<2026年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■三井不動産(株)<1月15日>
自社初のマルチテナント型冷凍冷蔵倉庫「(仮称)三井ロジスティクスパーク杉戸」を着工/EC拡大と老朽化対応に照準、埼玉県杉戸町で2027年8月竣工目指す
三井不動産(株)は1月15日、埼玉県杉戸町で開発する「(仮称)三井不動産ロジスティクスパーク杉戸」(以下、MFLP杉戸)の建設に着手した。竣工は2027年8月の予定。同社が展開する物流施設ブランド「MFLP」シリーズで、マルチテナント型の冷凍冷蔵倉庫を手がけるのは今回が初めて。EC市場の拡大や冷凍食品需要の増加を背景に、品質維持と運用の柔軟性を両立した新たな物流拠点として開発を進める。
MFLP杉戸は、国道4号線・16号線に近接し、圏央道「幸手IC」および東北自動車道「岩槻IC」からそれぞれ約11kmに位置する。東京、埼玉、神奈川、千葉といった大消費地を含む首都圏全域への配送に適した立地で、広域物流の効率化を見込む。最寄り駅の東武伊勢崎線「北春日部駅」からは徒歩約24分、春日部コミュニティバス「小淵団地バス停」から徒歩7分と、従業員のアクセスにも配慮した。
同社は、国内物流施設の約48.3%が築40年を超える現状を踏まえ、老朽化対策や環境規制への対応を物流領域の重要課題と位置づける。サプライチェーン構造の変革を支援する“インダストリアルプラットフォーマー”として、冷凍冷蔵分野でも新たな価値創造を図る考えだ。
MFLP杉戸では、冷凍・冷蔵倉庫の最大の課題とされる温度管理の精度と運用の柔軟性を高めるため、全冷凍区画で−25℃~+5℃まで温度を可変設定できる仕様を採用した。区画ごとに異なる温度帯を設定でき、多様な商材を一括管理できる点が特徴だ。冷蔵区画と組み合わせることで、テナント企業は季節変動や取扱商品の変化に応じた運用が可能になる。
防熱性能の強化も図る。外部からの熱橋の影響を抑える外防熱方式に加え、倉庫内にはウレタン吹付による層間防熱を施し、温度変動を最小限に抑える。結露・凍結対策としては、1階に外気の侵入を防ぐ陽圧空調システムを導入。除湿器や送風機、フロアヒーターを要所に配置し、庫内環境の安定性を高めた。老朽化が進む既存倉庫との差別化を図り、品質信頼性を重視するテナントの需要に応える。
建物仕様は、配送効率と積載効率の最大化を重視した。1階には広い荷捌きスペース(冷蔵区画)を設け、冷凍区画も併設することで、入出荷前の一時保管に柔軟に対応する。敷地面積に対する保管能力を高めるため、ピロティ形式のトラックバースを採用した。区画構成は1階を2分割、2階・3階をそれぞれ1フロアで利用可能とする2層使いとし、垂直輸送機の停止階を最小限に抑えて輸送効率を高める。
環境負荷低減にも取り組む。冷凍冷蔵設備には自然冷媒(CO2)を採用し、改正オゾン法への対応を支援する。太陽光発電についてはPPA方式での導入を予定し、テナント企業のGX推進を後押しする。三井不動産グループが掲げる脱炭素社会実現に向けた行動計画「&EARTH for Nature」に基づき、環境性能の向上を図る。
三井不動産は、物流施設の高度化と環境対応を両立させることで、サプライチェーン全体の効率化と持続可能性の向上を目指す。MFLP杉戸は、冷凍冷蔵分野における同社の新たな取り組みとして、首都圏の物流インフラ強化に寄与する見通しだ。
※「MFLP杉戸」の施設概要
所在地:埼玉県北葛飾郡杉戸町大字本郷字東下772-1
敷地面積:約7,290㎡(約2,205坪)
延床面積:約1万2,805㎡(約3,873坪)
構造:鉄骨造、地上3階建て
用途:冷凍冷蔵倉庫
■SGリアルティ(株)<1月15日>
