<2023年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>
■プロロジス<5月18日>
茨城県古河市のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河4」が竣工、竣工前に複数企業の入居が決定
プロロジスは、茨城県古河市で建設を進めていたマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河4」が竣工したと発表した。
同施設はプロロジスが開発を進める「プロロジス古河プロジェクト フェーズ2」における1棟目にして初のマルチテナント型物流施設。竣工前に物流サービスを展開する(株)ロジコアと賃貸借契約を締結し、複数企業の入居が決定している。
〇開発地: 「関東ど真ん中」に立地し東日本広域配送に最適
同施設は、圏央道「五霞IC」および「境古河IC」からいずれも約10分とアクセスに優れた北利根工業団地内に開発された。開発地は、関東地方のほぼ中央に位置し、国道・高速道路を利用して、東西南北の主要都市・港・空港まで約1時間で到達可能な場所にある。東北道からダイレクトに繋がる加須エリアからも約10kmと近接しており、関東全域のみならず東日本における広域配送拠点としても最適。圏央道から接続する東名・中央・関越・東北・常磐・東関東自動車道も利用しやすく、東北方面や関西方面へのアクセスも容易だ。
また、国道4号のバイパスとして片側3車線が整備され、東北道と並走する新4号国道にも至近(約3分)で、圏央道だけでなく国道16号にもスムーズにアクセスすることができ、都心部への交通利便性にも優れる。
〇施設概要:小型倉庫併設で多様な物流ニーズに対応
同施設は、約6万8,000㎡の敷地に3階建て、延床面積約12万3,000㎡のマルチテナント型物流施設として開発された。1階はワンフロア約9,000坪(約3万㎡)の広さで、両面バースを採用。高効率な物流オペレーションが可能な設計で、大規模なマテハン導入や自動化にも適した施設仕様となっている。
同社の開発実績では初となるダブルスロープを備え、45ftセミトレーラーが直接アクセス可能な2階も両面バースとし、クロスドック使用にも対応可能。2・3階は、保管効率を重視したメゾネット構造で、梁下有効高は6.3m以上(最大8.6m)と高く、日用雑貨・消費財などの高積みやラックの4段積みもでき、一般的な5.5mの天井高に比べて保管効率が格段に向上するという。外気に触れることの少ない3階はワンフロア約1万2,000坪(約4万㎡)の大平面を確保し、長期保管ニーズに対応するだけでなく、製造加工にも適したフロア仕様となっている。最小賃貸面積1,800坪(約5,900㎡)から利用可能だ。
また、コンプライアンス順守の観点から安全な保管場所の需要が急増しているリチウムイオンバッテリーや化粧品、アルコール類などの保管にも対応できる小型倉庫を併設し、隣接地に増設することも検討中。工業専用地域の特性を活かし、様々な業種・用途の物流需要に対応する方針だ。
同施設は災害対応拠点施設として位置づけられており、非常時の発電機燃料として大容量オイルタンクを設置している。これにより、停電時には防災センターや入居企業の事務所エリアなどの主要機能へ最大約7日分の電力供給が可能。備蓄燃料は災害発生時に入居企業に提供するだけでなく、同社が運営する周辺の物流施設への移送も想定しているという。さらに、断水時でも約30日間トイレが使用できる給水設備を整えているほか、防水壁を設置し浸水対策レベルを周辺道路より4m以上高くするなどの対策行い、事業継続を支援する設計とした。
さらに、環境負荷低減への取組として、施設屋根面に約6MWの太陽光発電設備を設置し、自家消費を行うとともに余剰電力の自己託送を行う計画。共用部には人感センサー付きLED照明を採用したほか、倉庫内には通常のLED照明比で電力使用量を半減できる高天井用センサー付きインテリジェントLED照明(プロロジス共同開発)を設置し、施設内及び入居企業のESG推進への寄与に加え、電気自動車用の充電設備にも対応する。これらの取り組みにより、CASBEE(建築環境総合性能評価システム) Aランク、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の最高位5スターを取得予定であるとともに、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)認証を取得予定だ。
