て、延床面積2万3,749㎡、1区画約1万㎡~、最大2社入居可能)を着工、2024年8月に竣工する予定だとしている。
 今回は、同プロジェクトの最終棟を建設するもの。同施設は平屋建て、延床面積2万1,848㎡で、最大3社(1区画約5,000㎡~)のテナント企業が入居可能だ。各区画には事務所を設置することもできるため、テナント企業の多様なニーズにも対応できる。
 同施設を開発するバンナエリアは、首都バンコク市より東に約37kmに位置し、バンコクと北東部の主要な都市を結ぶ「高速道路6号線」や幹線道路「バンナ・トラッド通り」に面しているため、バンコク市内への配送拠点としての利便性が高い。また、経済特区である「東部経済回廊(EEC)」にも近接しており、物流事業者やEC事業者、製造業などのニーズが見込まれる。世界最大級の国際空港「スワンナプーム国際空港」から約26km、タイの代表的な国際港「バンコク港」から約32kmと、国際貿易拠点としてもアクセス性に優れる。タイ国内の企業に次いで、日系企業が多く進出しているエリアであるため、今後は、大和ハウス工業とWHA社のノウハウやネットワークなどを活かしたテナント企業誘致活動を展開するという。

※「WHA ダイワ ロジスティクスセンター バンナ・トラッド Km.23 インバウンド」の施設概要
所在地:タイ王国サムットプラカーン県バーンサオトン郡バーンサオトン村バンナ・トラッドKm.23通り(Bangna-Trad KM.23 Road, Bang Sao Thong, Bang Sao Thong District, Samut Prakan 10540, Thai)
建物用途:A棟 事務所兼ショールーム、B棟 マルチテナント型物流施設、C棟 マルチテナント型物流施設
敷地面積:約8万3,200㎡
延床面積・賃貸面積:A棟 3,676㎡、B棟 2万1,848㎡、C棟 2万3,749㎡
構造・規模:鉄筋コンクリート造、平屋建て
着工:A棟 2023年3月、B棟 2024年6月11日、C棟 2024年2月
竣工:A棟 2023年9月、B棟 2025年1月(予定)、C棟 2024年8月(予定)

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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