物流施設 投資関連情報2022版<3.3~3.9>

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<2021年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

■花王(株)<3月3日>
⇒豊橋工場に柔軟で効率的な生産体制と新たな物流モデルを構築、持続可能なサプライチェーンの実現に向けた生産・物流機能一体型拠点への変革

花王(株)は、人と環境に配慮するとともに安定して製品供給が行える、柔軟で効率的な生産体制と新たな物流モデルの構築を目指し、豊橋工場を生産・物流機能一体型サプライチェーン拠点に変革する。
スキンケア・ヘアケア製品を中心に多品種を生産する豊橋工場では、生活者の購買行動の変化による需要の変動や、少子高齢化による労働人口の減少に対応し、働きやすい環境を実現するため、ロボットやAIなどを利用したフレキシブルな生産体制の構築に取り組んでいる。これに併せ、今回の変革では、新たに完全に自動化された倉庫を建設し、工場の物流自動化および配送機能を担うロジスティクスセンターとの一体運営により、連携して柔軟に製品を供給できる「豊橋コネクテッド・フレキシブル・ファクトリー」の実現を目指すものだ。

新たな物流モデルの実現に向けて2022年2月に着工した新倉庫は、建築面積が約7,150㎡で、自動倉庫の保管能力は120万梱、自動化設備による入出荷能力は各4万梱/日とする計画になっており、2023年上期の竣工・稼働開始を予定している。ケース仕分けロボット、無人搬送車(AGV)、無人フォークリフトなど先端技術を利用した自動化設備の導入により、倉庫内の仕分け作業は固定された作業場所を必要とせず、仕分けロボットとAGVが自在にパレットへの積み付けとパレットからの荷卸しを同時に行なう、自由度の高い完全自動化を実現する設計になっている。また、太陽光発電の導入による使用電力の再生可能エネルギー化や、花王独自の技術による廃PETを原料としたアスファルト改質剤「ニュートラック 5000」 を使用するなど、環境性能に優れた施設とし、「CASBEEあいち」Aランク およびBELS5スターも取得する予定。建築や制御システム、物流機器等の先端企業と協働し、ロジスティクスの効率化と、作業環境の改善や環境負荷低減による持続可能なサプライチェーンの共創を目指すとしている。
 同社は、工場内トラック搬送のスマート化に向けて、経済産業省資源エネルギー庁公募の令和3年度「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業」による自動運転フォークリフト実証事業 と連携して積卸し作業の自動化・無人化をするとともに、工場へのトラック入退場をスマート化し、トラック待機時間の削減に加え、ドライバーの健全な労働環境体制を整えたホワイト物流を推進する。また、物流倉庫のロボットフレンドリーな環境整備に向けて、ロボット革命産業IoTイニシアティブ協議会の物流倉庫テクニカルコミッティーに参画しており、これらの取り組みにより、無駄のない製品供給と所要時間の短縮、トレーサビリティ管理、物流コストの抑制や、電気自動車・燃料電池車等のトラック導入、太陽光発電による環境負荷の低減、物流作業の自動化・無人化による労働環境の改善など、トータルサプライチェーンの効率化と人と環境にやさしい生活者起点の物流サービスを実現できる新たな物流モデルの構築を目指す。

同社は、毎日の暮らしの中で使用する製品を提供する企業の責務として、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の低減に積極的に取り組んでいる。ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)のもと、今回の取り組みを通じて、大量生産・大量消費・大量廃棄から無駄のない持続可能なサプライチェーンへと変革する。また、この変革を通じて、よりすこやかな地球のために、資源やエネルギーの効率的な使用や廃棄物の削減による「ごみゼロ」への貢献と、「脱炭素」を目指し、2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブを実現するため、CO2の排出削減を通じてさらなる温暖化防止に取り組むとしている。

