■物流施設 投資関連情報2025版<9.4~9.10>

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<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>

■パナソニック オペレーショナルエクセレンス(株)<9月4日>
京都府京田辺市にパナソニックグループ世界最大の物流拠点「国内物流オペレーションズセンター」を開設/関西地域の9つの物流倉庫統合で物流の効率化・生産性向上目指す


 パナソニック オペレーショナルエクセレンス(株)は、京都府京田辺市に新たな物流拠点「国内物流オペレーションズセンター関西第一拠点」を設け、9月に本格稼働させた。同拠点はパナソニックグループにとって世界最大規模の物流ハブ。関西地域に分散していた9つの物流倉庫を統合し、配送ルートの削減、倉庫内業務の標準化、そしてデジタル技術の活用を通じて、物流の効率性と生産性の向上を目指す。
 新拠点開設は、グループが推進する事業変革「Panasonic Transformation(PX)」の一環。顧客やパートナー企業と連携して配送ルートを10%削減したほか、倉庫集約による保管商材増加については移動棚の活用によりスペースを有効利用し、保管効率を27%向上させるなど、物流業務プロセスの刷新も進めている。また複数商材の庫内業務プロセスの標準化やPDAによるペーパーレスオペレーションの導入などで業務生産性を26%改善し、グループ全体の競争力強化に寄与する。
 4月施行の物効法に準拠し、工場や倉庫拠点ごとに運用していたパレットのグループ標準化、輸配送の可視化、働きやすい環境整備なども推進。これら取り組みにより物流業界が抱える人手不足の解消やCO2排出量の抑制など、社会課題解決にも貢献する。

※「国内物流オペレーションズセンター 関西第一拠点」の施設概要
所在地:京都府京田辺市大住藤ノ木100番地
倉庫面積:11万1,688㎡(3万3,775坪)
保管物量:照明、管球などランプ商材、ドアホンなど120万才(3万3,400㎥)~
家庭用エアコン、ヒートポンプ式給湯機など100万才(2万7,800㎥)~
取扱品番数:1万2,000品番~
自動化設備:移動棚(設置済み)、自動倉庫(26年度設置予定)

■大和ハウス工業(株) <9月5日>
米国・テキサス州ヒューストンの大規模物流施設「Blue Ridge Commerce Center」が竣工/米国での大規模物流施設開発は同社初、広域交通網要衝の立地で多様なテナント需要に対応


 大和ハウス工業(株)は、米国現地法人ダイワハウステキサスを通じ、米大手不動産デベロッパーのトラメルクローカンパニーと共同で開発を進めていた大規模物流施設「Blue Ridge Commerce Center(ブルーリッジコマースセンター)」が竣工し、9月2日に竣工式を実施したと発表した。
 同施設は米国で大和ハウス工業が開発を手掛けた初めての大規模物流施設で、米国最大の港湾都市であり、全米有数の物流拠点であるテキサス州ヒューストン市南部に立地する。ヒューストン中心部から約34kmと、主要な陸海空の交通網へのアクセスに優れており、物流施設として極めて高い利便性を誇る。約37万㎡の広大な敷地には、平屋建て物流施設5棟が建設されており、総延床面積は約12.5万㎡に及ぶ。
 同施設は複数テナントが入居できるマルチテナント型で、各区画に事務所を併設することができる。トラックへの積み下ろしを効率化する両面トラックバースも装備。物流機能だけでなく、ショールームや店舗としても利用可能な柔軟な構造も特徴的だ。敷地内には1,023台分の駐車場も確保しており、ヘルスケアやエネルギー、EC、食品、消費財など幅広い分野のテナント企業入居が想定されている。
 同施設全5棟で国際的な建築物環境性能評価システム「LEED」の「Certified」認証を取得する予定。うち1棟には、発電した電力を施設内で利用する自家消費型の太陽光発電設備を設置し、環境負荷低減にも貢献する。
 大和ハウス工業は、これまで米国で工業化住宅の販売や賃貸住宅の建設・管理などを手掛けてきた。今後は物流施設開発を足がかりに米国はもちろんASEANでも事業の多角化をさらに加速させる方針。世界的な物流需要の高まりを背景に、同社は日本国内で培ってきた事業施設開発のノウハウを海外にも展開し、グローバル市場での存在感を高める。

