
東邦ホールディングス(株)は、東海エリアにおける医療用医薬品等の高機能な物流拠点として、愛知県小牧市に「TBC東海」を構築するほか、東北エリアにも物流拠点を新設すると発表した。
○物流センター新設の背景と目的
同社グループは、昨今の創薬モダリティの多様化と医薬品の需要増加に持続的に対応し、物流ネットワークをさらなる強靭化を図るため、今回、TBC東海の新設を決定した。既存の「TBCダイナベース」および「TBC阪神」と連携し、供給エリアと供給量の再編を図ることで、東名阪の3大都市圏における医薬品の迅速かつ安定的な供給体制をより盤石なものとする方針。同時に、営業所を含めた物流網の最適化により営業所の在庫や配送業務等の負担を大幅に軽減するほか、商物分離をさらに進め、営業担当者がより医療現場での情報提供に注力できる環境を整える。TBC東海の稼働は営業と物流の抜本的な改革を達成するもので、医薬品卸売事業の競争優位性の確立に直結するものと同社ではしている。
東北地方にも物流拠点の新設を構想しており、全国の主要都市圏に物流拠点を配置することで、より強靭な医薬品供給体制を構築する。
○ 「TBC 東海」の特徴
① 徹底した省人化とハイスペックな処理能力を両立させた次世代型物流センター
長年の自動化技術のノウハウを結集し、柔軟性・拡張性・冗長性の高い XY シャトルシステムを自動倉庫に導入。コンベヤ設備を大幅に削減した自動搬送ロボットによる柔軟なシステムを構築することで、出荷処理能力と生産性を飛躍的に向上させる。また、高い出荷精度と完全得意先別パッキングの荷姿とすることで配送担当者の付帯業務を低減し、配送の最適化を実現する。
②メーカー物流倉庫と卸物流倉庫を併設した複合型物流センター
メーカーと卸間の輸送プロセス省略による輸送コストと時間の大幅削減およびサプライチェーン全体の在庫適正化に加え、再生医療等製品などのスペシャリティ医薬品の移動時の品質リスクを解消する効率的で安心・安全な供給を実現する。
③BCP
現在建設中の基幹的広域防災拠点に隣接した立地を活かして、自治体や自衛隊との連携を視野に災害時の医薬品供給体制への寄与を目指す。また、全国の物流センター間でのシステム連携により、システムダウン時に即座にバックアップ機能が作動する冗長性の高い物流ネットワークを構築する。
④サステナビリティ経営への取り組み
自家消費型太陽光発電やEV車両・EV充電スタンドの導入、およびEMS・省エネ制御機能を備えた総合監視盤による空調・照明の一元制御により、設備全体の省エネを推進する。さらに、自動倉庫への回生コンバータの採用や、自動搬送ロボットといったバッテリー式搬送機の導入により、駆動時の電力消費を大幅に削減する。
○東北における物流拠点の新設
今後の医薬品等の取扱高伸長への対応や、現在取り組みを推進している営業、物流体制の質的向上・強化による生産性向上のため、東北に新たな物流拠点を新設する。
※「TBC東海」の施設概要
所在地:愛知県小牧市多気中町391-1
延床面積:7,840坪(2万5,875㎡)
設備投資額:総額約50億円(概算)
竣工時期:2027年2月
稼働時期:2027年度内
取扱品目数:25,000品目
取扱品目:医療用医薬品、検査薬、医療機器、再生医療等製品、医療材料等
カバーエリア:愛知、静岡、岐阜、滋賀、三重、長野
※「東北物流センター」の施設概要
所在地:宮城県仙台市
主な機能:医薬品の保管、配送拠点
着工時期:2026年内予定

