物流施設 投資関連情報2022版<2.3~2.9>

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<2021年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

■東急不動産(株)<2月3日>
⇒日本初となる高速道路 IC 直結「次世代基幹物流施設」開発計画が始動、完全自動運転トラックなど次世代モビリティ受け入れを視野に入れた中核物流拠点

東急不動産(株)は、近未来の新しい物流システムに対応した、高速道路ICに直結した次世代物流拠点の開発計画の検討を始動する。
物流業界では東西幹線輸送を中心とした深刻なトラックドライバー不足の解消や、配送効率の高い物流ネットワークの構築が社会課題となっており、これら課題の解決をめざした施策の一環である新しい物流システムとして、ダブル連結トラックの利用促進や、隊列走行トラックの社会実装に向けた実証実験等が進められている。本計画は物流拠点を高速道路ICに直結することで、これら新しい物流システムに対応した次世代物流拠点としての施設開発を目指すものとなっている。
開発拠点 第一弾の開発候補地である京都府城陽市東部丘陵地青谷先行整備地区は、京都府が策定した「新名神を活かす『高次人流・物流』構想」の中で、次世代型物流拠点として位置付けられており、新技術(IoT、AI)等を活用した高速道路への自動運転等の導入や、ロボット機器による物流施設内の自動化等の物流革命に対応した中核物流拠点として、広域幹線物流システムの整備をめざしたエリアとなっている。同社は当地区の開発事業者である城陽東部開発有限事業責任組合、伊藤忠商事(株)および隣地開発者である三菱地所(株)と連携するため、この開発計画への参画を検討。物流の高度化を促進し、より安全・快適で効率的な物流社会の実現に貢献できることを目指すという。
同社は、物流施設へ太陽光発電設備を設置することで入居するテナント企業、およびその荷主企業等向けに、 再エネ100%電力である「ReENE グリーンエネルギー」を供給し、今後、輸配送面で普及が期待される電 気自動車対応として、電気自動車用急速充電設備を敷地内に設置する。また、物流施設内共用部にポータブル蓄電池を設置し、非常時に地域住民へ開放することで災害時の BCP 対応にも備えるなど、環境先進物流施設の開発を進め、再生可能エネルギー普及にも寄与する方針。物流業界は、環境配慮だけでなく、労働人口の減少等の課題に加え、インターネット通販による多頻度小口配送の増加やリードタイムの短縮化が求められており、近年の物流プロセスの複雑化・高度化は目覚ましく進展している。同社では、このような変化に対応した物流施設・業務フローを構築するため、ローカル5G 環境整備による物流倉庫業務の自動化促進など、DX面での先進物流施設開発を目指すとともに、本施設のワーカーの職場環境改善についても検討を進めていくとしている。

■三菱地所(株)<2月3日>
⇒日本初となる高速道路 IC 直結「次世代基幹物流施設」開発計画が始動、完全自動運転トラックなど次世代モビリティ受け入れを視野に入れた中核物流拠点

三菱地所(株)は、京都府城陽市東部丘陵地青谷先行整備地区(A 街区)において、新しい物流システムに対応した、高速道路 ICに直結した「次世代基幹物流施設」の開発計画を始動する。
本計画は、同社が施行予定者として土地区画整理事業を実施するうえで、2025年に新築建物を着工し、2026年に竣工を迎える予定で、高速道路ICに直結した専用ランプウェイの整備を行う物流施設の開発は、本計画が日本で初めてだという。同社は、関東圏においても本計画同様の次世代のモビリティに対応した基幹物流施設の開発計画について検討を進めており、関東圏と関西圏の両方で基幹物流施設の整備を進め、三大都市圏を結ぶ物流ネットワークの自動化・省人化対応を推進するとしている。
EC市場の拡大等で物流の社会インフラとしての重要性が増す中、近年増加し続ける貨物輸送需要への対応や深刻なトラックドライバー不足が喫緊の社会課題に浮上。こうした課題解決の取組の一環として、物流ネットワークの安定性・効率性向上を目的に、行政等によって高速道路におけるダブル連結トラックの利用促進や隊列走行トラックの社会実装に向けた新しい物流システムの構築検討が進められてきている。本計画は、三大都市圏をつなぐ物流網である新名神高速道路の「宇治田原 IC(仮称)」より、基幹物流施設に直結した専用ランプウェイを設けることで、完全自動運転トラックや後続車無人隊列走行の受け入れが可能となっており、これら次世代のモビリティが高速道路から一般道に下りることなく利用できる物流施設が想定されている。また、現在実用化されているダブル連結トラックの受入も可能とした施設も計画しているという。
本計画地は、京都府の「新名神を活かす『高次人流・物流』構想」の中で、次世代型物流拠点として位置付けられており、同社では、本計画を通じて物流 IoT 等の最先端技術に対応した中核物流拠点として広域幹線物流システムの整備を担うことで、物流業界の人手不足や配送効率の高い物流ネットワークの構築に寄与していくとしている。