ほかにも、施設内ワーカーの働きやすさに配慮し、カフェテリアには24時間営業のコンビニエンスストアが開業予定としたほか、併設の厨房で調理した出来立て弁当を提供する計画だ。無料Wi-Fiと有線放送も導入し、休憩スペースのほか、テレワークに適したテーブル席や貸会議室も備えている。
※「プロロジスパーク古河4 」の施設概要
所在地:茨城県古河市北利根15番地
敷地面積:6万8,129.87㎡(2万609.29坪)
延床面積:12万3,266.42㎡(3万7,288.09坪) ※うち小型倉庫棟999㎡
構造:地上3階建、柱RC造+梁S造
着工:2022年1月
竣工:2023年5月
■山九(株)<5月18日>
シンガポールに全フロア温度帯管理の高機能物流センターを建設、東南アジア域内で自社最大級の物流センターとして2025年9月開設予定
山九(株)の海外現地法人、山九シンガポール(私人)有限公司[SANKYU (SINGAPORE) PTE LTD.]は、シンガポール西部のトアス地区に「トアス物流センター(仮称)」を建設する。
同倉庫は既存倉庫の建て替えにより施設面積をこれまでの2.2倍に拡張し、東南アジア域内における弊社最大級の物流センターとして2025年9月に開設する予定。トアス地区を中心としたバイオメディカルや医療・医薬関連の物流需要の取込みをターゲットに、全フロアに22℃前後の温度帯管理機能を完備し、保管効率の高いVNA型物流センターとする計画だという。また、シンガポール政府が計画中のトアス新港に近接する利便性を活かし、同国における国際物流貨物の需要を取り込む予定。また、山九グループのサステナビリティ基本方針にもとづき、屋上にソーラーパネルを設置し、倉庫で使用する電力の一部を賄うことで、CO2排出量の削減に貢献するとしている。
※「トアス物流センター(仮称)」の施設概要
所在地: Tuas Avenue 13 Singapore 638389
開設時期:2025年9月
敷地面積:1万9,230㎡
施設面積:3万7,975㎡(うち事務所1,253㎡)
構造: 鉄筋コンクリート4階建
機能: 全フロア温度管理(22℃±2℃)
VNA ラック、ソーラーパネル、垂直搬送機4台、荷物EV2台
■日本GLP(株)<5月19日>
大阪府八尾市で「GLP八尾Ⅱ」が竣工、ゼット(株)のグループ物流会社が新たな西日本物流拠点として1棟全体を利用
日本GLP(株)は、大阪府八尾市で建設を進めていた総延床面積1万5,996.97㎡の先進的物流施設「GLP 八尾Ⅱ」が竣工したと発表した。同施設は、スポーツ用品の製造、販売並びに輸出入を行うゼット(株)のグループ企業で同社の物流業務を担うザイロ(株)が専用施設として一棟全体を利用するという。
同施設は大阪外環状線に隣接し、大阪市内だけではなく奈良や和歌山などの南近畿地域における重要な物流拠点。また、複数駅から徒歩圏内に立地し近隣に複合商業施設があることから、施設ワーカーにとっても利便性の高い立地環境にある。
ザイロは、同社の西日本の物流拠点を同施設に集約し、製品の保管および作業スペースを拡大することで搬出入環境を改善し、物流オペレーションの一層の効率化と次世代DX卸ビジネスモデルの実現を図る。同社は、日本GLPの提案力や柔軟な対応力、そして物流施設開発・運営における知見やノウハウを評価し、同施設への入居を決定したという。
〇同施設の立地
・大阪外環状線に隣接し、近畿自動車道「八尾IC」より約5km、西名阪自動車道「藤井寺IC」、第二阪奈道路「水走IC」からそれぞれ約6.5kmと、大阪市内だけでなく奈良や和歌山などの南近畿地域までアクセスが可能で物流施設として優れた立地。
・住宅地に隣接していることに加え、近鉄大阪線「高安駅」、近鉄信貴線「信貴山口駅」「服部川駅」から徒歩圏内に立地し通勤に便利なことに加え、複合商業施設も近接していることから施設ワーカーの利便性の面、住宅地が隣接するため雇用確保の面からも好立地。
〇同施設の特長
・エレベーターホールには、ゼットが製造及び販売する商品を展示するショーウィンドウを設置。
・ 荷物用エレベーターと垂直搬送機を複数設置することで縦搬送能力を高める。
・ 高床バースを採用し、荷物の積卸し業務の効率化を図る。
