■物流施設 投資関連情報2023版<11.9~11.15>

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<2023年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 

■ESR(株)<11月9日>
「ESR名古屋南ディストリビューションセンター2」が竣工/名古屋市港区、中京圏屈指の名古屋都市圏配送拠点


 ESR(株)は愛知県名古屋市港区に敷地⾯積 2万4,795 ㎡(7,501 坪)、延床⾯積 4万8,844 ㎡(1万4,775 坪)の 4 階建てマルチテナント型物流施設「ESR 名古屋南ディストリビューションセンター2」(名古屋南 DC2)が 2023 年 10 ⽉ 31 ⽇に竣⼯したと発表した。
 同施設は、同社として全国で33件⽬、中京圏では6件⽬、名古屋市内では当施設から約 2km の⾄近距離にある「レッドウッド名古屋南ディストリビューションセンター」(2017 年 5 ⽉竣⼯)、「ESR 名古屋⼤⾼ディストリビューションセンター」(2019 年 9 ⽉竣⼯)に次ぐ 3 件⽬の竣⼯プロジェクト。名古屋市中⼼部から12km、愛知県名古屋市内を環状で結ぶ名古屋市道名古屋環状線まで⾄近で、名古屋南部の基幹産業道路として利⽤されている国道 23 号(名四国道)の「⻯宮 IC」まで約1.8km、東海⽅⾯と名古屋市中⼼部を連絡する名古屋⾼速3号⼤⾼線「笠寺IC」まで約 2.8km、名古屋⾼速4号東海線「船⾒出⼊⼝」まで約3kmに位置する。また、名古屋⾼速4号東海線と伊勢湾岸⾃動⾞道の結節点「東海JCT」で東名・新東名⾼速道路に直結し、全国有数の貿易港である名古屋港⾶島ふ頭北コンテナターミナルまで約14km、中部国際空港まで34kmと、充実した⾼速道路網と航空・海上輸送を⽀えるインフラへのアクセスに優れる。特に⾷品や飲料など消費財やECの名古屋都市圏配送拠点および⾃動⾞産業が基軸の中京⼯業地帯と名古屋港の中間拠点として強みを持ち、さらに⻄⽇本・東⽇本への広域配送や輸出⼊貨物など、幅広い物流ニーズに対応可能な中京圏屈指の⼤変希少な物流拠点といえる。
 建物は耐震構造のボックス型で、1階にトラックバースを23台分配置し、トラックバース前の⾞路は⾬天時に影響を受けにくいピロティ形式 を採⽤。また、敷地内には海上コンテナトレーラーに対応できるエリアも含め、トラック待機場を計19台分確保している。また、⼤型⾞両と普通⾃動⾞の出⼊⼝を分け、安全性に配慮した効率的な⼊出庫オペレーションを実現している。
 最⼩賃貸⾯積は約 4,430 坪で、賃貸区画は1 階を3 区画(A〜C)に分け、2 階~4 階の3フロアをそれぞれ組み合わせた2 層使いで、最⼤ 3 テナントへの分割貸与が可能だ。A 区画には 2 パレット並列搬送が可能な垂直搬送機1基と、荷物⽤エレベーター2基、B・C 区画にはパレット専⽤垂直搬送機2基と荷物⽤エレベーター2基を備え、より⾼い縦搬送能⼒を実現。重量のある⼤型荷物にも対応できるよう、1 階は2.0t/㎡、2 階~4 階は1.5t/㎡の床荷重を確保し、全ての階で2.5tのフォークリフトが⾛⾏可能だ。また、梁下有効⾼は5.5m、柱ピッチは間⼝11m×奥⾏き10.5mを確保するなど、⼊居企業の幅広いニーズに対応できる、物流運営の汎⽤性と保管効率を重視した設計を⾏っているという。
 同施設は全館でLED照明を採用しているほか、環境配慮型照明システム、外壁に断熱性能の⾼いサンドイッチパネル、ヒートポンプ式空調、節⽔型衛⽣器具等に加え、廃ペットボトル500ml 約11万9,000本を再利⽤した環境配慮型アスファルトを採⽤しており、環境や省エネルギーに配慮した持続可能な物流施設として CASBEE A ランク、BELS 5 スターが取得済みとなっている。
 建物屋上には太陽光パネルを設置予定で、⾃家消費型太陽光発電設備の規模は最⼤約 1,500kW を⾒込む。加えて、EV トラック・⾃動⾞⽤の⾼速充電ステーションの設置も計画。CO2 排出ゼロのクリーンエネルギー⾃動⾞の普及をサポートし、CO2 削減に貢献していくとしている。
 同施設でも同社の施設運営・管理のスペシャリストであるプロパティマネジメントチームのもと、万全なセキュリティ対策、様々な災害対策を構築し、⼊居企業とワーカーはもとより、周辺住⺠にも安⼼・安全な施設環境を提供することを計画だ。
 セキュリティ体制についてはクラウドカメラの導⼊など、さらなるセキュリティ強化も図る。BCP対策については、⾮常⽤⾃家発電設備を備え、停電時でも管理室、専有部事務所内コンセント(⼀部)、荷物⽤エレベーター、トイレ等が 24 時間使⽤可能な保安⽤電源を確保している。

