■物流施設 投資関連情報2022版<7.28~8.3> 

  • URLをコピーしました!

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

■大和ハウス工業(株)<7月29日>
マルチテナント型物流施設「DPL福岡久山」が竣工、福岡空港・博多港近接で空路や海路輸送に対応可能


 大和ハウス工業(株)は、2022年7月31日、福岡県糟屋郡久山町においてマルチテナント型物流施設「DPL福岡久山」を竣工した。
 九州地域では、福岡県を中心にEC関連の物流量増加を背景として、物流施設のテナント需要が高まっており、迅速な拠点開設が可能なマルチテナント型物流施設の開発が相次いでいる。福岡県内のマルチテナント型物流施設では、2019年6月以来、空室率0%が続いており、九州全域をカバーできる物流拠点の適地として今後も根強い需要が見込まれる状況だ。
 本施設は、地上2階建て、延床面積2万1,929.10㎡のマルチテナント型物流施設。貸床面積9,990㎡から入居可能で、最大2社のテナント企業に対応できる。立地は、九州自動車道「福岡IC」より約3.5kmと近接し、九州各地への輸配送に適した環境。「福岡空港」や「博多港」まで車で約25分圏内にあり、陸路輸送だけではなく、空路や海路輸送にも対応できる。福岡市中心部のJR「博多駅」から車で約30分圏内にあるため、職住近接の就労環境が整っている点も魅力だ。周辺には、製造業の工場などが立地しており、工場で製造や加工した商品の保管場所としての活用も見込める。
大和ハウスグループでは、物流拠点開発だけではなく、マネジメントシステムや庫内管理設備など物流DXを活用した最適なサービスを一括で提案することができるという。実際、自動搬送ロボットでの搬送の効率化や各種設備のIoT化による適正管理など、倉庫内のオペレーションから物流の運行管理システムまで一気通貫のサービスを提案するとしている。
同社は、2014年5月の「DPL福岡糟屋」を皮切りに、「DPL福岡宇美」や「DPL福岡空港北」など、福岡県内で計5棟、延床面積約31万㎡のマルチテナント型物流施設を開発し、テナント企業の物流戦略をサポートする。今後も福岡県をはじめとして、九州地域においてマルチテナント型物流施設の開発を強化していく方針だ。

※「DPL福岡久山」の施設概要
所在地:福岡県糟屋郡久山町大字久原2162番 他
敷地面積:1万8,263.80㎡(5,524.80坪)
延床面積:2万1,929.10㎡(6,633.55坪)
賃貸面積:2万1,154.09㎡(6,399.11坪)
構造・規模:鉄骨造 2階建
建物用途:マルチテナント型物流施設
着工:2021年10月1日
竣工:2022年7月31日

■(株)アスコット<7月29日>
「アスコット・プライム・ロジスティクス仙台扇町(仮称) 」の用地取得、仙台市宮城野区でラストワンマイルの一端を担う物流施設を2024年夏に竣工予定

(株)アスコットは、2021年に新規参入した物流施設開発事業の第2号案件となる「アスコット・プライム・ロジスティクス仙台扇町(仮称)」の用地を取得したと発表した。同社は、創業以来20年以上にわたるマンション開発で培った技術・デザインを活かし、住宅地や都市部に親和性のある先進的な物流倉庫を開発する。今後も東京・大阪・名古屋・福岡・仙台などの大都市圏における「ラストワンマイル」の一端を担う物流施設の開発を進めていく考え。なお、本物件のセットマネジメント業務及びプロジェクトマネジメント業務については、数多くの不動産運用・管理実績をもつ三井物産リアルティ・マネジメント(株)に委託するとしている。

※「アスコット・プライム・ロジスティクス仙台扇町(仮称)」の施設概要
所在地: 仙台市宮城野区扇町5-10-17、18
敷地面積:約4,109㎡/約1,243坪
建築面積(予定): 約2,271㎡/約687坪
延べ床面積(予定):約8,370㎡/約2,532坪
構造規模:鉄骨造/4階建
用途:倉庫・事務所
着工(予定):2023年春
竣工(予定):2024年夏