■大和ハウス工業(株)<3月3日>
⇒「DPL富山高岡」を着工、北陸地方2棟目のマルチテナント型物流施設

大和ハウス工業(株)は2022年3月14日、富山県高岡市においてマルチテナント型物流施設「DPL富山高岡」を着工する。
北陸地方はコロナ禍による巣ごもり消費の拡大でドラッグストアの出店数増加が進んだことなどもあり、商品を保管・流通加工できる物流施設の需要が堅調に推移。特に富山県は、北陸自動車道や能越自動車道、東海北陸自動車道により北陸地方全域や東海地方(愛知県、岐阜県)へ短時間でアクセスできるため、物流施設の開発が進んでいる。
同社も北陸地方での物流施設開発を進めており、2021年5月には富山県射水市において同地方初となるマルチテナント型物流施設「DPL富山射水」(延床面積2万4,284.29㎡)を竣工。同地方全域や東海地方への交通利便性の高さが評価され、竣工から8か月でテナントが満床となっている。これを受けて今回は、富山県高岡市に最大3社のテナント企業が入居可能なマルチテナント型物流施設「DPL富山高岡」着工に至ったものだ。
 
同施設は、北陸自動車道「高岡砺波スマートIC」から約1.2kmに位置している。そのため、富山県内のみならず、北陸地方全域や東海地方へも短時間でアクセスできる。また、産業団地「ICパーク高岡」内での施設開発となるため、産業団地内の工場で生産する商品の保管場所としても利用できる。建設地は洪水や地震、台風などの自然災害リスクが小さいが、施設の床面を浸水対策として、高岡市が2020年3月に公表した「高岡市洪水ハザードマップ」の予想浸水高よりも高く設定するなど、BCPに対応した安全な物流施設とする。建物は、平屋建ての延床面積1万6,756.33㎡で最大3社のテナントが入居可能だ。

※「DPL富山高岡」の概要

所在地:富山県高岡市ICパーク1番
敷地面積:2万9,844.04㎡(9,027.82坪)
延床面積:1万6,756.33㎡(5,068.78坪)
賃貸面積:1万6,576.69㎡(5,014.44坪)
構造・規模:鉄骨造 平屋建て
着工日:2022年3月14日
竣工予定日:2023年2月28日
稼働予定日:2023年2月28日

■名糖運輸(株)<3月3日>
⇒「岡山物流センター」が竣工、冷凍・冷蔵庫と事務所を新築した物流センターが竣工

日本全国でチルド食品を中心とした低温物流事業を展開する名糖運輸(株)の「岡山物流センター」が竣工した。
同施設の延床面積は、同社建築物として最大規模となる4,918.55㎡。建設地の岡山市南区箕島は、国道2号線バイパスや、山陽自動車道と瀬戸中央自動車道が通る「早島IC」にアクセスしやすく、物流拠点に最適な立地環境となっている。メイン設備として-22~+5℃に可変する2温度帯(冷蔵・冷凍)対応の冷凍・冷蔵庫を設置。この冷凍・冷蔵庫は自然対流に近い冷却器を採用しているため、庫内作業者の身体的負担を軽く、騒音も少ない快適な作業環境となっている。

※「岡山物流センター」の概要
所在地:岡山県岡山市南区箕島1648-1
主要用途:冷凍・冷蔵庫(倉庫業を営む倉庫)
建物構造: 鉄骨造 地上2階
最高高さ:17. 3 m
耐火基準:準耐火建築物
敷地面積:8,316.30㎡(2,515.68坪)
建築面積:2,939.55㎡(889.21坪)
延床面積:4,918.55㎡(1,487.86坪)

■三菱商事都市開発(株)<3月3日>
⇒大阪市平野区に物流施設開発用地を取得、関西圏で4件目

三菱商事都市開発(株)は、大阪府大阪市平野区に物流施設開発用地を取得したと発表した。同社は「MCUD LOGISTICS」シリーズとして、これまで関東圏を中心に物流施設開発を進めてきたが、最近では関西圏においても神戸市須磨区(MCUD神戸西/2021年12月竣工)をはじめ、神戸市西区(MCUD神戸TLP(仮称)/2022年3月着工)や大阪府吹田市(MCUD南吹田(仮称)/2022年秋着工予定)で物流施設開発を進めている。今回取得用地での物流施設開発は関西圏4件目で、2023年夏に着工し、2024年夏竣工する予定。この施設を含め、関西圏での物流施設総延床面積は約55,000坪となる見込みだ。

