■物流施設 投資関連情報2024版<2.8~2.14>

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<2024年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>

■横浜冷凍(株)<2月9日>
阪神地区6か所目の物流拠点「夢洲第二物流センター」が竣工/省力化・省人化に加え、省エネ設備・環境保全・BCP対策を強化


 横浜冷凍(株)は、大阪府大阪市此花区夢洲で建設を進めていた「夢洲第二物流センター」が竣工したと発表した。
 新施設は、2025年に開催される大阪・関西万博が行われる夢洲地区に位置し、同社既設の「夢洲物流センター」と隣接しており、両センターを合わせた収容能力4万t規模に達する。新施設のコンセプトは「2024年物流ソリューション」。新設では初となる同社独自のカーゴナビゲーションシステムのほか、環境配慮型太陽光発電やリチウムイオン蓄電池を採用するとともに自立機能を持たせたパワーコンディショナーシステムなどを導入しており、省力化・省人化に加え、省エネ設備・環境保全・BCP対策を強化した。同社はすでに、阪神地区5か所(11万5,000t)の冷蔵倉庫を展開しており、新施設稼働により収容能力が合計13万tにのぼるとしている。

※「夢洲第二物流センター」の施設概要
住所:大阪府大阪市此花区夢洲東1-2-12
敷地面積:1万7,098㎡(5,172坪)
延床面積:1万2,166㎡(3,665坪)
建築面積:3,266㎡(988坪)
構造・規模鉄筋コンクリート造 4階建て
収容能力1万5,221 t (F級1万3,404t、C&F級1,317t、C級 500t )
導入設備:太陽光発電設備(255.0Kw)、カーゴナビゲーション、EV自動車充電ステーション、ソーラーアイスパックシステム、自立機能式パワーコンディショナーシステム(太陽光発電設備)、リチウムイオン蓄電池(173kWh)

■扶桑薬品工業(株)<2月9日>
茨城工場第2製剤棟に粉末型透析剤製造の新規ラインを増設/主力製品である粉末型透析剤の安定供給体制をさらに拡充


 扶桑薬品工業(株)は、茨城工場(茨城県北茨城市)第2製剤棟に粉末型透析剤の新規ラインを増設した。
 同社は、透析剤や輸液・注射剤など、基礎的な医薬品を数多く製造・販売しており、かねてからこれら製品の安定供給体制を強化してきた。特に、継続的な治療が必要となる透析治療に不可欠な透析剤については、2016年には粉末型透析剤専用製造施設として茨城工場内に第2製剤棟を設置し、同年から粉末型透析剤1号ラインを稼働させてきた実績がある。今回の設備投資はその新規ラインを増設したもので、同社主力製品である粉末型透析剤の安定供給体制がさらに拡充された格好だ。同社は、全国3か所の工場(協力会社含む)と12か所の物流拠点を分散配置して製造・備蓄することで供給リスクの軽減を図っており、今後も環境変化に左右されない供給体制づくりに取り組むとしている。

※「粉末型透析剤設備」の設備概要
所在地:茨城県北茨城市中郷町日棚 1471-25(茨城工場第2製剤棟内)

■プロロジス<2月14日>
岩手県胆沢郡でのマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク北上金ケ崎」開発が決定/同社初の屋内車路による全天候型施設に