※「三菱地所 基幹物流施設開発計画」の概要
所在地:京都府城陽市東部丘陵地青谷先行整備地区
敷地面積:約11万9,000㎡(約3万6,000坪)
延床面積:約27万7,000㎡(約8万3,800坪)
用途:マルチテナント型物流施設
竣工:2026 年(予定)

※「高速道路IC~基幹物流施設直結型専用ランプウェイ整備計画」(注)の概要
区間:宇治田原IC料金所~三菱地所 基幹物流施設
総延長:約560m
事業主:三菱地所(株)、東急不動産(株)
竣工 2026 年(予定)
(注)専用ランプウェイの整備計画は東急不動産(株)との共同事業になる予定

■ESR(株)<2月7日>
⇒「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター1」が竣工、⾸都圏に止まらず全国広域への物流拠点として最適なロケーションに設置

ESR(株)は、神奈川県横浜市⾦沢区幸浦に敷地⾯積9万280㎡(2万7,310坪)・延床⾯積19万5,998㎡(5万8,990坪)の4階建てマルチテナント型物流施設「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター1」が1⽉31⽇に竣⼯したと発表した。
同施設は、同社全国 25 件⽬にして、神奈川県内では「レッドウッド⽣⻨ DC」、「ESR 川崎夜光 DC」、「ESR 茅ヶ崎 DC」に続く4 件⽬の竣⼯プロジェクト。全敷地約33万㎡(10万坪)の内、物流施設2棟を先⾏して開発しており、本施設の南側に建設中の「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター2」は 2023 年 1 ⽉ 31 ⽇竣⼯〔敷地⾯積:9万282㎡(2万7,310坪)、延床⾯積:19万5,000㎡(5万8,988坪)〕を予定している。
本施設は、東京湾に⾯し、⾸都⾼速道路湾岸線「幸浦IC」より2.4km、横浜横須賀道路「並⽊ IC」より2.5km、横浜港より15km、⽻⽥空港より30km、横浜中⼼部に近く、東京都⼼まで46km、と⽇本の物流・国際貿易・経済において重要なエリアに位置し、需要拡⼤中のEコマースや輸出⼊を伴う⼯業製品のニーズにも対応できる。国道357号線、16号線が⾄近で2025 年に開通予定の圏央道・横浜環状南線(⼾塚IC〜栄JCT〜釜利⾕JCT)により圏央道に直結し、東名⾼速道路のほか、主要幹線道路へのアクセスが格段に向上するため、⾸都圏だけでなく全国広域への物流拠点として最適なロケーションであるという。⾦沢シーサイドラインの「並⽊北駅」から700m(徒歩約 9分)と通勤にも便利。横浜市および近郊、京急本線・根岸線沿いにベットタウンがあるため、豊富な労働⼈⼝を背景とした⼈材確保にも有利な⽴地だ。
本施設は、45ft コンテナトレーラーも⾛⾏可能なダブルランプによる⼀⽅通⾏の中央⾞路・バース式によって各階へアクセスできる。荷物の積み下ろしのためのトラックバースは、1 階は北側・⾼床式と南側・低床式のハイブリッド仕様。2、3、4階は⾼床式とし、1階55台分、2~4階各50 台分、合計205台分を配置した。バースの奥⾏は14.5m を確保。ドックレベラーは北側1~4階・5基、南側2~4階・6基設置されている。1 階低床バースのシャッターは、ウィング⾞のオペレーションにも対応できるよう⾼さ 5.3m を確保し、敷地内に海上コンテナトレーラーに対応できる⼤型トレーラー待機場54台も完備している。
倉庫部分は有効⾯積を広く活⽤でき、より効率的な保管と作業を可能にする設計で、1階は2.0t/㎡、2~4階は1.5t/㎡の床荷重を確保し、全ての階で 2.5tのフォークリフトが⾛⾏可能。柱スパンは間⼝11m×奥⾏11.1m、最上階の4階は柱本数が少ないワイドスパンでより使い勝⼿の良い空間になっている。荷物⽤エレベーターは各階最⼤8基まで、垂直搬送機は各階最⼤12基まで設置可能で、高水準の縦搬送能⼒も備えている。特別⾼圧電⼒供給により、ロボティクス、冷蔵冷凍設備、⼈⽤空調、ハイスペックな物流システムの導⼊など多様なニーズに応えることができる。また、最⼩賃貸区画は約930坪、半フロア約6,500坪からワンフロア約1万3,000坪の中で豊富なプランの提案が可能。事務所は、⾞路を通⾏せずに外部から直接アクセスできるように南北のセンターに配置し、安全な⼈の導線を確保している。
免震構造の要となる上部躯体の⼤梁・⼩梁には、トルコ共和国で製造された「プレストレスト・コンクリート(PC)」部材を使⽤しており、本施設がトルコ製の PC 部材を採⽤した国内初の案件となっている。