環境配慮型の都市型物流施設「SGリアルティ新砂」が竣工/関東の中継機能強化で佐川急便(株)などグループ3社が入居予定、太陽光発電や壁面緑化を導入
SGリアルティ(株)は、東京都江東区で開発を進めていた都市型物流施設「SGリアルティ新砂」が2025年12月15日に竣工したと発表した。同施設の開発は、関東エリアにおける中継機能の強化と輸送ネットワークの効率化が目的。佐川急便(株)の「(仮称)東京中継センター」が入居する予定で、2026年7月の稼働を見込む。(株)ワールドサプライやSDトランスライン(株)も入居予定で、SGホールディングスグループ(以下、SGHグループ)内での連携を高める重要拠点として位置づけられる。
同施設は首都高速湾岸線「新木場IC」から約3.3km、首都高速9号線「枝川IC」から約2.8kmに位置し、複数のICを利用できる輸送効率の高い立地が特徴だ。東京メトロ東西線「南砂町駅」から徒歩2分と、従業員の通勤利便性にも優れる。都市部における物流拠点として、交通アクセスと労働環境の双方を重視した配置となっている。
建物は鉄骨造・地上7階建てで、延床面積は約8万7,561万㎡(約2万6,487坪)、敷地面積は約3万3,457万㎡(約1万120坪)。大規模な車両待機場を備える点も特徴で、6階および屋上に大型車の駐車場201台分、1階と屋上に大型車の待機場40台分を確保した。中継センターへの配車を円滑にするとともに、周辺地域の交通環境への影響を抑える狙いがある。
環境配慮の取り組みも強化した。屋根面には自家消費型太陽光発電設備を設置し、再生可能エネルギーの活用を推進する。さらに、バルコニー(壁面)への太陽光パネル設置はSGリアルティとして初の試みで、年間約341MWhの発電量を見込む。これにより施設運営におけるエネルギー効率を高め、環境負荷の低減に寄与する。
施設内のインテリアには、SGHグループで森林保全に取り組む佐川林業(株)が四国に保有する「さがわの森」の天然木材を採用した。6階には仮眠スペースやテラス、天井に反射する光で空の広がりを感じられる休憩室を設置。2階には130席の社員食堂兼休憩室を開設予定で、利用者の快適性向上を図る。
地域との共生を意識した緑化計画も進めた。永代通り側エントランスには円形の壁面緑化を施し、明治通り側では外壁低層部の壁面緑化と歩道沿いの植栽を充実させた。多様な中高木を配置し、都市部でも自然を感じられる空間を形成。照明計画により夜間でも温かみのある景観を実現し、地域環境への貢献を目指す。
防災面では、停電時にも72時間施設全体を稼働できる非常用発電設備を備えた。さらに、有事の際に迅速にトイレ機能を確保できるマンホールトイレを整備し、緊急地震速報システムを導入するなど、事業継続性と安全性を高めている。
SGリアルティは「不動産で、物流を強くする。」をブランドメッセージに掲げ、物流不動産開発を推進してきた。2007年の設立以来、グループのCRE戦略を担い、物流施設の開発・管理に加え、再生可能エネルギー分野にも事業領域を拡大している。SGリアルティ新砂は、環境配慮と利便性を両立した都市型物流施設として、グループの物流基盤強化に寄与する見通しだ。
※「SGリアルティ新砂」の施設概要
所在地:東京都江東区新砂2-1-1
敷地面積:3万3,457.24㎡ (1万120.81坪)
延床面積:8万7,561.31㎡ (2万6,487.29坪)
構造・規模:鉄骨造・地上7階建て
■ヒューリック(株)<1月15日>
インドで稼働中の産業不動産2物件に投資参画/Hillhouseグループ傘下のLogicapと共同で実需アセットを開拓