※「ESR 名古屋南ディストリビューションセンター2 」の施設概要
所在地:愛知県名古屋市港区⼤江町 12-12
敷地⾯積:2万4,795 ㎡(7,501 坪)
延床⾯積:4万8,844 ㎡(14,775 坪)
構造:4 階建て/耐震構造
⼯期:2022 年 11 ⽉ 1 ⽇〜2023 年 10 ⽉ 31 ⽇
総投資額:110 億円

■大和ハウス工業(株)、CBRE IM、(株)大林組<11月10日>
神戸市湾岸地域のマルチテナント型物流施設「神戸長田物流センター」が竣工/東西2棟構成で延床面積は約14.5万㎡


 大和ハウス工業(株)は、CBREインベストメントマネジメント・ジャパン(株)(CBRE IM)、(株)大林組と共同で、兵庫県神戸市においてマルチテナント型物流施設「神戸長田物流センター」を開発してきたが、2023年10月13日にその東棟が竣工したと発表した。
 関西地区では、EC関連の物流量増加を背景に、マルチテナント型物流施設への需要が堅調に推移している。これを踏まえ、同社は大型マルチテナント型物流施設「DPL茨木北」(2022年8月竣工)や「DPL兵庫川西」(2023年10月竣工)を開発し、豊富な物流ニーズに対応してきた。この流れで2022年2月には、希少性の高い神戸市中心部近接の立地で「神戸長田物流センター」の開発に着手。同施設は、西棟と東棟の2棟で構成されており、2023年7月14日に西棟、2023年10月13日に東棟が竣工を迎えた。
〇交通アクセスに優れた立地
 同施設は、阪神高速3号神戸線「若宮IC」から約1.2km、「湊川IC」から約2.3kmと、近畿エリアをはじめ中国地方や四国地方への配送拠点としても対応可能な場所に位置している。また、神戸ポートアイランドまで10kmと神戸港へのアクセスにも優れる。加えて、JR山陽本線「鷹取駅」から約950mと徒歩圏で、近隣には生活環境が整った住宅団地もあるため、職住近接の就労環境が整っているという。また、西棟・東棟それぞれに就労環境の向上のために館内従業員用の休憩スペースを設けている。
〇大型マルチテナント型物流施設
 同施設は2棟構成で、その延床面積は阪神甲子園球場3.8個分に相当する14.5万㎡となっている。貸床面積約4,000㎡から入居可能。最大12社(西棟:8社、東棟:4社)のテナント企業に対応できるとしている。

※「神戸長田物流センター 西棟」の施設概要
所在地:兵庫県神戸市長田区駒ヶ林南町10-1他
敷地面積:5万181㎡
延床面積:8万4,600㎡
賃貸面積:倉庫(トラックバース含む)=約6万9,000㎡、事務所=約3,000㎡
構造・規模:鉄筋コンクリート造一部鉄骨造 3階建て
着工日:2022年2月1日
竣工日:2023年7月14日
駐車台数:乗用車183台

※「神戸長田物流センター 東棟」の施設概要
所在地:兵庫県神戸市長田区駒ヶ林南町8-1他
敷地面積:2万8,877㎡
延床面積:6万1,786㎡
賃貸面積:倉庫(トラックバース含む)=約5万4,000㎡、事務所=約1,800㎡
構造・規模:鉄筋コンクリート造一部鉄骨造 4階建て
着工日:2022年2月1日
竣工日:2023年10月13日
駐車台数:乗用車138台

■(株)上組<11月10日>
苫小牧港に「晴海物流センター(仮称)」を建設/政府米・国産飼料米等の取扱量増加への対応で


 (株)上組は、苫小牧港(北海道苫小牧市)に「晴海物流センター(仮称)」を建設すると発表した。
 同社は苫小牧港に物流施設を保有しているが、近年、政府米・国産飼料米等の取扱量増加が著しく、今後も需要拡大が見込まれることから、これら貨物の需要拡大に確実に対応し、顧客への安定的なサービス提供体制も確保するため、新物流センター建設を決定したものだ。
 新物流センターは主に定温庫とし、一部を冷蔵庫・燻蒸庫とすることで多様化する商品に対応する計画。また、既存施設よりも苫小牧港や配送先に近いことから、輸送時間短縮に加え、さらに庫内に160t分のバルク車積込ホッパーを設置することにより、高所作業を抑制し、安全を確保しながら作業の迅速化も図り、顧客ニーズに即したより一層質の高いサービス提供を実現するととしている。
 同社グループは、中期経営計画における重点戦略として「基幹事業の強化」を掲げており、競争力強化や中長期的な事業成長を見据えた成長投資を積極的に行い、今後も同計画の目標達成に向けた取組を進めていくとしている。