 プロロジスは、岩手県胆沢郡金ケ崎町にマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク北上金ケ崎」を開発すると発表した。同社は東北エリアで宮城県仙台市などに賃貸用物流施設を展開しており、新施設は岩手県内では、2023年11月に竣工した「プロロジスパーク盛岡」に続く2件目のマルチテナント型物流施設。2024年6月に着工し、2026年1月竣工する予定だ。
 新施設の開発地は、東北を縦断する東北自動車道「北上金ヶ崎IC」の隣接地。北上市は南北に物流の大動脈である東北自動車道や国道4号、東西に秋田自動車道が交わる地点に位置し、東北各地域にアクセスしやすいほか、盛岡市に約60分、仙台市に約90分、秋田市に約120分で到達できる。また、東北新幹線「北上駅」から車で約15分(約10km)、東北本線「金ケ崎駅」から約10分(約6km)と近接しており、雇用にも有利な立地だ。周辺10km圏内には3つの工業団地があり、半導体メーカー、日用雑貨メーカー、自動車メーカーなどが生産・物流拠点を構えていることから、同社では、新施設がこれら企業の東北地方広域への物流拠点に適するほか、サプライヤーの門前倉庫(取引先近くに納入品を在庫保管するための倉庫)としての需要も見込めるとしている。
物流2024年問題の発生に伴い、東北エリアでも、既存の物流ハブである仙台から北東北等への当日中の往復は困難になるとみられている。この点、新施設の開発地は東北エリアの中央に位置し、南は福島県北部、北は青森県南部まで3時間以内に到達可能であり、物流2024年問題対策となる新たな在庫拠点としての可能性も高まる。また、災害等におけるBCPの観点からも、拠点分散化の必要性が高まるなか、仙台エリアに次ぐ物流拠点としてのニーズも見込まれるとしている。
 新施設は、約7万8,500㎡の敷地に地上2階建て、延床面積約5万5,000㎡のマルチテナント型物流施設として開発される。様式は、保管効率に優れたメゾネット型で、1・2階を縦に利用できる施設とし、荷物用エレベーターを設置することで迅速な荷さばきを可能にする。1棟最大の賃貸面積は約5万2,000㎡。最小面積は約5,000㎡からで、最大6企業が入居できる。
 1階には、トラック64台着車可能なトラックバースと、同社初となる2つの屋内車路を設け、天候に左右されないスムーズなアクセスと荷さばきをサポートする。さらに寒冷地・積雪対策として、施設の雨どいには融雪ヒーターを整備する予定。除雪サービスも同社が提供し、外構スペースの利用に干渉しない雪置き場を設け、降雪時にも安全で機動性の高いオペレーションが行える環境を整える。敷地内の動線は、安全性に配慮し、すべて一方通行とする方針だ。
 ESG推進・環境負荷低減への取組として、倉庫内には、通常のLED照明に比べて電力使用量半減が見込める高天井用センサー付きスマートLED照明を設置する予定。施設屋根面には、太陽光発電設備の設置も検討している。防災、BCPの一環として、緊急地震速報システムや、災害用無線機「ハザードトーク」の導入、停電時でも共用部の電力を72時間程度維持する非常用発電機、断水時に利用可能な組み立て型簡易トイレの設置なども計画している。

※「プロロジスパーク北上金ケ崎」の施設概要
所在地:岩手県胆沢郡金ケ崎町六原土井道合、後平地内
計画敷地面積:約7万8,500㎡(約2万3,500坪)
計画延床面積:約5万5,000㎡ (約1万7,000坪)
構造:地上2階建て、鉄骨造
着工予定:2024年6月
竣工予定:2026年1月

■(株)アルペン(株)<2月14日>
2024年春にEC旗艦倉庫「中京フルフィルメントセンター」(愛知県稲沢市)を開設/成長するEC市場と多様化する顧客ニーズに対応


