<2022年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報>
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。
■サントリーホールディングス(株)<4月8日>
⇒沖縄県の物流体制をさらに強化、清涼飲料専用倉庫「沖縄豊見城配送センター」が稼働
サントリーホールディングス(株)は先ごろ、新物流拠点「沖縄豊見城(とみぐすく)配送センター」を本格稼働した。
サントリーグループはこれまでも安全・安心な物流の実現に加え、先端技術を活用し、物流業務の自動化・省力化による労働負荷軽減、作業効率化、環境負荷の低減などを実現する「スマートロジスティクス」に取り組んできた。本施設の稼働により、沖縄県での商品供給の一層の安定化を図るほか、これまで複数箇所に分散していた倉庫機能を本施設の倉庫に統合・集約することで、在庫配置や倉庫間移動を効率化し、環境負荷低減を推進する。また、DX施策として、倉庫管理システムとバース予約システムの情報連携により、倉庫内業務の効率化、待機時間削減を通じたトラック乗務員の負担軽減や環境負荷低減を図る。
本施設は「おきなわSDGsパートナー」の認証を取得している。同制度は、沖縄県が様々なステークホルダーとのパートナーシップのもと、SDGsの普及啓発に取り組むため、活動に意欲的な企業・団体を認証するもの。倉庫内業務の効率化、環境負荷低減を目的としたDX施策や、安全品質の向上を目的としたフォークリフト操作のAI判定システムの導入などが評価され、認証に至った。サントリーグループは、今後も持続可能な物流の実現に向け、物流最適化・環境負荷低減・働き方改革の推進などの取組を、パートナー企業・地域行政との連携を深めながら進めていく。
※「沖縄豊見城配送センター」の施設概要
所在地:沖縄県豊見城市字与根西原50番110
延床面積:約2,700坪(約8,900㎡・2階建倉庫の2階)
竣工:2022年3月(4月本格稼働)
取扱商品:清涼飲料各種
業務委託先:サントリーロジスティクス(株)
■井村屋(株)<4月8日>
⇒グループ成長戦略の一環で三重県津市に新工場建設を計画、ロジスティクス機能も強化
井村屋(株)は、井村屋グループ全体で進めている成長戦略の一環として、三重県津市の中勢北部サイエンスシティ内に新工場「あのつFACTORY」を建設すると発表した。
井村屋グループでは、2021年度に米国事業会社であるIMURAYA USA, INC.に日本製品輸出の総代理店化を企画し、現地への輸出・販売が順調に進んでいる。グループの生産を担う井村屋は幅広いカテゴリーの生産機能を有し、今後の国内外での成長戦略の中で輸出やEC販売への供給能力の向上、ロジスティクス機能の強化など、様々な課題に対応していく必要性があるとしている。
本工場は成長分野への商品供給基地としての位置付け。AI・DXを取り入れたコストダウンによる市場競争力の高い新工場を設けることで、顧客への価値提供をさらに進める。コンセプトは、①成長カテゴリーの新・供給基地の確立、②コストダウンへの取り組み、③ベストコミュニケーションファクトリーの創造(SCM機能の強化)。顧客の健康に寄与するSOY事業では、ロングライフ豆腐を中心に業務用ルート・輸出拡大を進め、さらに豆乳を活用したデザートや生産副産物である「おから」の惣菜化など新しい展開を進める。また、米国向け輸出が好調な焼菓子(カステラ)や購買手法として伸長しているEC市場に向けた商品の専用供給体制を確立し、さらなる成長を担う取り組みとするほか、煩雑な菓子・食品包装部門を集約しコストダウンにつなげる。