本取得用地は大阪市内陸に位置し、近畿自動車道「八尾IC」まで約2.0kmと近畿圏広域の交通利便性に優れ、関西圏の最大消費地である大阪都心部に対する近接性・配送利便性の高い物流適地。最寄り駅であるJR関西本線「加美駅」、JRおおさか東線「新加美駅」の2駅から徒歩圏にあり、周辺人⼝も多く雇用確保の観点でも優位性がある。
同社は、関東圏で長年培った物流施設の開発・運営ノウハウに加え、三菱商事グループが持つ情報力を最大限活用し、今後関西圏においてもテナントや投資家のニーズに沿った優良な施設を供給するため、積極的に物流施設開発事業を推進していく。

※大阪市平野区 物流施設開発用地概要
所在地 大阪市平野区加美南三丁目 59 番 他
敷地面積 10,192.17 ㎡(3,083.13 坪)
着工時期 2023 年夏(予定)
竣工時期 2024 年夏(予定)

■大和ハウス工業(株)<3月4日>
⇒マルチテナント型物流施設 「(仮称)神戸長田物流センター」建設に着手

 大和ハウス工業(株)は、CBREインベストメントマネジメント・ジャパン(株)および(株)大林組と共同で開発するマルチテナント型物流施設「(仮称)神戸長田物流センター」の建設に2022年2月1日に着手したと発表した。
同施設は、3社が共同出資する神戸ベイ特定目的会社が兵庫県神戸市長田区において開発する、2棟構成の大型施設。関西地区では、EC関連の物流量増加を背景に、マルチテナント型物流施設の需要が堅調に推移しており、新規需要が新規供給を上回る状況。関西圏の大型マルチテナント型物流施設(延床面積:1万坪以上)の空室率は、2020年12月末には3.7%だったが、2021年12月末には1.2%まで低下し、減少傾向に顕著となっている。

 大和ハウス工業はこうした状況を踏まえ、大型のマルチテナント型物流施設「DPL茨木北」(2022年8月竣工予定)や「DPL兵庫川西」(2023年9月30日竣工予定)の開発を進めている。今回はさらに、希少性の高い神戸市中心部近接地で2棟(西棟・東棟)構成のマルチテナント型物流施設「(仮称)神戸長田物流センター」を開発することにしたものだ。
 同施設は、阪神高速3号神戸線「若宮IC」から約2.1km、「湊川IC」から約2.3kmと近畿エリアから広域には中国地方や四国地方への配送拠点としても対応可能な立地環境にある。また、JR山陽本線「鷹取駅」から約950mと徒歩圏で、近隣には生活環境が整った住宅団地もあり、職住近接の就労環境が整っているという。同施設の3階には館内従業員用の休憩スペースを設け、就労環境向上にも配慮するとしている。同施設の延床面積は、阪神甲子園球場3.8個分に相当する約14.5万㎡。貸床面積約4,000㎡から入居可能で最大16社(西棟:12社、東棟:4社)のテナント企業に対応できる。

※「(仮称)神戸長田物流センター」西棟の建物概要
所在地:兵庫県神戸市長田区駒ヶ林南町10-1他
敷地面積:約5万181㎡(約1万5,179坪)
延床面積:約8万4,000㎡(約2万5,410坪)
賃貸面積:倉庫(トラックバース含む)約7万4,890㎡(約22,650坪)
事務所 約3,020㎡(約910坪)
構造・規模:鉄筋コンクリート造+鉄骨造 3階建て
設計・施工:株式会社大林組
着工日:2022年2月1日
竣工日:2023年7月(予定)
駐車台数:乗用車183台

※「(仮称)神戸長田物流センター」東棟の建物概要
所在地:兵庫県神戸市長田区駒ヶ林南町8-1他
敷地面積:約28,877㎡ (約8,735坪)
延床面積:約6万1,780㎡ (約1万8,688坪)
賃貸面積:倉庫(トラックバース含む)約5万4,300㎡(約1万6,420坪)
事務所 約1,820㎡(約530坪)
構造・規模:鉄筋コンクリート造+鉄骨造 4階建て
着工日:2022年2月1日
竣工日:2023年10月(予定)
駐車台数:乗用車138台

