■物流施設 投資関連情報2025版<12.11~12.17>

  • URLをコピーしました!

<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>

■東京エレクトロン(株)<12月11日>
開発・製造子会社が岩手県奥州市で建設を進めていた「東北生産・物流センター」が竣工/設計施工担当の大和ハウス(株)が独自開発した免振装置を採用、将来的にマルチロボットによる自動倉庫実装も計画


東京エレクトロン(株)は、開発・製造子会社である東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ(株)が岩手県奥州市で建設を進めていた「東北生産・物流センター」が竣工したと発表した。
 同施設は、生産設備および物流倉庫を組み合わせたハイブリッド型物流センター。県内外に点在していた物流倉庫を集約し、生産効率化でリードタイム短縮を図るほか、人材供給力不足への対応、BCP対応といった生産・物流現場の課題を解決し、柔軟性、効率性、対応力の強化を図る。設計施工は大和ハウス工業(株)が担当。同社独自開発の免震装置「DKB弾性すべり免震支承」が採用されるなど、防災にも配慮された施設となっている。
 将来的には、マルチロボットによる自動倉庫を同施設に実装する計画。物流エリアから出庫された部材を無人搬送車で生産エリアへ搬送し、モジュール組立から検査・梱包までの一貫工程を効率化することで、動線の最適化とリードタイムの大幅短縮を実現する。省エネ機器導入によりエネルギー消費量削減も図り、倉庫を集約することでトラック移動距離の短縮を実現するとともに、CO2削減にも貢献する。

※東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ(株)「東北生産・物流センター」の施設概要
所在地:岩手県奥州市江刺岩谷堂字袖山いわやどうあざそでやま11番地1(江刺フロンティアパークⅡ内)
延床面積:約5万8,000m²
構造:鉄骨造、全免震構造
階数:地上4階
着工:2024年3月
稼働:2026年4月(予定)
建設費用:約240億円 
用途:熱処理成膜装置・枚葉成膜装置の製造、物流倉庫

■みずほリース(株)、エムエル・エステート(株)<12月12日>
名古屋市港区に開発された物流施設「LOGIFRONT名古屋みなとMalien」を取得/地上4階建てのBOX型、日鉄興和不動産との共同事業案件第1号として運用開始


 みずほリース(株)は、100%子会社のエムエル・エステート(株)(以下、MLE)が名古屋市内の新築物流施設を取得したと発表した。同施設は、日鉄興和不動産(株)とトヨタホーム(株)の共同事業として開発したもの。みずほリースは4月にMLEを通じて日鉄興和不動産の株式購入および資本業務提携を締結しており、日鉄興和不動産開発案件への取り組み実績の一つとして、同施設の参画した。MLEは今後、同施設の名称を「LOGIFRONT名古屋みなとMalien」とし、運用を開始する。
 同施設の位置する名古屋市港区当知は、中京工業地帯を形成する主要な工場集積エリア。名古屋第二環状自動車道「南陽IC」から約4.0km、名古屋高速道路「港明IC」から約4.2kmに位置する。名古屋中心部に近接し、市内配送に適する立地だ。製造業が盛んな豊田市周辺の西三河エリア、関東・関西への広域配送の中計地点としても利用可能。人口密度が高い名古屋市内に位置するため、周辺には大型商業施設や飲食店等もあり、周辺住宅地域からの雇用確保も見込める。
 同施設は地上4階建てのBOX型で、延床面積は6,500坪超。2分割で利用も可能な汎用の高い平面施設となっている。前面道路は40ftコンテナの運搬が可能。梁下有効高さ5.5mを確保し、作業性を高めた。1階トラックバースは大型トラックの複数同時接続可能。ドックレベラーも装備し、スムーズな荷物の搬出入が可能となっている。倉庫フロア内には荷物用エレベーターと垂直搬送機を各2基設置し、フォークリフト充電スペースも設けた。
 みずほリース、MLEと 日鉄興和不動産は同施設を共同事業案件第1号とし、今後もシナジーを生み出す協業の取り組みを推進する意向だ。

※「 LOGOFRONT名古屋みなとMalien」の施設概要
所在地:愛知県名古屋市港区当知2-1301
敷地面積:1万555.80㎡(3,193.13坪)
延床面積:2万1,533.29㎡(約6,513.82坪)
構造・規模:S造・地上4階、BOX型