 (株)アルペンは2024年春、愛知県稲沢市に延床面積1万坪のEC旗艦倉庫「中京フルフィルメントセンター」を開設する。同社は、新物流戦略の一つに「ECのサービスレベルの向上」を掲げており、新倉庫開設はその一環としての取組で、中京エリア初の自社EC専用倉庫だとしている。
 同社は、アパレル、シューズ、小物(フィットネス用品等)、大物(キャンプ用品等)など、非常に幅広いカテゴリの商品を取り扱っており、これら商品の迅速かつ効率的な供給のため、アイテムや大きさなどの種類別に物流網を整流化し、物流システムの再構築を図る新物流戦略を立案、実行している。この実行で目指しているのは、①店舗までの供給リードタイムの短縮化の実現、②梱包方法の改善による店舗品出しまでの作業簡素化、③出荷物量コントロールによる庫内作業人数および配送の最適化、④成長を続けるECのサービスレベルの向上―の3点。なかでも③については、ビジネスの成長に応じた段階的な自動化と省人化へ投資が必要との判断から、EC物流拠点である「東日本フルフィルメントセンター」(千葉県印西市)を2018年に立ち上げている。
 今回の中京FC開設は、西日本エリアへの配送リードタイム短縮を図ることが目的。愛知県にはメイン拠点となるDCがあるため、千葉県にある東日本FCよりも迅速に商品の供給、および店舗向け在庫との共有が可能なことから、取扱アイテムの拡大と在庫高のコントロールを実現し、ユーザーのニーズに柔軟に対応していく。また、旗艦倉庫として延床面積1万坪の広さを確保し、ささげ機能の一部であるEC商品の撮影スペースを拡張するほか、様々なカテゴリの商品の販売サイト登録を迅速に行えるようにすることで、これまで以上に強固で効率的な物流体制の構築を目指す。
 同社は、東日本FCに(株)ギークプラス社製の自動搬送ロボット「EVEシリーズ/P800R」を導入しており、現在216台の同ロボットを稼働させている。これにより、2023年時点(2018年対比)で生産性が4倍向上し、出荷リードタイムも1/2に短縮することに成功したとしている。その生産性や保管効率の高さ、需要に合わせて流動的に倉庫内レイアウトを変更できる点に加え、同社のオーダー特性に応じたロジックの変更・プログラミングの構築など、これまでの東日本FCにおける実績を踏まえ、新倉庫の中京FCでも同ロボット継続して導入することを決めた。新倉庫立ち上げ段階ではロボット29台で運営を開始し、ECビジネスの成長に応じて順次拡張する。さらに導入するロボ棚の高さを1.2倍に変更し、保管スペースを増加したことで、保管効率向上も図る。
 同社は今後もギークプラスとの協業を一層強化し、ギークプラスからソリューションベンダーとしての継続的な支援を享受しつつ、国内トップレベルの作業生産性とサービス向上を目指す。

※導入ロボおよびロボ棚の詳細
〇「EVE P800R」の特徴
・外形サイズ:L1,095mm 、W830mm 、H275mm
・重量:162kg
・可搬重量(耐荷重):1,000kg(最大)
・走行速度:2.0m/s(empty) 1.6m/s(load)
〇新規導入ロボ棚
・外形サイズ:D1,020mm * W1,220mm * H2,800mm

※「中京フルフィルメントセンター」の施設概要
所在地:愛知県稲沢市堀之内町流1番1
延床面積:3万3604.90㎡(約1万165.48坪)
建物階数:地上3階建て
竣工式:2024年2月14日 丸徳産業(株)で挙行

■(株)コーセー<2月14日>
2024年7月に「南アルプス工場」の第1期建設工事に着手/250~300億円を投じ、2026年2月竣工、2026年上期中での稼働を目指す