■東急不動産(株)<8月1日>
タイ・バンコク近郊での物流施設開発「アルファバンナープロジェクト」及び「アルファランシットプロジェクト」開発に参画、アジアで同社初となる物流施設開発事業に


 東急不動産(株)は、現地子会社であるTOKYU LAND ASIA Pte.Ltd.を通じて、タイ大手上場不動産デベロッパーであるOrigin Property Public Company Limitedおよびタイ大手上場物流事業会社であるJWD InfoLogistics Public Company Limitedの合弁会社であるAlpha Industrial Solutions Company Limitedが開発を進める2物件の物流施設開発事業に参画する。本事業は、同社のタイ事業において、ホテル、オフィスビルに次ぐ新たなアセットへの取り組みとなり、本件によりタイ事業参画は計4物件となる。
ASEAN域内においては現在、国をまたいだ交通網の整備が進められており、タイはその中でも地理的に中心に位置していることや製造業が集積していることを背景に、物流マーケットの成長が見込まれている。本物件は、バンコク都に隣接する県である、サムットプラカーン県、パトゥムタニ県における物流施設開発案件であり、バンコク都内への配送需要や、バンコク周辺に集積する製造業などに紐づく倉庫需要の旺盛な立地環境にある。施設計画では、両プロジェクトともに、平屋建て倉庫3棟から成るマルチ型物流施設となる予定だ。
 タイでは新型コロナウィルスの感染が落ち着きを見せつつあり、海外流入人口が復調の兆しを見せているという。タイの物流施設はコロナ下でも比較的安定したマーケット動向を示しており、アフターコロナで人の流れや経済が活性化すれば、タイ物流マーケットの更なる成長につながると同社ではみている。

※「アルファバンナープロジェクト」の概要
敷地面積:約12万5,000㎡
賃貸面積:約8万㎡(予定)
建物計画:倉庫
着工:2022年8月(予定)
竣工・引渡:2023年5月(予定)

※「アルファランシットプロジェクト」の概要
敷地面積:約8万7,000㎡
賃貸面積:約5万6,000㎡(予定)
建物計画:倉庫
着工:2022年8月(予定)
竣工・引渡:2023年5月(予定)