・大型シーリングファン(1階)や空調設備(1~4階)を導入するほか、休憩スペースを整備し、施設ワーカーの就労環境の快適性向上を図る。
・自転車用の駐輪場を約70台分設置し、周辺エリアからの交通利便性を確保。
・本開発は八尾市内の区画整理事業地内で行われ、市の要請のもと、隣接道路の安全性を確保するための照明灯を設置。
〇同施設のBCP、環境配慮
・耐震性能の高いブレース材を採用し地震に対する安全性を高めるほか、浸水や液状化が発生しない地盤への対策を講じ高い事業継続性を確保。
※「GLP 八尾Ⅱ」の施設概要
所在地:大阪府八尾市郡川1-552
敷地面積:7,763.19㎡
延床面積:1万5,996.97㎡
構 造:地上4階建、耐震S造
着工:2022年5月
竣工:2023年4月
認証取得:CASBEE(新築)認証取得済み、ZEB認証(予定)
■アマゾン ジャパン(同)<5月23日>
災害支援物資保管のための「Disaster Relief Hub」を「尼崎フルフィルメントセンター」に開設
アマゾン ジャパン(同)は、兵庫県尼崎市に立地する「Amazon尼崎フルフィルメントセンター(尼崎FC)」に、自然災害で被災した人々に、迅速かつ効率的に支援物資を届けるための「Disaster Relief Hub」(災害支援物資の保管拠点)を開設すると発表した。
Amazonグループが、企業理念として戦争や自然災害における人道支援に貢献する社会的責任があるとの考えから、地域社会とのパートナーシップを重視してきたことは周知の通り。本プロジェクトは、このグループ方針のもと、災害支援を専門とする(公社)Civic Force及びNPO法人ピースウィンズ・ジャパン、尼崎市役所など、地域のコミュニティとの連携によって実行されるとしている。
尼崎FCの中に設置されるDisaster Relief Hubには、約50種類の災害支援物資が合計で約1万5,000アイテム保管される。それらの物資は、AmazonのパートナーとなるNPOの2団体が行った過去15年間に渡る活動実績データをもとに、避難民のニーズが高かった商品セレクションを行っという。これらの支援物資は、AmazonとNPOの間で事前に設定された災害時の被害規模の評価(トリアージ)によって、支援の必要性を判断したのち72時間以内に被災地に配送する計画だ。
Amazonは現在、全国にお客様の利便性を向上させるための物流ネットワークを拡大している。Amazonの物流拠点であるフルフィルメントセンターでは、「Amazon Robotics(アマゾンロボティクス)」による効率的かつ迅速な商品の入荷・出荷オペレーション、また各地に所在する配送拠点であるデリバリーステーション(DS)は、安全かつ地域の交通事情に即した商品を届けるサービスを展開している。今回のDisaster Relief Hubは、今夏神奈川県の相模原フルフィルメントセンターにも開設される予定があり、順次、社会的ニーズに応じたエリアの拡大を計画している。
■三菱化工機(株)<5月24日>
三重県の四日市事業所を全面リニューアル、2023年5月から新規稼働開始
三菱化工機(株)は、四日市事業所(三重県四日市)を全面リニューアルし、2023年5月から新規稼働したと発表した。
同事業所は1961年の開設以来、同社の製造拠点の一つとして機器製造業および工事業務を担ってきた。2010年からは、工場機能に加えて「三菱セルフジェクター」(三菱油清浄機)のアフターサービス部品に特化した倉庫として、約5,000アイテムを超える部品を保管し、顧客からの注文に対して迅速に出荷可能な体制を構築。以降、国内および世界中でご愛用いただいている機械の安定稼働を通じて顧客のビジネス拡大に貢献してきたが、今回最新の倉庫設備を備えた事業所として全面リニューアルしたものだ。
新事業所の外観はダークブラン系色を基調としたモダンなデザインとし、太陽光発電設備によるGHG排出削減の取り組みやグリーン電力の調達等、環境面にも配慮している。新しいピッキングカートの導入やレイアウトを工夫した部品棚の配置等によって作業効率の向上を図っており、顧客のさらなる期待に応えることを目指しているという。今後も三菱セルフジェクターのアフターサービス関連業務を通じて、三菱化工機の事業成長を支える拠点となることが期待されている。
※三菱化工機(株) 四日市事業所の施設概要