同社は、基本理念である「HUMAN CENTRIC DESIGN.(⼈を中⼼に考えたデザイン)」に基づき、本施設で働くワーカーにとって快適で魅⼒的な環境づくり、コミュニティエリアの創出に⼒を注いでいる。特にアメニティエリアは「KLÜBB(クラブ)」というブランドで展開しており、施設毎に進化させ新たな取り組みを積極的に⾏っている。本施設では、施設利⽤者⽤の休憩ラウンジ「KLÜBB Lounge(クラブラウンジ)」を4階の南北2か所に計630㎡・300席設置している。両ラウンジ内に設置したショップ「KLÜBB shop(クラブショップ)」は24時間365⽇利⽤可能な夜間無⼈売店システムを導⼊する予定。両ラウンジの屋上には東京湾や横浜の眺望を堪能できるスカイデッキ「KLÜBB Sky Deck(クラブスカイデッキ)」も設置。1階には園庭と子どもの創造⼒を育む空間デザインの ESR の託児所「BARNKLÜBB(バーンクラブ)」を設けた。天井は⽬の前の森の池の反射や見る⾓度により表情が変わるデザインになっている。⼥性のための初のアメニティとして、個別ブース、ソファーと更⾐室を備えたパウダールームを館内数か所に配した。ドライバーが利⽤できる休憩室とシャワー室も完備。 敷地内には普通⾃動⾞483台(内、⾝障者⽤4台)、駐輪場200台も⽤意し、通勤の利便性もサポートするものとなっている。
同社は、国連の持続可能な開発⽬標(SDGs)や ESG を経営の核とし、2025 年までに達成すべき⽬標を明記した「ESG5か年ロードマップ」を公表するなど、持続可能な物流施設の開発に積極的に取り組んでいる。本施設でも全館LED照明、環境配慮型照明システムを採⽤。また、屋上に出⼒5MWの⾃家消費型太陽光発電システムも設置する予定。環境や省エネルギーに配慮した評価として、CASBEE Aランク3 、BELS最⾼位(5つ星)の認証も取得している。また、本施設敷地内に30年ほど前に植樹され、近年は放置され荒廃が進んでいた「⾦沢の森」の自然、⽣態を残すべきと考え、ランドスケープデザイナーを起⽤し、「森のリハビリテーション」をコンセプトに、⾃然環境が元来持つ⼒や機能を活かした森づくりに尽力し、⼤⼈も⼦供も楽しめ、動物や植物に触れあえる魅⼒ある空間に⽣まれ変わらせたという。花や実のなる樹⽊を植え、草刈り、間伐、池のかいぼりを行い、池の⽔は 循環装置を設置し常に新鮮な⽔を循環させた。ローラー滑り台やツリーハウス、巣箱やインセクトホテル、⽔際のウッドデッキなども新たに設置。森には、元来カルガモ、シジュウカラ、ウグイス等の⿃や、トビ、カブトムシやタヌキ、神奈川県で絶滅危惧Ⅱ類に指定されている「クゲヌマラン」など多種の⽣物が ⽣息しており、本物の⽣命の営みに五感で触れることができる。また、緑の路=「バイオスウェル」というグリーンインフラも活⽤。森や駐⾞場から流れ込んだ⾬⽔を地中にゆっくりと時間をかけて浸透させることで、⼟壌部分に⽔分を涵養させるほか、道路への浸⽔を防ぐものとした。ワーカー、託児所に通う子ども達に利⽤してもらうほか、週末等に地元住⺠に開放することも検討している。本施設でのこうした⽣物多様性を守る取り組みについては、ABINC6認証も取得している。
本施設は、ワーカーとテナント企業の資産を災害のリスクから守り、事業継続⼒を提供できる、安全性が高く、災害に強い施設とも評価されている。同社として初めて免震構造を採⽤し、地震発⽣時に揺れを最⼩限に抑え、建物の損傷を軽減させる効果が期待できる。受変電設備として、東⻄ランプ内に架台を設けキュービクルを設置し、給電停⽌リスクを軽減。また、⾮常⽤⾃家発電設備により、停電時でも⼀定時間、 防災センター機能、事務所の⼀部照明・コンセント、倉庫内の⼀部照明、給排⽔ポンプ、トイレ等が使⽤できる。湾岸の施設にとって重要な津波・⾼潮対策として、1階床はハザードマップの想定津波・⾼潮⾼を上回る倉庫床レベルを確保し、浸⽔被害リスクに備えた。また、施設運営・管理のスペシャリストである同社内のプロパティマネジメントチームの下、24時間365⽇の有⼈管理体制、⾮接触型カードリーダーとモニターフォンの最新システムの導⼊等のセキュリティ対策を構築し、⾮常事態にも迅速に対応するものとなっている。地域社会の安全・安⼼にも貢献できるよう、2021年12⽉21⽇に神奈川県と「災害時における広域物資輸送拠点の開設等に関する協 定書」を締結。本協定により、災害発⽣時に神奈川県の協⼒要請に基づき、同社は本施設内の倉庫、⾞路、バースや外構部分の使⽤可能なスペースを提供し、神奈川県に災害対策を円滑に実施するための広域物資輸送拠点として提供する予定だという。