■ ESR(株)<8月3日>
マルチテナント型物流施設「ESR 野田ディストリビューションセンター2」を着工、総合物流企業と全棟契約で満床


 ESR(株)は8月2日、は千葉県野⽥市蕃昌で延床⾯積4万5,600㎡(1万3,794坪)の4階建てマルチテナント型物流施設「ESR 野⽥ディストリビューションセンター2」(野⽥ DC2)の地鎮祭を執行した。なお、本施設は総合物流企業と全棟の賃貸借契約の締結により着⼯前に満床となっているという。
本施設は、同社にとって着⼯ベースでは全国で33件⽬、千葉県内では8件⽬のプロジェクトで、2019年に竣⼯した「ESR 野⽥ディストリビューションセンター」からは3.7kmの距離にある。 本施設は国道16号線に⾯しているほか、国道16号線と国道4号線の交差点「庄和IC」より7km、常磐⾃動⾞道「柏IC」より10km、東北⾃動⾞道「岩槻IC」まで20kmにあり、主要幹線道路にアクセスが可能。東京港や成⽥・⽻⽥空港など輸送インフラ拠点からの中継地点としても利便性が高く、⾸都圏のみならず、東⽇本全域への広域配送拠点として強みを有している。
建物は4階建ての耐震構造で、1階は両⾯にトラックバースを配置。⼤型⾞両は⼊⼝と出⼝を分け、敷地内の⾞両動線はワンウェイとし、⼤型⾞両の待機スペースを⼗分に確保することで、安全性に配慮した効率的な⼊出庫オペレーションを実現する。また、バース前の⾞路は⼀部ピロティ形式を導⼊し、⾬天時に影響を受けにくい構造になっている。
倉庫部分は1階から4階まで荷物⽤エレベーターと垂直搬送機による⾼い縦搬送能⼒を備え、床荷重1.5t/㎡、梁下有効⾼さは1階から3階は5.5m、4階は6.0m以上、柱ピッチは間⼝11m×奥⾏11mを確保し、物流運営の効率性と汎⽤性を重視した設計となっている。
ESRの基本理念「HUMAN CENTRIC DESIGN.(⼈を中⼼に考えたデザイン)」に基づき、本施設では倉庫区画を含め全館空調付きとするなど、ワーカーに安全で快適な就労環境を提供している。通勤の利便性を高めるため、駐⾞場146台および駐輪場(⾃転⾞の場合80台、バイクの場合 60台)も設けている。また、東武野⽥線「七光台駅」まで2kmの距離にあり、⼈⼝密集地にも近く、周辺にはコンビニエンスストア、飲⾷店、量販店や商業施設も多く、⼊居企業様の雇⽤の観点からも有利な環境が整っており、⼈材定着の向上にも寄与する。
ESRは ESGを経営の核とし、持続可能な社会の実現のために、2025 年までに達成すべき⽬標や重要課題を特定した「ESG2025 ロードマップ」の戦略に沿ってESGへの取組を推進し、ESG に関する国際的な枠組みにも積極的に参画している。2022年3⽉よりESR独⾃のグリーン電⼒証書発⾏システムも始動し、2022年6⽉に国連責任投資原則(PRI)の署名機関となるなど、ESR グループ全体でサステナビリティ経営の⾼度化を進めている。
本施設は全館LED照明、環境配慮型照明システム、ヒートポンプ式空調、節⽔型衛⽣器具の採⽤、⾃家消費型太陽光発電システムの導⼊など、環境や省エネルギーに配慮した持続可能な物流施設として BELS5スターを取得し、CASBEE5A ランク評価も取得する予定だ。
BCP対策については、⾮常⽤⾃家発電設備を備え、防災備蓄倉庫も設置します。停電時でも防災センター、荷物⽤エレベーター、トイレ等が⼀定時間使⽤可能とし、災害機能を維持できるよう整備する。また、施設運営・管理のスペシャリストである ESR社内のプロパティマネジメントチームの下、本施設においてもセキュリティ対策を構築し、⾮常事態にも迅速に対応する。

※「ESR 野⽥ディストリビューションセンター2 」の施設概要
所在地:千葉県野⽥市蕃昌266-9
敷地⾯積:2万1,556㎡(6,521坪)
延床⾯積:4万5,600㎡(1万3,794坪)
構造:地上4階建/鉄⾻造 耐震構造
都市計画地域:市街化調整区域(地区計画)
着⼯:2022年8⽉1⽇
竣⼯:2023年8⽉31⽇(予定)