ヒューリック(株)は、インドの主要産業都市であるプネおよびチェンナイで稼働中の産業不動産2物件(貸工場・物流倉庫)への投資に参画した。アジアトップクラスのプライベートエクイティファンド Hillhouseグループ傘下のLogicap Management Pte. Ltd. (以下、Logicap)との共同事業で、同社にとってインドの産業不動産への投資は初めてとなる。
ヒューリックは海外事業として、米国・アジアを中心に経済成長と人口増が見込まれる地域で、実需のあるアセットへの投資を進めてきた。今回の投資対象は、世界最大の人口規模と高い経済成長率を持つインドにおいて、特に需要が高い国内消費向けのグローバルテナントが入居する高稼働物件。貸工場および物流倉庫として安定した需要が見込まれる。
インド国内の産業不動産市場は、製造業の拡大や消費市場の成長を背景に、外資企業を含むテナント需要が高まっている。ヒューリックは、同分野で豊富な投資実績を持つLogicapと協働し、物件価値のさらなる向上に取り組む方針。海外事業の強化を中長期戦略の一つに掲げており、成長市場での実需アセット投資を継続する考えを示している。今回のインド案件は、その取り組みを具体化するものとなる。
※「ランジャンガオンPJ」の施設概要
所在地:マハラシュトラ州、プネ県、シルール郡、ランジャンガオン村、ランジャンガオン工業団地内
敷地面積:約42万3,369㎡
賃貸面積:約24万3,593㎡
構造・規模:RC造、メザニンフロア付平屋建て15棟
竣工:2015年~2022年(棟ごとに順次竣工)
※「スリシティPJ 」の施設概要
所在地:アーンドラ・プラデーシュ州、チットゥール県、スリシティ、キャノン・ロード、スリシティ工業団地内
敷地面積:約16万1,470㎡
賃貸面積:約8万9,100㎡
構造・規模:RC造、平屋建て4棟
竣工:フェーズ1=2021年、フェーズ2=2023年
■JR九州、吉田海運ロジソリューションズ(株)<1月15日>
福岡市東区で共同開発する物流施設「LOGI STATION福岡箱崎」を着工/「博多港」至近の好立地で冷凍冷蔵ニーズに対応 「LOGI STATION」シリーズとして7件目の開発
JR九州と吉田海運ロジソリューションズ(株)は、福岡市東区箱崎ふ頭で共同開発する物流施設「LOGI STATION福岡箱崎」の建設工事に着手した。同施設は「LOGI STATION」シリーズとして7件目の開発案件となる。
同施設の計画地は、「博多港」に面した箱崎ふ頭内に位置し、国際貨物の保管に適したエリアだ。福岡都市高速道路「貝塚IC」から約1.1kmと近接し、九州自動車道「福岡IC」を経由することで九州全域への広域輸送が可能となる。港湾アクセスと高速道路アクセスを兼ね備えた物流適地として、高い需要が見込まれる。
同施設は吉田海運ロジソリューションズ向けのオーダーメイド型冷凍冷蔵倉庫として企画され、近年増加する冷凍・冷蔵食品の保管ニーズに対応する。専用設備の導入により、一部自動倉庫化にも対応できる仕様とした。食品物流の高度化が進む中、保管効率と品質管理の両立を図る。
※「LOGI STATION福岡箱崎」の施設概要
所在地:福岡市東区箱崎ふ頭4-16-9
敷地面積:約9,502㎡(約2,874坪)
延床面積:約1万7,881万㎡(約5,409坪)
構造:鉄骨造、地上3階建
用途:冷凍冷蔵倉庫
竣工:2027年3月(予定)〔竣工後に設備工事を実施〕
開業:2027年11月(予定)
■長谷工総合開発(株)、長谷工コーポレーション(株)、京阪電鉄不動産(株)<1月16日>
神戸市中央区で共同開発を進めていた物流施設「ルネロジ神戸ポートアイランド」が竣工/延床1万4,726.56㎡のBOX型4階建て、自然冷媒採用で環境性能も強化