※「ESR 横浜幸浦ディストリビューションセンター1」の概要
所在地:神奈川県横浜市⾦沢区幸浦1-8-1
敷地⾯積:9万280㎡(2万7,310坪)
延床⾯積:19万5,270㎡(5万9,069坪)
⽤途地域:⼯業地域
構造:地上 4 階建 PCaPC 造 免震構造

■福山通運(株)<2月8日>
⇒「大阪船場支店」を改築、新倉庫建設で保管・流通加工のロジスティクス機能を追加

福山通運(株)は、大阪船場支店を改築する。老朽した事務所及びターミナルを解体し、環境にやさしい最新設備の導入と物流業務の省力化を図るマテハン機器の充実による働きやすい環境づくりを推進するのが目的。同支店の新建屋は4 階建で、2023年8月に竣工する予定。同支店は大阪府の中心部を集配エリアとしており、新倉庫を建設により、従来の集配業務に加え、保管や流通加工などのロジスティクス機能を追加し、さらなる物流サービスの向上と多様化する顧客ニーズに対応していくとしている。

※「大阪船場支店」の主な概要
所在地:大阪市中央区南船場1-4-33
敷地面積:3,680.98 ㎡
延床面積:9,352.42 ㎡
その他:地上 4 階建、鉄骨造・太陽光発電設備有

■米国Hines社<2月9日>
⇒愛知県弥富市の物流施設と物流施設開発用地を取得、常温・低温物流を担う次世代物流センターとして展開する予定

グローバル不動産企業である米国Hines社は、愛知県弥富市にある「弥富ディストリビューションセンター」の取得と開発を発表しました。このプロジェクトはHines社にとって日本で初めての物流施設取得・開発案件であり、アジア太平洋地域での物流施設への投資は直近1年間で5件目。今回のプロジェクトでは、既存の2万5,000㎡の最新スペックの平屋建ての物流施設と、22万5,000㎡の4階建て物流施設を建設する開発用地の2棟を取得する予定。現在、新規開発の設計と許認可申請を進めており、2022年3月をめどに起工式を行う。
本施設は、日本国内最大の貨物取扱量を誇る名古屋港近くに位置し、常温と低温商品の両方の保管に携わる企業、ラストワンマイルの物流企業、および地域配送に携わる大手企業をターゲットとしている。新たに開発する建物は最大6.5mの天井高、2tを超える床荷重、レイアウトに関する豊富な選択肢を備え、ランプウェイによる全ての階へのトラック乗り入れにも対応する。この開発ではさらに3層に渡って次世代アメニティエリアも計画しており、屋内と屋外の飲食スペース、テナントのための休憩スペースとビジネスラウンジ、会議室、テナントのためのシャワー施設も整備する。この開発ではLEED Silver認証の取得を目指しており、施設内の再生可能発電設備と廃水の再利用設備のほか、施設全体での機械、電気、および配管システムでのエネルギー利用の最適化を進める。既存の平屋建ての物流施設は市場最高水準の10mの天井高と両面バースから積載することが可能であり、日本の物流市場では貴重な存在になるとしている。
本施設は、Hines社がこの4か月の間に日本で実行した2番目の投資で、2021年11月に行った、首都圏に位置するR&D機能を持たせたオフィスビルであるニューステージ横浜ビルへの投資に続くものとなっている。