 (株)コーセーは、山梨県南アルプス市に新たな生産拠点「南アルプス工場」の第1期建設工事に着手する。2024年7月に着工し、2026年2月竣工、2026年上期中での稼働を目指す計画。投資金額は250~300億円となる見込み。同社は、国内外で拡大する化粧品需要に応え、高品質で競争力のある製品を確実かつタイムリーに供給するため、2019年4月に国内生産工場3拠点目となる南アルプス工場の建設を発表しており、今回はその着手を決定したものとなっている。
 同社は化粧品ユーザーに寄り添う企業として、アダプタビリティ視点から今後も変化する多様なニーズにきめ細かく対応していく必要があると判断。新工場については、従来の大量生産型工場からコンセプトの抜本的な見直しを行い、需要の質的・量的変化に臨機応変に対応可能な、多品種生産工場として稼働させることを決めた。ISO22716(化粧品GMP)に準拠した生産体制と万全な品質保証体制で、高品質なモノづくりが行える環境を整備。そのための第1期建設に取り組み、今後の事業拡大を見据え、第2期以降の建設への対応を見据えた仕様にする予定だ。
 新工場では、同社企業メッセージ「美しい知恵 人へ、地球へ。」に基づき、「人」と「地球」の双方に向き合い、広く人に寄り添うとともに、環境保全を通じて水資源や森林などの自然環境に配慮するなど、サステナブルな要素を取り入れた整備を進める。
「人」への視点では、運搬作業の自動化などの作業負担の軽減や、工場内の様々な掲示の多言語対応、開かれたコミュニケーションスペースの設置など、従業員の多様性を尊重し、誰もが安心して働きやすい環境を整える。また、地域に向けては「人」に開かれた工場・企業を目指し、化粧品の製造過程の見学の受け入れやワークショップの実施なども予定。同社が掲げる新たな顧客づくりの方向性「3G(Global・Gender・Generation)」に則り、広く「人」に寄り添い、地域との共存共栄を図り、ともに社会課題を解決しながら、化粧品を通じて「うるおいのある毎日」の提供に努める。
 「地球」への視点では、南アルプスの清澄な水資源を生かし、主力生産品目をスキンケア製品とする。恵まれた自然環境から得られる多様な機能を活用するための「グリーンインフラ」による雨水管理や、排水の再利用による節水、日本一日照時間の長い地域特性を生かした太陽光発電など、環境へ配慮した設計を随所に取り入れる予定。また、再生可能エネルギーや循環型エネルギーシステムの導入により、廃熱や排水、廃棄物を有効活用し、環境負荷を低減。既存工場での廃棄物ゼロの運用を移管することで、グループ全体の廃棄物ゼロを継続していく。なお、同社は現在、「水」を通じて工場周辺の恵まれた自然や地域住民との共生を目指し、水資源を育む森林を守る活動や研究に携わっているとしており、今後も地域とともに環境課題の解決に向け、サステナブルな活動に取り組む方針だ。

※「南アルプス工場」の施設概要
建設地:山梨県南アルプス市野牛島
敷地面積:11万1,525㎡
主要用途: 化粧品工場(多品種 スキンケア製品中心)
【第1期建設】
延床面積:3万9,300㎡
計画概要:地上 3階て、S造
従業員数:300名程度
投資額:250~300億円
着工予定:2024年7月
竣工予定:2026年2月
稼働予定:2026年度上期

■西濃運輸(株)<2月14日>
神奈川県座間市に同社2棟目の危険物倉庫「ロジクロス座間」を開設/(株)阪急阪神エクスプレスとの共同運営で近年需要の高い危険物物流に対応


 セイノーホールディングス(株)(セイノーHD)傘下の西濃運輸(株)は2024年1月、神奈川県座間市に延床面積882.40㎡(約270坪)の危険物倉庫「ロジクロス座間」を開設した。
新倉庫は、2023年9月に開設した厚木物流倉庫に続く西濃運輸2棟目の危険物倉庫。EV普及に伴うリチウムイオン電池のほか、近年需要が高い危険物物流に合わせたロジスティクスサービスを、資本・業務提携関係にある(株)阪急阪神エクスプレスと共同運営していく。立地については、東名高速道路の「横浜町田IC」や圏央道の「圏央厚木IC」付近に位置し、神奈川・首都圏の主要エリアに限らず、関東や中部、関西の広範囲への配送にも適する。2025年には、相模原市内に新たに危険物倉庫の開設を予定しており、全国展開も視野に入れながら、顧客の課題解決と事業成長に貢献していく。
なお、セイノーHDは、2023年4月にオートモーティブ・バッテリー物流事業部を立上げ、電動化へシフトする自動車業界をはじめ、建機・農機などの駆動系分野を対象に、西濃運輸の全国ネットワークを活かした輸送、危険物倉庫の運営、リサイクルに伴う梱包、回収物流など提案している。

※危険物第4類(引火性液体)<取扱可能品>
・リチウムイオン電池:EVバッテリー、定置蓄電池、モバイルバッテリーなど
・化学品:アルコール、石油、エアゾールなど

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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