長谷工総合開発(株)、長谷工コーポレーション(株)、京阪電鉄不動産(株)の3社は、神戸市中央区で共同開発を進めていた物流施設「ルネロジ神戸ポートアイランド」が竣工したと発表した。同施設は長谷工総合開発が展開する物流施設の第6弾で、物流施設ブランド「ルネロジ」シリーズとしては初の開発案件となる。
同施設は耐震S造・地上4階建て(BOX型)で、延床面積は約1万4,726.56㎡(約4,454.79坪)。敷地面積は約7,031㎡(約2,126.88坪)。阪神高速神戸線「京橋IC」から約4.3km、ポートライナー「医療センター駅」から徒歩10分、「市民広場駅」から徒歩12分とアクセス性に優れ、神戸港や神戸空港にも近接する。
設備面では、保冷車両スタンバイ用電源コンセント(200V・400V)を計11カ所に設置し、冷凍・冷蔵車両の待機時にも安定した電力供給が可能。冷凍・冷蔵設備には自然冷媒を採用し、「CASBEE神戸Aランク」を取得した。全館LED照明を導入するなど環境配慮を徹底している。
非常用発電設備も備え、災害時には最大72時間の電力供給を維持できる体制を整えた。冷凍冷蔵倉庫としての機能性に加え、BCPにも配慮した仕様となっている。
※「ルネロジ神戸ポートアイランド」の施設概要
所在地:兵庫県神⼾市中央区港島南町3-5-5(地番)
構造・規模:耐震S造、地上4階建て、BOX型
敷地面積:約7,031.00㎡(約2,126.88坪)
延床面積:約1万4,726.56㎡(約4,454.79坪)
着工:2024年7月
竣工:2026年1月15日
■安田不動産(株)<1月19日>
シンガポールで安定稼働する大型産業施設「20 Tuas South Avenue 14」に事業参画/ESRグループ運営アセットの持分取得で海外事業は6件目、港湾拡張で需要増見込む
安田不動産(株)は、アジア・パシフィック地域で物流施設開発・運用を手がけるESRグループが運営するシンガポールの大型産業施設「20 Tuas South Avenue 14」の持分を取得し、事業に参画した。同社にとって海外事業は6件目で、昨年参画した「Sunview Logistics & Container Hub」と同様、シンガポールでの産業施設事業となる。
シンガポールは東南アジアの物流ハブとして機能し、政府主導による港湾開発「トゥアス・メガポート」が進む。2040年までに段階的に開港し、最終的にはコンテナ取扱量が現行の約2倍となる世界最大級の港を目指す計画だ。港湾能力の拡張に伴い、同国の物流施設需要は今後さらに高まる見通しとなっている。
今回参画したアセットは、「トゥアス港」に近接する大型物流施設と太陽光パネル製造工場で構成され、いずれも安定稼働中。敷地面積は約25万2,733㎡、延床面積は約25万1,190㎡と大規模で、物流施設は2022年、太陽光パネル製造工場は2009年に竣工している。
安田不動産は、アジア・パシフィック地域で産業施設事業の実績とネットワークを持つESRグループのプロジェクトに参画することで、海外不動産事業の知見拡充と持続的な事業機会の創出を図る方針だ。
※「20 Tuas South Avenue 14」の施設概要
所在地:シンガポール、20 トゥアス サウス アベニュー 14
敷地面積:約25万2,733㎡
延床面積:約25万1,190㎡
竣工:物流施設2022年、太陽光パネル製造工場2009年
■(株)ワールドサプライ<1月19日>
本社と中核拠点を江東区新砂へ移転/低温食品配送強化とSGHグループ拠点集積でサービス高度化、延床2万2,40万㎡の新拠点「東京営業所」が稼働開始