■日本GLP(株)<2月9日>
⇒滋賀県湖南市で「GLP 栗東湖南」を着工、滋賀エリアに賃貸物流マーケットを創出

日本GLP(株)は、滋賀県湖南市で総延床面積が約4万2,000㎡の先進的物流施設「GLP 栗東湖南」の建設工事に着手した。総開発費は約77億円で、2023年3月竣工の予定。既に賃貸面積の約34%については、滋賀県に本社を構える企業と賃貸借契約を締結したとしている。
本施設は、最大6テナントが入居可能の4階建てで、小規模なスペースニーズにも対応するマルチテナント型物件。高度のマテハン機器をはじめとする倉庫自動化設備などが導入されており、効率的なオペレーションを実現する。内装には滋賀エリアの文化、伝統、自然をモチーフとして青色を基調としたデザインを館内の随所に取り入れ、館内で働く人の心身の健康に配慮した施設設計を目指すという。また、大型シーリングファンやパウダーコーナーを設置するなど働く人の快適性を追求し、雇用の安定化にも寄与する考えだ。
本施設は、名神高速道路「栗東湖南IC」から約4km、新名神高速道路「甲賀土山IC」から約28.1kmと滋賀県内だけではなく、京都・湖南エリア配送に適した立地で、名阪の中間地点の物流拠点として最適。JR琵琶湖線「草津駅」からは約12.6km、JR草津線「石部駅」からは約1.5kmと、通勤の利便性が高いことに加え、周辺には住宅地があり、将来的な人口増加も見込めることから、雇用確保の観点からも好立地であるとしている。
環境配慮面では、太陽光発電を設置して館内で自家消費する計画。補完としてグリーンエネルギーの購入を合わせることで、再生エネルギー100%達成を目標としている環境配慮型施設とする予定。BCP面では、地震対策として耐震性能の高いブレース材を採用し安全性を確保するほか、24時間稼働の非常用発電機の装備や浸水・液状化対策を講じることにより事業の継続性を確保する。
本施設の周辺には工場や物流関連企業が多く、工業集積地として製造業や3PL企業からの先進的物流施設への潜在需要が見込める。また、同社では、他ディベロッパーの進出も少ないことから、今後賃貸物流マーケットが大きく伸長していく地域と認識しており、長年培ってきた物流施設設計のノウハウや運用実績を発揮して、地域社会の成長への貢献を目指すとしている。
本施設は、GLPがグローバルな政府系投資機関および年金基金からの出資により、2018年12月に設立した物流不動産開発ファンド「GLPジャパン・ディベロップメント・パートナーズIII」による開発物件。日本GLPとしては、本施設を含め滋賀県下で合計3棟の物流施設を開発および運営している。

※「GLP 栗東湖南」の概要
所在地:滋賀県湖南市石部北5-1-1
敷地面積:約20,800㎡
延床面積:約42,000㎡
構 造:地上4階建て、鉄骨造/耐震造
着工:2022年2月
竣工:2023年3月(予定)
認証取得:CASBEE(新築)認証、ZEB Ready認証、BELS認証(予定)

■森永乳業(株)<2月9日>
⇒東京工場跡地の譲渡を決議、賃貸用物流施設の開発・運用の特定目的会社に

森永乳業(株)は、2022年2月9日開催の取締役会で同社所有の固定資産譲渡を決議したと発表した。
本決議は、譲渡先の資産運用会社の投資委員会において本譲渡が承認されることを前提に行ったもので、本譲渡は、経営資源の有効活用および資産効率の向上を図るのが目的。譲渡先は、当該資産運用会社が当該土地において賃貸用物流施設を開発・運用するために設立する特定目的会社だが、当該資産運用会社の要望を受け、森永乳業としては公表を控える。
なお、森永乳業では、当該固定資産の譲渡に伴う2022年3月期および2023年3月期業績への影響はないとしており、2024年3月期第1四半期決算において固定資産売却益として約650億円の特別利益が発生する見込みだとしている。

※譲渡の日程
取締役会決議日:2022年2月9日
契約締結日:2022年3月1日(予定)
引渡期日(注):2023年4月(予定)
(注)上記の引渡期日は、当該固定資産に係る信託受益権の譲渡の期日
※譲渡の内容
資産の内容:土地(東京工場跡地)6万6,798.00㎡
所在地:東京都葛飾区奥戸1-29-1
譲渡益(予定):650億円
現況:遊休

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