■SGリアルティ(株)、三井不動産(株)<12月15日>
大阪市淀川区で大規模物流施設「SGリアルティ・MFLP大阪加島」を着工/大阪市内最大となる延床面積21万㎡超を計画、都市近接の大規模物流拠点開発で物流業界の課題解決に貢献


 SGリアルティ(株)と三井不動産(株)は12月1日、大阪市淀川区で物流施設「SGリアルティ・MFLP大阪加島」の建設に着手した。同施設は「MFLP・SGリアルティ福岡粕屋」に続く2件目の両社共同事業案件。両社は相互の実績とノウハウを最大限に活用しながら、2027年9月(予定)竣工に向けて開発プロジェクトを推進する。
同施設は延床面積21万㎡超、地上6階建ての大阪市内最大の物流施設。ワンフロアの倉庫・バース面積は約3万㎡となっており、MH機器導入による機械化にも適した大空間を実現する。
 同施設が位置する淀川区は人口・世帯数ともに大阪市内最大。同施設の周辺5km圏内の居住人口は約81万人で、雇用確保やラストマイル配送にも有利な立地だ。10km圏内には大阪梅田等の大阪中心エリアや、工場が集積する尼崎エリアがあり、阪神高速11号池田線「加島料金所」まで約2.2km、名神高速道路「尼崎IC」まで約4km、名神高速道路「豊中IC」まで約5.4kmと関西全域への配送に適する。JR東西線「加島駅」からは徒歩約4分で、従業員の通勤利便性にも優れる。
 同施設は、関西圏で希少な危険物倉庫を併設し、昨今ニーズが高まる、リチウムイオンバッテリーや化粧品、塗料、漂白剤、殺虫剤等の保管・配送に対応する。省人化に伴う倉庫内自動化や労働環境改善のための倉庫空調の設置にも対応するため、電気容量は入居区画面積あたり35VA/㎡を確保。テナント企業の運用に柔軟に対応できる倉庫環境も整備する。
 BCP面では、①地震発生時の被害を最小限に抑える、免震構造を採用、②防災センター内の設備や受電設備等の重要設備は、高潮発生時の浸水最大TP+4.45mを回避する高さに設置、③停電時のバックアップとして最大72時間対応の非常用発電機を設置するほか、災害時を想定した備蓄品倉庫を完備し、有事の際の入居テナントの事業継続をサポート、③大阪市が確保を進めている「津波避難ビル」への指定を予定し、地域の防災に貢献―の3項目に対応する。
 同施設では、年間の1次エネルギー消費を実質ゼロとする最高ランクの「ZEB」認証および、DBJ Green Building認証の認証最高位の取得、CASBEE大阪みらいの最高評価の取得が予定されている。屋上屋根に設置する太陽光発電設備からは最大約4MWの再生可能エネルギーの供給が可能。このほか屋内照明のLED化等、環境に配慮したさまざまな取り組みを進める。
 同施設の1階(約1万6,000㎡)にはSGホールディングスグループの佐川急便(株)に入居する予定。佐川急便は、同施設に大阪梅田を中心とするエリアをカバーする淀川営業所を移転する意向だ。

※「MFLP・SGリアルティ福岡粕屋」の施設概要
所在地:大阪府大阪市淀川区加島3-16-89
敷地面積:約9万4,302㎡(約2万8,526坪)
延床面積:約21万1,798㎡(約6万4,069坪)
規模・構造:地上6階建て・鉄骨造・免震構造
用途:倉庫(倉庫業を営む倉庫)
着工:2025年12月1日
竣工:2027年9月末(予定)

■(株)長谷工総合開発、(株)長谷工コーポレーション<12月15日>
千葉県市川市で開発を進めていた「市川市加藤新田冷凍冷蔵倉庫プロジェクト」が竣工/地上4階建て・延床面積約1万3,635㎡のBOX型、保税倉庫申請・動物検疫に対応できる冷凍冷蔵物流エリアに立地


 (株)長谷工総合開発と(株)長谷工コーポレーションは、千葉県市川市で開発を進めていた「市川市加藤新田冷凍冷蔵倉庫プロジェクト」が竣工したと発表した。
 同プロジェクトは、地上4階建て、延床面積約1万3,635㎡のBOX型冷凍冷蔵倉庫。首都高速湾岸線「千鳥町IC」から約1.4km、東京都心部までは約15kmの位置の距離にあり、保税倉庫申請と動物検疫の両検査が受けられる希少な冷凍冷蔵物流エリアに立地している。建物内部は、各階の床荷重を2.0t/㎡とし、2・3階の天井高を7.0m、4階の天井高を6.0mとし、荷物高積みを可能にしたほか、バース部分(荷役スペース)には、冷凍冷蔵コンテナ車専用電源や、トラックの荷台と倉庫床面との高さを調整するドックレベラーなど、作業効率化や安全性向上に資する設備が設置されている。主要設備であるキュービクルは2階に設置し、水害や液状化などの災害リスク対応を図った。環境面では、フロンガス排出量抑制の観点から自然冷媒を用いた空調設備を導入し、CASBEE認証も取得している。
 なお、長谷工総合開発は、同エリアで「市川市加藤新田ⅱプロジェクト」開発も予定しているとしている。