SGホールディングスグループ(以下、SGHグループ)で百貨店・大規模小売店向けの納品代行や館内物流を手がける(株)ワールドサプライは、本社および中核拠点「第1ABC」の機能を東京都江東区新砂に移転し、新拠点「東京営業所」として稼働させた。冷蔵・冷凍設備を新設し、デパ地下商材など低温食品配送の強化を図る。加えて、グループ各社の主要拠点が集積する新砂エリアに移ることで、グループシナジーを生かしたサービス高度化を目指す。
移転先はSGリアルティ(株)が東京・江東区新砂に開発した「SGリアルティ新砂」。賃借面積は2万2,405.08㎡で、5階に1万5,476.29㎡(うち倉庫部分1万1,354.85㎡)、6階に6,928.79㎡(うち倉庫部分6,818.99㎡)を確保した。トラックバース43台分、空調設備、ムービングラック、自動仕分け機、化粧品製造所、冷蔵・冷凍庫、EVトラック充電器などを備える。
東京営業所では、最新鋭の自動仕分け機を導入し、業務効率と品質維持を両立させた。佐川急便(株)の中継センターと同居することで拠点間輸送を削減し、環境負荷を抑えた高効率な輸送が可能となる。東京メトロ東西線「南砂町駅」から徒歩約2分と、従業員の通勤利便性も高い。
今回移転の背景には、低温食品配送の強化がある。ワールドサプライは百貨店向け納品サービスや豊洲市場からの共同配送で培ったノウハウを生かし、冷蔵・冷凍設備の新設により食品取り扱いを拡大する。これまで限定的だった食品分野の対応力を高め、百貨店や大型商業施設で扱うほぼすべての商材をカバーできる体制を整える。
新砂エリアにはSGHグループの主要拠点が集積しており、輸出入や国内遠方地域向け発送など、より高度な輸送サービスの提供が可能となる。佐川急便の中継センターや他のグループ拠点と近接することで、遠方や海外向けの個人・店舗配送におけるリードタイム短縮も期待される。11月に稼働した郊外型の谷田部センターと組み合わせ、商材特性や配送先に応じた柔軟な物流オペレーションを実現する。
納品サービス事業では、都心部へのアクセスの良さを維持しつつ、冷蔵・冷凍設備の導入により食品取り扱いを大幅に拡大する。車両集約による環境負荷低減や納品効率化にもつながる。さらに、自動仕分け機の大規模導入により、年間約3万500時間の作業時間削減を見込む。全国の百貨店向け中継センターとして、作業効率を高めることでサプライチェーン全体の効率化を図り、労働力不足が深刻化する中でも定刻納品の維持を目指す。
ワールドサプライは、流通ソリューションパートナーとしてグループの総合力を生かし、顧客の多様な課題に寄り添う姿勢を強調する。新拠点の稼働により、低温物流の強化とグループ連携の深化を通じて、持続可能なビジネス環境の構築に貢献する考えだ。
※「東京営業所」(第1ABCから改称)の施設概要
所在地:東京都江東区新砂2-1-1 SGリアルティ新砂
面積:2万2,405.08㎡(賃借部分)/5階 1万5,476.29㎡(うち倉庫部分1万1,354.85㎡)、6階 6,928.79㎡(うち倉庫部分6,818.99㎡)
主な設備:トラックバース43台分、空調設備、ムービングラック、自動仕分け機、化粧品製造所、冷蔵・冷凍庫、EVトラック充電器
■アスクル(株)<1月19日>
中国・江蘇省太倉市に物流拠点「ASKUL太倉センター」を開設/バイヤーズコンソリデーション導入で海外調達を効率化、オリジナル商品強化へ調達・物流プロセスを最適化
アスクル(株)は中国・江蘇省太倉市に新たな物流拠点「ASKUL太倉センター」を開設した。上海近郊に位置する同拠点を、複数サプライヤーの商品を集約して輸送するバイヤーズコンソリデーション(以下、バイコン)の拠点として活用する。海外調達の安定化と効率化を図り、オリジナル商品の強化に向けた物流基盤を整備する。