※「晴海物流センター(仮称)」の施設概要
所在地:北海道苫小牧市晴海町42
敷地面積:1万4,450.00㎡
延床面積:1万5,115.69㎡
構造:鉄骨造2階建て
主要設備:LED照明全灯、垂直自動搬送機2基、バルク車積込ホッパー160t(20t×8本)
着工:2024年7月
竣工:2025年9月(予定)

■福山通運(株)<11月14日>
「大阪船場支店」事務所及びターミナルをリニューアル/倉庫施設と通関拠点を新設


 福山通運(株)は11月14日、大阪船場支店のリニューアルに伴う竣工式を執行し、12 月 4 日から営業を開始することを発表した。
 今回のリニューアルは、労働環境整備が目的。事務所及びターミナルを改築するとともに、倉庫施設と通関拠点を新設しており、海上輸送から倉庫業務、国内配送までを包括した国際複合一貫輸送を実現する。同支店は、大阪市内の中心部に位置し、「大阪港」や「大阪国際空港」までのアクセスにも優れており、都市部のラストワンマイル配送に最適な立地。また、作業の効率化・省人化を図るため、マテハン機器の充実による作業負荷の軽減も推進している。

※「大阪船場支店」の主な施設概要
所在地:大阪府大阪市中央区南船場 1-4-33
営業エリア:大阪市中央区
敷地面積:3,680.98 ㎡
延床面積:9,358.05 ㎡
構造:地上4 階建て、鉄骨

■日本GLP(株)<11月14日>
兵庫県尼崎市で「GLP尼崎Ⅳ」が竣工/(株)関通が専用施設として1棟全体を利用


 日本GLP(株)は、兵庫県尼崎市で延床面積2万8,842.18㎡の先進的物流施設「GLP 尼崎Ⅳ」が竣工したと発表した。
 同施設は、3PL大手の(株)関通が専用施設として一棟全体を利用。同社は、尼崎を中心に関西エリアでのビジネスを拡大しており、同施設でもBtoCやBtoBを問わず、アパレル企業など幅広い業種企業の物流拠点としての利用を見込んでいる。
 関通は、関西エリアの「GLP 尼崎」および「GLP 尼崎Ⅲ」に入居しており、関東エリアの「GLP所沢」にも入居する予定。日本GLPとは、これら複数の契約を通じ、堅固な信頼関係を築いてきている。今回「GLP 尼崎Ⅳ」の入居については、既に入居している各施設へのアクセス性のほか、関西エリアを広域にカバーする優れた立地、大型シーリングファンや厨房を備えたレストランといった関通のニーズに応じた快適な就労環境の提供など、日本GLPの施設設計の柔軟性を評価し、決定。これにより、関通が日本GLPと契約した物流施設の総延床面積は約6.5万㎡となっている。
〇同施設の立地
・阪神高速3号神戸線「尼崎西IC」から約700m、阪神高速5号湾岸線「尼崎末広IC」より約1.7kmに位置し、大阪市内および神戸市内に向けた広域配送の物流拠点として優れた立地。
・国道2号線から約1.8kmの近距離に位置することから、一般道を利用した大阪市内および神戸市内への広範な  エリア配送にも活用可能。
・阪神電気鉄道本線「尼崎センタープール前駅」から約1.0km(徒歩約13分)に位置し、路線バスの停留所も近いことに加え、住宅エリアからも至近であることから、雇用確保の面での優位性。
〇同施設の特長
・生産性と作業効率の向上のため、空調を整える大型シーリングファンを設置。
・約100席を備えた厨房付きレストランは、室内と屋外テラスが一体感を感じさせ開放感のある空間設計。近傍の他施設で働く従業員の方々もレストランの利用が可能で、既存物件を含めた快適な就労環境の整備に寄与。
・物外観は、白色を基調に黒の帯で強調し、明るく清潔感のあるデザイン。
・エントランス付近には、木や緑などの自然の要素と自然光を取り入れた、明るい印象の空間デザイン。
〇同施設のサステナビリティについて
 日本GLPは、GLPグループが掲げるサステナビリティ原則に則り、カーボン・ニュートラルの実現や地域社会への貢献、BCP対策等、「持続可能な資産の開発・運営」のための取り組みを推進している。今後は同施設で以下の対応を予定。
・災害への対応:BCP面では、地震対策として耐震性能の高いブレース材を採用し安全性を確保するほか、浸水や液状化対策を講じ、高い事業継続性を確保。
・再生エネルギーの活用等:環境面では、今後自家消費型の太陽光発電の設置を検討するほか、全館のLEDや緑化エリアの整備などを通じて、環境に配慮した施設運営を実現。
・環境認証の取得:CASBEE(新築)認証(予定)