■東京建物(株) <3月4日>
⇒「T-LOGIシリーズ」第2弾 「T-LOGI習志野」が竣工

東京建物(株)は、物流施設「T-LOGI(ティーロジ)シリーズ」第2弾となる「T-LOGI習志野」が2022年1月31日に竣工したことを発表した。
同施設は、地上4階建て延床面積約3万3,673㎡ のマルチテナント型物流施設。首都圏の物流主要エリアである千葉湾岸エリアのうち、特に物流施設の集積が見られる習志野エリアに位置し、東関東自動車道「谷津船橋IC」に約2.9km、「湾岸習志野IC」に約 3.8kmと近接しているほか、2023 年春開業予定のJR京葉線「幕張豊砂駅」からも徒歩圏内でもあり、高い配送ポテンシャルと雇用ポテンシャルを兼備している。2階に通じるスロープを設けており、1階と2階でのトラック接車が可能。最大4テナントの入居が可能で、1区画当たりの賃貸面積は約2,000坪となっている。4階には施設内従業員の憩いの場で、オーシャンビュー・富士山が望める「ラウンジ」を設置し、快適な就業環境を整備。全館にLED照明を採用したほか、太陽光パネルで発電した再生可能エネルギーを施設内で自家消費する仕組みを採用するなど、環境に配慮した施設となっている。同施設はこの自家発電・自家消費の仕組みや省エネルギー化の推進により、環境に配慮した施設の証である「BELS」最高ランクである「ZEB」認証を取得している。また、同施設内で消費しきれない余剰電力については、一般の送配電網を利用し、同社が所有する商業施設に「自己託送」で送電することで再生可能エネルギーを余すことなく活用するとしている。

※「T-LOGI習志野」の概要
竣工:2022年1月
所在地 千葉県習志野市芝園2-5-1
敷地面積:1万4,008㎡(約4,237坪)
延床面積:3万3,673 ㎡(約1万100坪)
規模:地上4階
形状:4 層スロープ1F/2F片側バース)
構造:RC/S 造
耐震区分:新耐震
契約形態:定期建物賃貸借契約
契約年数:5年~相談
最小分割面積:約2,100坪 ※倉庫・事務所・バース込み

<倉庫仕様>
プラットフォーム:1・2 階 高床式 1.0m
梁下有効天井高:各階 5.5m(4F 最高 6.7m)
柱スパン:11m(W)×11m(D)
床荷重:各階 1.5t/㎡ ※2.5t フォーク可
ドッグレベラー:1・2 階 各 4 基
垂直搬送機:各階2基(1.5t)
最大荷姿:1700W×1500L×2500H(パレット含む)
人荷用EV:各階2基(3.5t)3000W×4000D×3150H
バース数:31台(40ft)
駐車場:普通車計75台

■東京建物(株)<3月4日>
⇒「T-LOGI横浜青葉」が竣工、日本通運(株)が一括賃借で2022年2月開業

 東京建物(株)は、物流施設「T-LOGI(ティーロジ)シリーズ」第2弾となる「T-LOGI横浜青葉」 が2022年1月31日に竣工したと発表した。同施設は、日本通運(株)が全館一括で賃借し、2022年2月から開業している。
同施設は、東名高速道路および第三京浜道路が利用可能なうえ、人口集積地・産業集積地である横浜港北エリアに位置するなど、物流施設として希少な物件。横浜市営地下鉄グリーンライン「川和町駅」から徒歩圏内に位置しているため、雇用確保の面でも優れた立地となっている。
全館LED照明を採用し、太陽光パネルで発電した再生可能エネルギーを施設内で自家消費する仕組みを採用。こうした自家発電・自家消費の仕組みや省エネルギー化の推進により、環境に配慮した施設の証である「BELS」最高ランクである「ZEB」認証を取得している。さらに、同施設内で消費しきれない余剰電力については、同社が所有する商業施設に「自己託送」で送電することで再生可能エネルギーを余すことなく活用するとしている。