バイコンは、複数のサプライヤーから出荷される商品を指定拠点に集約し、物流センター別に仕立てたコンテナ単位で輸送する手法。グローバル調達において一般的に活用されており、輸送効率の向上やコスト削減につながる。アスクルは従来、商品やサプライヤーごとに個別輸入していたため、国内で倉庫間輸送が発生し、物流コストやオペレーション負荷が課題となっていた。ASKUL太倉センターの開設により、上海近郊のサプライヤーから出荷される商品を同センターに集約し、アスクルの国内物流センター向けにコンテナ単位で直接輸入する仕組みに転換する。これにより、日本国内での輸送を抑制し、物流コストの低減と輸送効率の向上を実現する。
アスクルは中期経営計画で、オリジナル商品を通じた価値提供の強化を重要戦略に位置づける。オリジナル商品は価格・機能性・デザインの面で差別化を図り、事業成長を支える柱と位置づけられている。そのためには商品企画や品質管理といった上流工程だけでなく、調達・物流を含む業務プロセス全体の最適化が不可欠で、今回の拠点開設をその具体策とする。
グローバル調達環境や物流コストが変動するなか、物流の集約や輸送プロセスの見直しは、コスト負担の抑制と輸送効率の向上を両立するうえで重要。新拠点は、こうした経営課題に対応する基盤として位置付けられ、段階的に運用を開始しながら安定的な運営を図る。
アスクルは、オリジナル商品強化に向けた調達・物流全体の最適化を進めることで、顧客への提供価値向上と事業成長の両立を目指す。ASKUL太倉センターの稼働は、グローバル調達体制の強化に向けた重要な一歩となる。
※「ASKUL太倉センター」の施設概要
所在地:中国・江蘇省太倉市
開設時期:2026年1月
主な役割:バイヤーズコンソリデーションの実施で、複数サプライヤーの商品を集約。物流センター別に仕立てたコンテナで日本向けに出荷する。
■東京建物(株)<1月19日>
「T-LOGI」シリーズで関東最大規模となる物流施設「T-LOGI相模原」が竣工/延床9万4,100㎡の5階建てスロープ型、環境性能はZEB認証取得予定
東京建物(株)は、神奈川県相模原市で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「T-LOGI相模原」が2025年12月に竣工したと発表した。地上5階建て、延床面積は約9万4,100㎡と「T-LOGI」シリーズでは関東最大規模となる。神奈川県内では「横浜青葉」「綾瀬」「寒川」に続く4件目の供給で、シリーズの中でも戦略的な位置付けとなる。
同施設は国道129号(厚相バイパス)に隣接し、圏央道「相模原愛川IC」から約2kmと高速道路アクセスに優れる。「神奈川県内陸工業団地」に近接し、首都圏全域への広域配送に適した立地だ。JR相模線「原当麻駅」から敷地前の「塩田原バス停」まで約10分、徒歩でも約18分と、雇用確保の面でも優位性がある。
建物は最大9テナントが入居可能な5層スロープ型。1階は倉庫床約4,240㎡(約1,280坪)から賃借でき、小区画かつ平屋利用が可能な仕様とした。1階入居テナントには専用の車両出入口とトラックヤードを設け、上層階と動線を分離した。上層階は2~4階、3~5階でメゾネット利用が可能な区画を用意し、柔軟なオペレーションに対応する。
縦搬送設備として、高スペックの荷物用エレベーター(定格積載荷重4t)と垂直搬送機(かご車・パレット兼用)を分割区画ごとに1基ずつ設置し、効率的な搬送を実現した。4階と5階には独立したラウンジ(共用休憩室)を設け、丹沢山地を望む環境で従業員が休息できる空間を整備した。シリーズで培ったノウハウを生かし、共用部アメニティも充実させている。