※「あのつFACTORY」の機能
・生産機能
①SOY(豆腐)製造・包装ライン
②焼菓子(カステラ等)製造・包装ライン、
③スイーツ(Anna Miller’s / JOUVAUDブランド商品各種)製造・包装ライン
④ギフト・EC包装ライン
いずれも成長性を担うカテゴリーの位置付け。現在の高茶屋本社工場から機能を移設する予定。井村屋ウェブショップ・AmazonなどEC販売強化と、ギフト商品の集約化によるコストダウンを図る。特に輸出対応商品(カステラ・豆腐など)の生産ラインを強化し、海外市場展開でさらなる拡大を図る。
・ロジスティクス機能
3温度帯商品(常温・冷蔵・冷凍)の保管・出荷・物流機能を担う。
※移設後の狙い
①SOY(豆腐)製造ライン
健康に寄与するSOY事業としてロングライフ豆腐を基軸に、輸出も含めた市場開拓及びおからを活用しゼロエミッション化を進める。
②焼菓子(カステラ等)製造ライン
カステラ輸出専用ラインを構築し海外市場を拡大する。将来的にどら焼輸出などを視野に入れ菓子事業拡大を図る。
③スイーツ製造ライン
Anna Miller’s / JOUVAUD各ブランドのEC市場に向けた商品開発・商品供給基地として構築する。
④ギフト・EC包装ライン
ギフト包装とEC包装の集約化を図り、合理化したライン構築で効率化しコスト改善を図る。
※「あのつFACTORY」の施設概要
所在地:三重県津市あのつ台1-8-1 中勢北部サイエンスシティ内
敷地面積:2万1,827㎡(約6,600坪)
建築面積:7,112㎡
契約内容:土地・建物所有者である(株)宝輪と賃貸借契約を締結予定
投資金額:約12億円
稼働予定日:2023年3月上旬予定
従業員数:約80名
■ESR(株)<4月11日>
⇒マルチテナント型物流施設「ESR 名古屋南ディストリビューションセンター2」開発へ
ESR(株)は、愛知県名古屋市港区での「ESR 名古屋南ディストリビューションセンター2」開発計画すると発表した。本計画地は、敷地面積1万8,396㎡(5,565坪)の(株)ミック・大江機材センター跡地で、(株)住都建設との売買契約に基づき、2022年4月5日に引き渡しが完了している。
本施設は地上4階建で、1階にトラックバースを備えた延床面積4万8,753㎡(1万4,748坪)のマルチテナント型物流施設とする計画。2022年11月に着工し、2023年10月に竣工する予定。総投資額は約110億円。
本施設は、名古屋市中心部から12kmに位置し、愛知県名古屋市内を環状で結ぶ名古屋市道名古屋環状線まで至近。名古屋南部の基幹産業道路として利用されている国道23号(名四国道)の「竜宮IC」まで約1.8km、東海方面と名古屋都心を連絡する名古屋高速3号大高線「笠寺IC」まで約2.8km、名古屋高速4号東海線「船見出入口」まで約3km、と名古屋市内、中京圏への配送拠点として優位性がある。名古屋高速4号東海線と伊勢湾岸自動車道の結節点「東海JCT」で東名・新東名高速道路にも直結するため、名古屋都心部への配送の利便性と東日本・西日本向けの広域配送拠点としての強みを兼ね備える。また、名古屋港飛島ふ頭北コンテナターミナルまで約14km、中部国際空港まで約34kmと、空輸貨物、海上貨物を効率的に保管でき、輸出入貨物配送にも優位性があり、さらに名古屋駅につながる名鉄「東名古屋港駅」から徒歩約10分、急行も停車する同「大江駅」までも1.6km(徒歩約17分)の距離にあり、通勤利便性が高く、周辺には豊富な労働人口を抱える住宅エリアが広がっており、テナント企業の雇用の観点からも有利な立地だ。