※「T-LOGI横浜青葉」の概要
竣工:2022年1月
所在地:横浜市都筑区川和町654-1
敷地面積:7,793.07㎡(約2,357坪)
延床面積:1万7,063.40㎡(約5,161坪)
規模:地上4階
形状:4層ボックス(1F片側バース)
構造:S造
耐震区分:新耐震

<倉庫仕様>
プラットフォーム:1階 高床式 1.0m
梁下有効天井高:各階 5.5m
柱スパン:10.1m(W)×11.3m(D)
床荷重:各階 1.5t/㎡
ドッグレベラー:1階4基
垂直搬送機:各階2基
荷物用EV:各階2基
バース数:15台
駐車場:普通車計37台

■GLRインベストメント(株)、CBREインベストメントマネジメント・ジャパン(株)<3月7日>
⇒茨城県常総市で「(仮称)CBRE IM 常総 EAST」建設に着手

 ジーエルアールインベストメント(株)(GLRインベストメント)とCBREインベストメントマネジメント・ジャパン(株)は、茨城県常総市において「(仮称)CMRE IM 常総EAST」建設に着手した。
GLRインベストメントとCBREインベストメントマネジメント・ジャパンの両社で手掛ける物流施設については、CBREインベストメントマネジメントが運用するファンドであるCBRE Asia Value Partners Vの出資を受けている常総東特定目的会社がその開発プロジェクトからリーシング、及び竣工後の運営までを担うアセットマネジメント業務を受託し、推進するものとなっており、GLRインベストメントが強みとする物流施設のリーシング力を活かして優良なテナントを誘致し、竣工後早期の収益化を図る予定だ。

 同施設の建設地は常総市大生郷町の大生郷工業団地内で、2万4,683.53㎡(7,466.76坪)の敷地に地上2階建て延床面積約2万7,500㎡(約8,300坪)の物流施設を建設する予定。同施設の建物は2区画に分割対応が可能なほか、荷物用EV及び垂直搬送機各3基(将来対応エリア3か所あり)を設置する計画で、庫内オペレーション効率の高い物流施設とする方針だ。
 建設地は圏央道「常総IC」から約6.4kmと、圏央道至近の希少な立地。近年は圏央道エリアの物流施設は空室率が低下する一方、新規供給は限定的であることから、同施設は、インターネット取引の普及に伴う倉庫需要の増加や、労働環境の改善や建物・設備の老朽化に伴う最新スペックを備えた倉庫などのニーズの受け皿になるものと見られる。建設地が所在する大生郷工業団地は常総市の重要な産業拠点で、24時間操業が可能であり、3PLや荷主企業が運用するうえでも優位性がある。また、常総IC周辺では地域の農業を活性化するための街づくりを目指すものとして、「アグリサイエンスバレー(2023年オープン予定)」の整備が進められており、計画地45haのうち約19haが企業用地として企図されていることから、新たな産業拠点として期待されている。

※「(仮称)CMRE IM 常総EAST」の概要
所在地:茨城県常総市大生郷町字中丸6139-3他「大生郷工業団地」内
敷地面積:2万4,683.53㎡(7,466.76坪)
延床面積:約2万7,500㎡(約8,300坪)(予定)
用途地域:工業専用地域
構造:鉄骨造 地上2階建て(予定)
駐車場:普通車139台、大型車待機場設置(予定)
竣工:2023年3月末(予定)

■産業ファンド法人<3月9日>
⇒「IIF 羽村ロジスティクスセンター」の再開発プロジェクトを発表

産業ファンド投資法人は、同投資法人の資産運用委託先である三菱商事・ユービーエス・リアルティ(株)が同投資法人の保有資産である「IIF 羽村ロジスティクスセンター」の再開発事業実施を決定し、この事業に関する定期建物賃貸借予約契約を締結したと発表した。
同投資法人は、保有物件の価値最大化を図るため、テナントの入れ替えに加え、再開発による収益性向上にも取り組んでいる。今回は、本物件の長期安定的な収益基盤の構築と競争力向上を目的に再開発後のテナントを確定し、本物件の既存建物を解体するとともに新たに本物件敷地上に物流施設を建設し、これを取得する予定だ。