※「市川市加藤新田冷凍冷蔵倉庫プロジェクト」の概要
所在地:千葉県市川市加藤新田202-14(地番)
構造・規模:耐震S造、地上4階建て、BOX型
敷地面積:約6,672 ㎡(約 2,018 坪)
延床面積:約1万3,635 ㎡(約 4,125 坪)
着工時期:2024 年 3 月
竣工時期:2025 年 9 月
テナント:南日本運輸倉庫(株)

■クレド・アセットマネジメント(株)<12月17日>
大東建託(株)が初めて取り組む冷凍冷蔵倉庫開発事業を幅広く支援/CM業務およびプロジェクト全体のアドバイザリー業務を受託


 クレド・アセットマネジメント(株)は、大東建託(株)が千葉県内で進めている冷凍冷蔵倉庫開発事業に関し、コンストラクションマネジメント(CM)業務およびプロジェクト全体に関するアドバイザリー業務を受託したと発表した。
 同プロジェクトは、大東建託として初めての冷凍冷蔵対応型物流施設開発事業。クレド・アセットマネジメントは、用地の選定・仲介をはじめ、冷凍冷蔵倉庫の設計・施工段階における品質およびスケジュールの管理、さらにマーケット調査から賃料設定に関するコンサルティングまで、プロジェクト全体を通じて幅広く支援を行う。

※大東建託(株)・冷凍冷蔵倉庫開発事業の概要
所在地:千葉県千葉市若葉区
敷地面積:2万2,794㎡(6,895坪)
延床面積:7,938㎡(2,401坪)
構造:鉄骨造・地上2階建て
着工:2025年10月
竣工:2027年2月

■(株)アルプスウェイ<12月17日>
長野県松本市の松本広域公園総合球技場西側農地の開発事業者に選定/2029年稼働開始を目指して物流施設建設へ


 (株)アルプスウェイは、松本平広域公園総合球技場(サンプロ アルウィン)の西側農地約1万㎡を対象とする開発事業者に選定された。この農地は、松本市が地域未来投資促進法における重点促進区域に設定し、民間開発を促す産業用地開発候補地に定めた松本市神林地区・今井地区内にあるもの。同社は当該農地の立地優位性を活かし、物流施設を建設して2029年稼働開始を目指すとしている。今後は松本市ならびにステークホルダーとの協議を踏まえ、開発事業を進める。
 当該地域は長野県の中央部に位置し、首都圏・中京圏および県内各地域とのアクセスに優れる。中部縦貫自動車道整備により、岐阜県や北陸地域との交通利便性便向上も見込まれており、この物流施設開発が周辺エリアにおける物流課題解決につながると同社ではみている 。

■福山通運(株)<12月17日>
愛知県北名古屋市に「名古屋流通センター」を新設/中部エリアの需要拡大に対応、2026年1月13日から営業開始


 福山通運(株)は、愛知県北名古屋市に「名古屋流通センター」を新設し、2026年1月13日から営業を開始する。
 同施設は、名古屋第二環状自動車道「清州東IC」から約2.5kmに位置し、名古屋市中心部へのアクセスに優れる。隣接する名古屋主管支店との連携にも最適な立地だ。同施設の新設は、中部エリアの需要拡大への対応が目的。輸送品質および供給能力の一層の向上を図るほか、同エリア全体でより安定的かつ持続可能な物流サービスを提供することができる体制を構築する。 同施設には太陽光パネルを設置し、省エネルギー化と環境負荷の軽減に取り組み、持続可能な物流基盤の構築を推進する。

※「名古屋流通センター」の施設概要
所在地:愛知県北名古屋市石橋白目20
営業エリア:北名古屋市、岩倉市、西春日井郡豊山町
敷地面積:1万3,595.85㎡
延床面積:2万1,585.43㎡
構造:地上3階建て、鉄骨造、太陽光設備有

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

目次