※「GLP 尼崎Ⅳ」の施設概要
所在地:兵庫県尼崎市道意町6-36-1
敷地面積:1万4,196.34㎡
延床面積:2万8,842.18㎡
構造:地上4階建て、耐震RC・S造
着工:2022年8月
竣工:2023年10月
認証取得:CASBEE(新築)認証(予定)

DHLジャパン(株)<11月14日>
香港のグローバルハブ拡張工事が完了/世界貿易の回復に向けた体制を強化


 DHLジャパン(株)は、DHL Expressが行っていた香港の「セントラルアジアハブ(Central Asia Hub: CAH)」の拡張工事が完了し、全面稼働を開始したと発表した。近年の世界貿易の急成長に対応するもので、2004年の開設以来、複数回にわたる工事の通算投資総額は5億6,200万ユーロに到達。DHLグループはアジア太平洋地区における今後の成長機会を確信しており、今回の拡張工事は国際航空ハブとしての香港の発展へのコミットメントの現れでもあるとしている。
 アジアの中心に位置するセントラルアジアハブは、世界で最も急速な発展を遂げるアジア地域へのユニークなゲートウェイとして機能している。DHL Expressは、2024年までに完成予定の香港国際空港第3滑走路の立ち上げに合わせて、施設の拡張に着手。増強工事を終えたハブは、貿易と通商を促進する世界の航空センターとしての香港の役割をさらに強調することになるとしている。
 セントラルアジアハブは、アジア太平洋地域および汎珠江デルタ地域の主要都市まで飛行機で4時間以内という戦略的な立地にある。DHL Expressのアジア太平洋地区の航空ネットワークは、香港のセントラルアジアハブ、上海の「北アジアハブ」、シンガポールの「南アジアハブ」、「バンコクハブ」の4か所のハブに支えられたマルチハブ戦略に基づいて運営されており、これらのハブはアジア太平洋地域にある約900のDHL Express施設と接続している。セントラルアジアハブには週200便以上の専用フライトが発着しており、さらに、アジア域内では1日約690便にのぼる航空便を活用している。
〇生産性と精度を高める技術を導入
 エアサイドとランドサイドの両方にダイレクトにアクセスできるセントラルアジアハブは、エアエクスプレス貨物仕様に建設された香港国際空港で唯一の施設。倉庫総面積が50%増の4万9,500㎡となり、最新鋭の自動仕分けシステムが導入されたことで、ハブのピーク時の処理能力は70%近く向上し、1時間当たり12万5,000件の貨物処理が可能となっている。フル稼働時の年間総トン数は50%増の106万tになる見込みで、これは2004年のハブ設立当初の出荷量の6倍にあたるという。
 業務の効率性と正確性を追求する同ハブは、香港のエクスプレス貨物業界で初めてコンピューター断層撮影(CT)X線スキャン技術を導入。このX線スキャナーにより検査速度が2倍速に向上し、さらに禁止アイテムの迅速かつ正確な検出も可能になっている。
〇持続可能性を中核に据える
 クライメートニュートラルな施設の建設は、DHLが掲げる環境戦略「Strategy 2025におけるサステナビリティ・ロードマップ」の目標の一つ。オペレーションにおける卓越性とサステナビリティの両立にコミットすべく、DHLは、先進的なテクノロジーとベストプラクティスを活用し、効率的かつ環境負荷の低い荷動きを実現する。ハブ施設の屋根には3,450枚のソーラーパネルを設置。太陽光発電の総発電量は推定年間168万kWhとなり、これは年間850tのCO2排出量削減に相当するとしている。
 DHLは、アジア太平洋地区で初めて二次電池電力貯蔵システム(BESS)を導入しており、香港国際空港にとってもBESSを導入した初のビジネスパートナーになる。このシステムにより太陽光発電の余剰電力を蓄え必要時に放出することで、年間12万5,000kWhの電力を節約し(49tのCO2排出量削減に相当)、再生可能エネルギーの利用を最大化する。その他、電動フォークリフト、LED照明、高効率空冷式冷却機など、環境に配慮した設備を採用し、温室効果ガスの排出削減を図っている。

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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