本物件は、2016年12月に取得して以来、現賃借人であるコカ・コーラボトラーズジャパン(株)の東京西部エリアにおける主要な物流拠点として安定的な運用を継続してきたが、コカ・コーラボトラーズジャパンから関東近郊配送拠点の集約のために中途解約の申し出があったことを受け、同投資法人では退去後の本物件の運用について検討を行ってきた。本物件は、国道16号から約2km、圏央道「日の出IC」から約5kmに位置し、東京都内中心部及び広域 関東圏へのアクセスが良好な立地環境にあり、物流施設や工場が集積する工業専用地域内でもあるため、24時間稼働が可能な希少性の高い立地特性を有する。一方、築年数が約30年を経過し、後継テナントの誘致のためには電気設備を中心とした改修工事が必要となる可能性があるほか、指定容積率に対する未消化割合(指定容積率 200%に対し約 60%の消化)が大きいことから、同投資法人では、既存建物を維持する前提でのテナントの入れ替えに加え、再開発の実施等、複数の運用選択肢を慎重に検討してきたという。 検討を進める過程で、同投資法人の既存テナントである東京ロジファクトリー(株)の東京西部エリアにおける物流拠点新設ニーズをつかみ、東京ロジファクトリーと協働して再開発事業を実施する場合の経済条件、開発に係る様々なリスク、再開発期間中の一時的費用やダウンタイムがポ ートフォリオの損益に与える影響等についても慎重に検証を行った。結果、東京ロジファクトリーと期間10年間の定期建物賃貸借予約契約を締結したうえで同投資法人によるオンブックでの再開発を実行し、延床面積を拡張した、汎用性を有する最新型物流施設へ建て替えることが、投資主価値向上に最も寄与するものと判断。今回、東京ロジファクトリーとの間で当該契約を締結するとともに、当該事業の実施を決定したものだ。 なお、同投資法人によるオンブックでの再開発は「IIF 厚木ロジスティクスセンターⅢ」に続き2 件目となるという

※「IIF 羽村ロジスティクスセンター」の再開発後の概要
建物:鉄骨造4階建
建築時期:2024年2月29日
延床面積:1万3,823.22㎡

■プロロジス<3月9日>
⇒都市型物流施設「プロロジスアーバン東京足立2」が竣工

 プロロジスは、東京都足立区入谷の都市型賃貸用物流施設「プロロジスアーバン東京足立2」を竣工した。同施設の2・3階には外資系企業の入居が決定しており、1階は引き続き入居企業を募集する。
同施設は東京北部・埼玉の消費地をカバーする好立地にあり、一般道を使用しても東京都足立区、板橋区、埼玉県川口市、草加市、八潮市などへ30分以内での配送が可能。東京駅以北の都内エリアや、埼玉県広域に対しても60分以内で配送することができ、迅速な配送が必要となるEC事業や、ラストワンマイル拠点としても最適。日暮里・舎人ライナー「見沼代親水公園駅」および「舎人駅」からいずれも2km圏内にあり、周辺には住宅地も多いことから、従業員確保にも有利な環境であると言える。

城北エリアは物流施設・倉庫の新規供給が少ないため、同施設のような高機能な新築物流施設は希少。約3,200㎡の敷地に建設された3階建ての倉庫は延床面積約6,400㎡とコンパクトだが、4tトラックが直接2階にアクセスできるスロープを併設し、荷物用エレベーターも2基備えている。1階は、都市型配送拠点としての機能に特化し、駐車機能を備えている。低床設計で配送車が直接乗り入れ、出庫できるワンウェイの通過動線により、安全かつ高効率のオペレーションが可能だ。配送車15台分の駐車場には泡消火設備を装備。事務所も併設しており、EC配送拠点に必要な物流業務を一つの拠点で完結可能な高機能施設となっている。

※「プロロジスアーバン東京足立2」の施設概要 
所在地:東京都足立区入谷9-10-10
敷地面積:3,125.19㎡(945.37坪)
延床面積:6,466.18㎡(1,956.01坪)
構造:地上3階建、S造
着工:2021年2月
竣工:2022年3月

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