所在地: 三重県四日市市大治田3-3-48
業務内容:三菱セルフジェクターのアフターサービス部品の 在庫管理、発注、発送業務等
敷地内延床面積:合計2,593.87㎡
■オリックス不動産(株)<5月24日>
スロープ型で配送効率の高いマルチテナント型物流施設「加須ロジスティクスセンター」が完成、100%再エネ由来電力の使用が可能な環境配慮型
オリックス不動産株(株)は、埼玉県加須市の物流施設「加須ロジスティクスセンター」が完成したと発表した。
同施設は、東北自動車道「加須IC」から約4.5kmに位置し、東北道・圏央道を利用した関東全域や東北地方への広域配送が可能。周辺には流通・工業団地が多く、複数の物流拠点が形成されている。建物は、延床面積4万8,003.58㎡(約1万4,521.08坪)、地上3階建てのマルチテナント仕様。最小区画は約2,240坪から最大4テナントが入居できる。2階へのスロープを設け、1階と2階に計100台の大型車(10t車)が同時接車可能なバースを備えている。1階は梁下有効高約7.0m(一部除く)、荷物用エレベーターを5基、垂直搬送機を4基実装し、効率的に保管・運用が行える仕様。また、3階の倉庫には空調設備を実装し、働きやすい快適な環境を整えている。
同施設は、屋根に太陽光発電システムを設置するなど、施設内を100%再生可能エネルギー由来の電力で賄う。夜間や悪天候などで日照時間や日射量が少ない場合でも、オリックス(株)より非化石証書付き(トラッキング付き)の電力を供給することで、入居テナント企業向けに環境価値を提供する。また、建物はCASBEE(新築)Aランクを取得したほか、電気自動車(EV)充電スタンドを5基設置している。
同社は、東名阪を中心に48物件の物流施設の投資開発実績を有する。今後も、進化するサプライチェーン戦略や、環境に配慮した物流施設の開発を目指すとしている。
◇「加須ロジスティクスセンター」の特長
① 関東全域および東北地方への広域配送が可能
同施設から約4.5km~6kmの距離にある、東北自動車道「加須IC」、「羽生IC」の利用で、関東全域のみならず東北地方への広域配送拠点として優位性がある。1階に最大53台、2階に最大47台の大型車(10t車)が同時接車できるバースを構え、合計18基のドックレベラーを実装することで効率的な荷物の積み降ろしが可能だ。
② 安心の事業継続計画(BCP)を備えた物流施設
事業継続計画(BCP)として、24時間稼働想定の非常用発電機を設置した。これにより、災害などに伴う停電時にも荷物用エレベーターや照明などの使用が可能となり、物流機能を24時間継続できる。
③ 働きやすい快適な環境
2・3階のラウンジは、光が入り込む明るい空間を演出。カウンター席や背もたれの高い席を設けることで、来訪者や施設内ワーカーが思い思いに快適に過ごせる仕様となっている。また、3階倉庫内は空調設備を実装。入居テナント企業自身で空調設備を新たに導入する必要がなく、最上階でも働きやすい快適な環境を整えている。
④ 100%再生可能エネルギー由来の電力を供給する環境配慮型施設
同施設の屋根に第三者所有モデル(PPAモデル)で1,369kWの太陽光発電システムを設置し、発電した電力は施設内で利用することが可能。また夜間や天候の影響により、太陽光で発電した電力では供給量が不足する場合にも、オリックス(株)より非化石証書付き(トラッキング付き)の電力を供給することで、入居テナント企業は使用電力の100%を再生可能エネルギー由来の電力として利用できる。また、駐車場に電気自動車(EV)充電スタンド5基を設置するなど、積極的に環境配慮に取り組む。
※「加須ロジスティクスセンター」の施設概要
所在地:埼玉県加須市道目1584-1
敷地面積:3万155.25㎡(約9,121.96坪)
延床面積:4万8,003.58㎡(約14,521.08坪)
規模・構造:地上3階建、S造
駐車場台数:普通車75台、トラックバース100台、大型トラック待機場6台
その他:床荷重1.5t/㎡、梁下有効高:1階7.0m(一部除く)、2階・3階5.5m(一部除く)
全館LED完備、非常用発電機完備、太陽光発電設備実装、
EV充電スタンド5基設置
着工:2022年3月1日
竣工:2023年4月14日
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。