※「Blue Ridge Commerce Center」の施設概要
所在地:Northwest corner of McHard Rd and Fort Bend Parkway, Houston, Fort Bend County, Texas
敷地面積:37万1,259㎡
総延床・総賃貸面積:12万5,471㎡(計5棟)
5棟それぞれの延床面積・賃貸面積/区画数(最大)/ バース位置/高さ
→ビルディング1:2万3,875㎡ /3/ 両面 /10.97m
→ビルディング2:1万4,643㎡ /2 /片面 /9.75m
→ビルディング3:1万4,299㎡ /4 /片面 /8.53m
→ビルディング4:3万2,613㎡ /2/ 両面/ 10.97m
→ビルディング5:4万41㎡/1 /両面 /10.97m
構造・階数:鉄筋コンクリート造一部鉄骨造、平屋建て
建物用途:マルチテナント型物流施設
着工:2024年8月12日(米国時間)
竣工:2025年8月25日(米国時間)
事業費:非公表

■丸全昭和運輸(株)<9月8日>
茨城県那珂郡東海村の「常陸那珂倉庫」増設に着手/定温倉庫2棟・空調倉庫・一般倉庫2棟の5棟構成で鉄骨平屋建て


 丸全昭和運輸(株)は、茨城県那珂郡東海村の「常陸那珂倉庫」に新倉庫を増設する。新倉庫は定温倉庫2棟、空調倉庫、一般倉庫2棟といった構成で、いずれも鉄骨平屋建て。建設予定地は北関東自動車道「常陸那珂IC」から5分とアクセスにも優れる。

※「常陸那珂倉庫」の新倉庫の施設概要
建設予定地:茨城県那珂郡東海村照沼字768-44
延床面積
→定温倉庫:992㎡(300坪)×2倉
→空調倉庫:992㎡(300坪)
→一般倉庫:1,322㎡(400坪)
→一般倉庫:662㎡(200坪)
構造:鉄骨造平屋建て
有効階高:6m
床荷重:3t/㎡〜10t/㎡
設備
→定温倉庫(300坪)×2倉:15℃以下
→空調倉庫(300坪):10℃~20℃設定
→一般倉庫(400坪):15t天井クレーン装備
→一般倉庫(200坪):常温
※仕様変更の可能性あり

■プロロジス<9月9日>
岩手県北上市金ヶ崎でBTS型物流施設「プロロジスパーク北上金ヶ崎2」開発に着手 /2024年問題への対応で東北広域への配送中継拠点としての役割も見込む


 プロロジスは、岩手県北上市金ケ崎町でBTS型物流施設「プロロジスパーク北上金ケ崎2」の開発に着手する。
新施設は、東北自動車道「北上金ケ崎IC」に隣接する約4万3,300㎡(約1万3,100坪)の敷地に建設される予定で、設計は入居企業の要望に応じて柔軟に対応する。施設は地上1階もしくは2階建てとなる予定で、計画延床面積は最大約4万1,500㎡(約1万2,500坪)に達する。
 開発予定地は秋田自動車道と交差する「北上JCT」に近接し、盛岡・仙台・秋田など東北主要都市へ1~2時間でアクセス可能。東北新幹線「北上駅」から車で約15分、東北本線「金ケ崎駅」からは約10分と、雇用面でも優位性がある。周辺10km圏内には半導体・日用品・自動車メーカーなどが集積する工業団地が広がり、サプライヤーの門前倉庫としての需要も見込まれる。
 プロロジスは、同施設を「2024年問題」への対応策として位置づける。トラックドライバーの時間外労働規制強化に伴い、東北広域への配送中継拠点としての役割も見込む。隣接するマルチテナント型施設「プロロジスパーク北上金ケ崎」は2026年1月竣工前に賃貸面積約75%での入居が決定しており、同地域への関心の高まりがうかがえる状況だ。
 プロロジスパーク北上金ケ崎2の施設設計では敷地内にHAZMAT(危険物倉庫)併設も可能。化粧品やアルコール類など保管需要の高い品目にも対応できる。施設面では重量物対応の床仕様や低床バースを採用したほか、天井クレーンも設置。空調設備やMH機器・ロボットなどの導入など、省人化・効率化に向けた設備に対応した設計にも応じる。外構には専用待機場や洗車場なども設置可能で、入居企業のニーズに応じたカスタマイズが可能となっている。
 防災・BCP対策として緊急地震速報システムや災害用無線機「ハザードトーク」の導入も計画。環境負荷低減への取り組みとして、屋根面への太陽光発電設備の設置も検討されている。 