最⼩賃貸区画は約4,430坪。賃貸区画は1階を3区画に分け、2階、3階または4階1フロアとの2層使いで、最⼤3テナントへの分割賃貸が可能だ。各区画は荷物⽤エレベーターと垂直搬送機により高い縦搬送能⼒を備える。倉庫エリアの床荷重、柱スパン及び梁下天井有効⾼はいずれも最新型物流施設の仕様とし、幅広いニーズに対応できる汎⽤性と保管効率を高めた計画となっている。
本施設でも同社の基本理念「HUMAN CENTRIC DESIGN.(⼈を中⼼に考えたデザイン)」に基づき、駐⾞場を⼗分に確保するとともに休憩室を備えるなど、施設利⽤者にとって快適な職場環境創りも計画している。
本施設は、全館LED照明や外壁には断熱性能の高いサンドイッチパネル、ヒートポンプ式空調、節⽔器具等の最新の省エネルギー設備・機器を導⼊するなど、環境負荷低減に配慮した建築計画になっており、CASBEE 2Aランク評価を取得する予定だ。また、⾃家消費型太陽光発電システムを導⼊し、グリーンデザインも積極的に採り入れるなど再⽣可能エネルギー性能を高め、テナント企業の運営効率向上に繋げる。地域社会に対しては雇⽤創出、税収の増加、災害協定の締結など、共存・共栄することを⽬指す。BCP対策として、建物を耐震構造とするほか、⾮常⽤⾃家発電設備を備え、停電時でも防災センター、荷物⽤エレベーター、トイレ等が⼀定時間使⽤可能とするなど、災害機能を維持できるものとなっている。同社では施設運営・管理のスペシャリストであるプロパティマネジメントチームを内製化しており、本施設でもテナント企業とワーカーに安全・安⼼な施設環境を提供するとしている。
※「ESR 名古屋南ディストリビューションセンター2」の施設概要
所在地:愛知県名古屋市港区本星崎町字南 3998-9 他
敷地⾯積:1万8,396 ㎡(5,565 坪)
延床⾯積:4万8,753 ㎡(1万4,748 坪)
⽤途地域:⼯業専⽤地域
構造:4 階建/耐震構造
着⼯:2022年11⽉1⽇(予定)
竣⼯:2023年10⽉31⽇(予定)
■センコーグループホールディングス(株)<4月12日>
⇒埼玉地区でEC物流拠点を増強、「センコーさいたまPDセンター」を竣工
センコーグループホールディング(株)は4月11日、さいたま市岩槻区で建設を進めていた「センコーさいたまPDセンター」を竣工した。
本施設は、センコーグループホールディングスが不動産事業でセンコー(株)に賃貸する物流拠点で、3月に竣工した「センコー泉南PDセンター」(大阪府泉南市)に次ぐ2例目。立地は東北自動車道「岩槻IC」から約2kmと近く、関東一帯の配送拠点としてのアクセス性に優れる。
センコーは、本施設近隣に浦和PDセンター(さいたま市緑区)や岩槻PDセンター(さいたま市岩槻区)といった大型物流拠点を構えているが、量販店向け商品を中心とした荷扱い量の拡大で、保管スペースが不足している。本施設はこれら旺盛な需要に加え、ネット通販大手企業の商品保管や仕分け業務を行い、伸長著しいEC物流への対応も強化する意向だ。また、3階屋上部分を緑地化し、今年10月頃には太陽光パネルを設置する計画。再生可能エネルギーを活用することで、カーボンニュートラルに向けた取組も行う予定だ。
センコーグループでは、埼玉地区のネットワーク力を発揮し、拡大する物流需要に柔軟に対応することで事業のさらなる拡大を目指す。
※「センコーさいたまPDセンター」の施設概要
所在地:埼玉県さいたま市岩槻区浮谷1512-1
建物・構造:鉄骨造/地上6階建
敷地面積:1万4,768㎡
延床面積:2万7,047㎡
倉庫面積:2万1,609㎡
設備:バース28台分、洗車場、インタンク、非常用自家発電設備(200KVA)、
太陽光パネル(予定)
貸主:センコーグループホールディングス(株)