環境配慮の取り組みとして、屋上に太陽光パネルを設置し、発電した電力を施設内で自家消費する計画だ。余剰電力は同社所有施設へ送電し、再生可能エネルギーを最大限活用する。こうした取り組みにより、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の最高ランク「ZEB」認証および「CASBEE Aランク」の取得を予定している。
※「T-LOGI相模原」の施設概要
所在地:神奈川県相模原市中央区田名12004(地番)
敷地面積:3万8,712.26 ㎡(1万1,710.45坪)
延床面積:9万4,084.46 ㎡(2万8,460.54坪)
規模: 地上5階
形状 :5層スロープ型(1階平屋、2~4階・3~5階メゾネット)
構造:S造
耐震区分:新耐震
プラットフォーム:1~3階 高床式1.0m
梁下有効天井高:各階5.5m
柱スパン:10.1m(W)×9.6m(D)
床荷重:各階1.5t/㎡〔1.5tフォークまで使用可能〕
ドックレベラー:1~3階:各階7台
バース数:10t トラック 計122台
駐車場:普通車 計196台
トラック待機場:14台
竣工:2025年12月25日
■(株)タカラレーベン<1月21日>
物流施設ブランド「L.PORT」を始動/第1号物件「L.PORTみよし」が竣工、地域活性化と流動化事業の拡大を視野に物流施設開発を強化
MIRARTHホールディングス(株)傘下の(株)タカラレーベンは、新たな物流施設ブランド「L.PORT(エルポート)」を策定し、その第1号物件となる「L.PORTみよし」(愛知県みよし市)が2025年12月26日に竣工したと発表した。地域社会の「港」として物流ネットワークを支える拠点を目指し、今後は流動化事業への組み入れも視野に開発を進める。
「L.PORT」は、「LOGISTICS(物流)」と、同社グループの基幹ブランド「LEBEN(レーベン)」の頭文字に、港やゲートを意味する「PORT」を組み合わせた名称。物流拠点としての機能に加え、生活を支える物資が流通する“ゲート”としての役割を象徴するブランドと位置づける。MIRARTHホールディングスが掲げる長期ビジョン「地域社会のタカラであれ。」の実現に向け、地域活性化に寄与する物流施設開発を推進する。
第1号物件の「L.PORTみよし」は、東名高速道路「東名三好IC」から約4.8km、「豊田IC」から約7.4kmに位置し、三河エリアの製造業集積地と名古屋市内の双方にアクセスできる立地が特徴だ。鉄骨造・地上4階建てで、延床面積は約9,622.40㎡(約2,910.77坪)。1棟貸しの自由度の高い仕様とし、低床式プラットフォームを採用。12台分のバースを備え、周辺の物流会社や生産工場のニーズに対応する。
環境配慮として、屋上に太陽光パネルを設置し、発電した電力を施設内で利用することで環境負荷の低減を図る。耐震設計を採用し、荷役作業の安全性も確保した。
タカラレーベンは、不動産市況に左右されにくい「商品保管」需要に着目し、デイリー性の高い運用を想定した物流施設の開発を進めている。安定的な収益基盤の構築とグループシナジーの強化を図りつつ、物流インフラ整備を通じて地域経済の活性化に貢献する方針だ。
※「 L.PORTみよし」の施設概要
所在地:愛知県みよし市三好町半野木1-29
構造・規模:鉄骨造・地上4階
延床面積:2,910.77坪(9622.40㎡)
前面道路:北側10m・南側10m
プラットフォーム:低床式
床荷重:1階 2.0t/㎡、2階~4階 1.5t/㎡
梁下有効:各階 5.5m
バース:12台
エレベーター:貨物用 2基(積載3.5t)・乗用 1基(9人乗り600kg)
垂直搬送機:1基(最大荷重1.5t)
駐車場:32台
駐輪場:26台
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