※「プロロジスパーク北上金ケ崎2」の施設計画
開発地:岩手県金ヶ崎町
構造:地上1~2階建て(予定)
計画敷地面積:約4万3,300㎡(約1万3,100坪)
計画延床面積:2棟設計された場合 最大約4万1,500㎡(約1万2,500坪)
着工:未定
竣工予定:未定

■関電不動産開発(株)<9月9日>
京都市伏見区向島で延床面積5万㎡超の物流施設開発事業に着手/ 住友商事(株)・SMFLみらいパートナーズ(株)と共同出資、環境配慮型の大型拠点に仕上げる


 関電不動産開発(株)は、住友商事(株)、SMFLみらいパートナーズ(株)と共同出資により京都市伏見区向島で延床面積約5万2,000㎡の大型物流施設「(仮称)KRD-Logistics 京都向島」の開発に着手した。事業主体は関電アセットマネジメント(株)が設立した京都向島開発特定目的会社で、12月に着工し2027年夏に竣工する予定だ。
 同施設は国道1号線や第二京阪道路に近接し、京滋バイパス「久御山IC」から約1.8km、第二京阪道路「巨椋池IC」から約0.8kmに位置する。京都・大阪の都市圏へのアクセスに加え、東日本・中部・西日本への広域配送拠点としても高い利便性を有する。所在地は京都市伏見区向島上五反畑4番他で、敷地面積は約2万4,000㎡。鉄骨造地上4階建てのマルチテナント型物流施設とし、1階と2階にバースを設け、2階にはスロープにより直接アクセスできる設計とする。
 施設内にはカフェラウンジを設置し、施設内ワーカーの職場環境にも配慮。環境性能面では、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)において最高ランクの6☆取得を目指すほか、ZEB Ready認証の取得も計画している。屋根面には約1,400kWの太陽光発電設備を設置予定で、環境負荷低減に向けた取り組みを強化する。
 同開発事業地は、京都府京都市が策定する「第2期京都府京都市地域未来投資促進基本計画」に基づく重点促進区域に指定されており、地域経済の活性化と雇用創出を目的に、地域未来投資促進法を活用した開発を進める。
 同開発事業は関電不動産開発の物流ブランド「KRD-Logistics」における京都府内で初めての案件。施工は日本国土開発(株)が担当し、設計も同社が手がける。施設の主要用途は倉庫業を営む企業向けの賃貸倉庫で、完成後は複数テナントの入居を想定。環境配慮型施設としての価値を高めつつ、地域との共生を図る物流拠点としての役割を果たす。

※「(仮称)KRDLogistics京都向島」の施設概要
所在地:京都府京都市伏見区向島上五反田4番他
敷地面積:約2万4,000㎡
延床面積:約5万2,000㎡
構造規模:鉄骨造 地上4階建て
主要用途:倉庫(倉庫業を営む倉庫)
着工:2025年12月(予定)
竣工:2027年夏(予定)

■日本通運(株)<9月9日>

和歌山市西浜に新物流拠点「NX和歌山西浜ロジスティクスセンター」を開設/地域産業の高度化・多様化に対応、延床7,800㎡の専用施設で持続可能な物流サービスを提供

 日本通運(株)は和歌山県和歌山市西浜に新たな物流拠点「NX和歌山西浜ロジスティクスセンター」を開設し、稼働させた。同施設はNX グループのNIPPON EXPRESSホールディングス(株)主導のもと、地域産業の発展と事業拡大への貢献を目的として整備された。

 新センターが立地する西浜エリアは、化学産業や製造業が集積する地域。近年は物流需要の高まりとともに、慢性的な倉庫不足や既存施設の老朽化が課題となっていた。NXグループはこうした状況を踏まえ、顧客の多様化・高度化するニーズに対応し、効率的で持続可能な物流サービスの提供を目指し同施設開設に踏み切ったものだ。

 同施設は阪和自動車道「和歌山IC」から約8kmに位置し、市内中心部へのアクセスにも優れた交通至便な立地にある。製造業の集積地にも近接しており、門前倉庫として顧客の生産計画と連動したジャストインタイム納品など、柔軟な物流対応が可能となっている。

 同施設の構造は鉄骨造2階建てで、延床面積は7,818.09㎡。今後は太陽光パネルの設置や省エネ型空調設備の導入を予定しており、環境負荷の低減にも取り組む。持続可能な物流インフラの構築を目指し、地域社会との共生を図る。