■プロロジス<8月3日>
全館空調付き・冷凍冷蔵対応の物流施設「プロロジスアーバン東京辰巳1」を提供、独メトロ社日本法人の店舗を改修

 プロロジスは、東京都江東区辰巳において都市型賃貸用物流施設「プロロジスアーバン東京辰巳1」の提供を開始すると発表した。
 本施設は、飲食店やホテルなどの飲食業に携わる「食のプロフェッショナル」を対象に、卸売り市場を展開する独メトロ社の日本法人であるメトロキャッシュアンドキャリージャパン(株)が店舗として使用していた施設をプロロジスが改修し、全館空調付きの冷凍冷蔵対応の施設として提供するもの。商業施設の賃貸用物流施設へのコンバージョンは、プロロジスとして初の事例。同社は郊外に立地する大型の先進的物流施設「プロロジスパーク」に加え、2020年より「プロロジスアーバン」を提供しており、「プロロジスアーバン東京辰巳1」は、品川区、足立区、大田区、墨田区などに続くシリーズ第6弾になるという。
 本施設は、JR京葉線「潮見駅」から徒歩10分地点に立地し、首都高速9号深川線「枝川」出口より約1.5km、首都高速湾岸線「新木場」出入口より約4.3kmと、都内全域への車両でのアクセスにも優れる。都心部の商業施設への店舗間配送や、ECフルフィルメント拠点、ダークストアとしての利用ニーズが想定されるほか、城東エリアへの即日配送やラストワンマイル配送拠点としても理想的な立地環境にあるとしている。
 同社は、敷地面積約5,800㎡、地上3階建て、延床面積約9,300㎡の既存施設をフロア単位(最小約600坪)で賃貸可能なマルチテナント型物流施設に改修する。施設全体で5基の人荷用エレベーターと、各階アクセスできる屋上まで自走可能なスロープを備えるなど、搬送機能も整備する。1階は空調を備えた倉庫スペースで、有効天井高は約4.8m、床荷重は1㎡当たり2.0tと重量物にも対応可能なスペック。2階の一部と3階は、冷蔵冷凍に対応した倉庫スペースで、有効天井高は2階が最大約4.2m、3階が約2.9mとなっている。また、1階と2階にそれぞれトラックバース2台分(計4台分)を確保し、スロープを利用して4tトラックが1階から2階へ直接アクセスできる構造(3階及び4階は普通乗用車のみ)とすることで、効率的な物流業務を支援する。屋上部分と敷地内には併せて79台の乗用車・軽貨物車を駐車可能な駐車場を用意し、多数の営業車両や貨物車両の保管にも対応できるものとする計画だ。
 なお、同社は2022年8月からリノベーション工事に着手し、同年末頃に完成する予定。完成後に入居企業募集を開始する。

■(株)ラックランド<8月3日>
中部冷蔵(株)が2022年7月に稼働させた業界最大級の完全自動冷凍倉庫備で防熱・冷凍設備工事の設計施工を担当、フロン排出を抑えた新冷媒と大型冷凍機開発導入で環境対策に寄与


 商空間制作事業を展開する(株)ラックランドは、中部冷蔵(株)が2022年7月に稼働させた完全自動冷凍倉庫「新城マザーセンター」の新築工事で防熱・冷凍設備工事の設計・施工を担当したことを発表した。
本施設はアイスクリームや冷凍食品など幅広い商材を扱う完全自動冷凍倉庫で、東京・大阪間の中心にある愛知県新城市に位置し、東西および北陸圏を結ぶハブセンターとして機能するもの。保管能力はF級3万tで、建物は冷蔵庫業界で業界最大級となる天井高さ約30m(6階相当)の冷却設備を備える立体自動倉庫だ。
 ラックランドは、設計施工から引渡し後のメンテナンスまで対応可能な点が評価され、本施設新築工事において防熱・冷凍設備工事の設計・施工を受託。本物件の天井高が特殊だったため、全面足場を組まずに済むよう日本に数台しかない高所作業車を導入し、施工の効率化と工期短縮を図った。また、軽量かつ断熱性を兼ね備えたパネル素材を採用し、高所での組立作業を効率化。さらに耐震性の懸念から、大規模地震を想定してメーカーと協議を行い、高さのある壁に脱落防止施工を行ったという。そのほか、フロン排出を抑え、環境に配慮したいという中部冷蔵の要望に対応し、新冷媒「R449A」に対応可能で日本で2例目となる大型冷凍機械設備(一体空冷式のスクリュー冷凍機)を開発・製作をメーカーに依頼し、導入。これにより、GWP(地球温暖化係数)2025年までに1500以下にするという基準をすでに1282という値でクリアし、SDGsの目標13(気候変動に具体的な対策を)の達成にも貢献できまたとしている。

※中部冷蔵(株)「新城マザーセンター」工事の概要
所在地:愛知県新城市八束穂イバラ740番地32
用途:コールドチェーン
工期:2021年7月~2022年6月
稼働月:2022年7月(2022年6月竣工)
業務範囲:防熱工事・冷凍設備工事に関する設計施工
敷地面積:2万6,612.3m²(8,055.22坪)

目次