※「NX和歌山西浜ロジスティクスセンター」の施設概要

所在地:和歌山県和歌山市西浜796-1

延床面積:7,818.09㎡

構造:鉄骨造2階建て

営業開始日:2025年9月1日

■(株)CREOK<9月10日>
TikTok Shop特化型ライブコマース拠点「CREOK LAB」を都市型物流施設「プロロジスアーバン東京錦糸町1」内に開設 / 国内初となる最大級の専用施設が始動


 (株)CREOKはTikTok Shopに特化した国内初となる最大級のライブコマース専用拠点「CREOK LAB(クレオクラボ)」を都市型物流施設「プロロジスアーバン東京錦糸町1」内に開設した。
 CREOK LABの施設面積は約980㎡で、15ブースのライブ配信スタジオを完備している。照明・音響設備を備えた専用スタジオに加え、ブランドの世界観を再現可能な個別ブース、レンタルスタジオ、プロモーションスペースなど多目的な機能を有する。今後は需要に応じ配信スタジオを20ブースまで拡張する予定だ。
 同施設は、TikTok Shopにおけるライブコマースの支援が目的。ブランドやクリエイター、パートナー企業に向けた新たな基盤を提供する。スタジオ貸出、ライブ配信、キャスティング、運用代行、広告枠提供、成果報酬型プランなど、ワンストップでの支援体制を整備。将来的には物流機能も内包し、配信から発送までを一貫して提供する体制への発展を見込んでいる。
 TikTok Shopは2025年6月30日に日本国内でサービスを開始。わずか2か月で市場は急成長を遂げており、グローバルでもトップ水準の成長率を示している。CREOKが運営するアパレルアカウントでは、8月のGMV(流通総額)が2,500万円に達し、日商でもすでに120万円を突破。CREOKによれば、TikTok Shopプラットフォーム全体での8月の月間GMVは13.5億円に達しており、成長率を維持すれば年内に1,100億円規模に達する可能性もあるという。
 CREOK LABは、単発のプロモーションに留まらず、ブランドとクリエイターが共に発展するエコシステムの構築を目指す。中長期的なパートナーシップを前提に、持続可能な支援体制を整え、新しい消費トレンドや市場の開拓に挑戦する方針だ。

■SBSゼンツウ(株)<9月10日>
大阪市西淀川区に西日本初の拠点「SBSゼンツウ西淀川センター」を開設/ 冷蔵・冷凍対応の専用センターで関西・北陸・中四国エリアをカバー、環境配慮型設備も導入


 SBSゼンツウ(株)は大阪府大阪市西淀川区に同社初の西日本拠点となる「SBSゼンツウ西淀川センター」を開設した。
 新センターは、日本生活協同組合連合会の物流子会社(株)シーエックスカーゴ向けの専用施設として稼働。関西・北陸・中四国エリアを対象としたDC機能を担う。施設は冷蔵・冷凍の2温度帯に特化し、最新設備を導入することで効率化を図るとともに、物流課題の解消と高品質な庫内運営の実現を目指す。
 建物は地上4階建ての耐火構造S造で、敷地面積2,754.82㎡、延床面積5,601.52㎡となっている。冷蔵エリアは2,456.17㎡、冷凍エリアは2,363.64㎡で、その他が781.8㎡といった構成。温度帯は冷蔵・冷凍の2区分でノンフロン仕様の冷媒設備を採用しており、庫内照明にはLEDを導入し、環境負荷の低減にも配慮している。施設面の特徴としては効率的な荷捌きを実現する両面バースのほか、ドックシェルターの設置、24基のターンテーブル、2t対応の耐荷重床、梁下有効高6mの空間設計などが挙げられる。
 SBSゼンツウはSDGs達成に向けた取り組みを積極的に推進しており、新センターもその一環となる環境配慮型施設と位置づけられている。今後はSBSグループの一員として、安心・安全で高品質な食品物流サービスの提供を通じ、地域社会と持続可能な物流インフラの構築を目指す。

※「SBSゼンツウ西淀川センター」の施設概要
所在地:大阪府大阪市西淀川区
構造:地上4階建て S造・耐火構造
敷地面積:2,754.82坪
延床面積:5,601.52坪(冷蔵2,456.17坪、冷凍2,363.64坪、他 781.8坪 )
温度帯:2温度帯 (冷凍/冷蔵)
特徴:ノンフロン冷媒、両面バース、ドックシェルター24基、耐荷重2t、梁下有効高6m

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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