<2025年以降に建設・竣工・稼働する物流施設ならびに注目工場の投資情報>
■ダイナミックマッププラットフォーム(株)<4月10日>
物流センター内におけるレベル4自動運転トラックの運用実現で三井不動産(株)とMOUを締結/物流センター内の「高精度3次元地図データ」と物流自動化に必要な各種情報を連携させた「ダイナミックマップ」の整備など情報連携システム構築を推進、2025年度中に実証実験実施の予定
ダイナミックマッププラットフォーム(株)は、物流センター内におけるレベル4自動運転(場所・天候・速度等の特定条件下で自動運転システムがすべての運転操作を行う)トラックの運用実現で三井不動産(株)とMOU(基本合意書)を締結した。
物流業界ではトラックドライバー不足への対応として自動運転トラック導入の動きが進展している。高速道路における自動運転トラックの走行実証は政府主導で実施されているが、物流の完全自動化実現には物流結節点となる大規模物流センター内での自動運転トラックの運用が必要であり、両社は今回、その検討を進めることで合意したものだ。
両社は今後、レベル4自動運転トラック活用による物流センター内自動化を目的としたサービスの検討および実装を目指す。ダイナミックマッププラットフォームは、レベル4自動運転トラックが物流センター内で走行可能となるための「高精度3次元地図データ(HDマップ)」を定義し、物流自動化に必要な情報を連携させた「ダイナミックマップ」を整備する。また、自動運転トラックと物流センターの運用管理システムの持つ情報をリアルタイムに連携させる「ダイナミックマップ情報連携システム」を構築する。これにより、物流センター内に到着したレベル4自動運転トラックが指定されたバースへ向かうための情報提供や、センター内事業者とのシステム連携等を実現し、物流自動化の実現に寄与する。なお、2025年度中には物流センター内での実証実験実施を予定しているという。
■三井不動産ロジスティクスパーク投資法人<4月10日>
資産運用委託先の三井不動産ロジスティクスリートマネジメント(株)が埼玉県吉川市の物流施設「アイミッションズパーク吉川美南」を5月30日付で取得/取得予定価格は約30 億円、ポートフォリオの充実が目的
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人は、資産運用委託先の三井不動産ロジスティクスリートマネジメント(株)が埼玉県吉川市の物流施設「アイミッションズパーク吉川美南」を5月30日付で取得するとともに貸借を行うと発表した。同施設を信託財産とする信託受益権の準共有持分50%を取得しており、同施設取得時には伊藤忠都市開発(株)との間で締結している受益権準共有者間協定書が解消される予定。取得予定価格は30億1,900万円となっている。
同施設は、同投資法人のスポンサーである伊藤忠グループにより開発された。今回の同施設の取得ならびに貸借は、同投資法人の規約に定める資産運用の対象および方針に基づきポートフォリオの充実を図るために実施する。現在は物流企業1社が利用している状況だという。
同施設は吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業の工業地域に位置しており、近隣には工場や物流施設が集積している。東京外環自動車道「三郷西IC」から約 6km にあり、常磐自動車道「三郷 JCT」も 利用できるため、「柏IC」 から国道 16 号線にアクセス可能。東京外環自動車道経由で北関東 3 県にも容易にアクセスできるほか、関東全域への広域配送にも対応することができる。JR 武蔵野線「吉川美南駅」徒歩圏内のため、隣接する三郷・流山・野田・越谷・松伏等、広域(約 87 万人)からの雇用も見込める。
建屋は3階建てで、延床面積は1万7,852.85 ㎡(登記簿)。有効天井高は5.5m以上で、柱間隔は10m以上、床耐荷重は1.5t/㎡以上で、倉庫内搬送設備としては荷物用エレベーター2 基と垂直搬送機 4 基が設置されている。1階片面には14台分のトラックバースが設けられているため、入出荷効率も高い。駐車場は乗用車用 70 台分を確保。BCP 対策としては非常用発電機を設置し、災害時でも稼働可能な体制が整えられている。
※「アイミッションズパーク吉川美南」の施設概要
所在地:埼玉県吉川市高久555
敷地面積:1万585㎡
延床面積:1万7,852㎡
構造・階数:鉄筋コンクリート 鉄骨造合金メッキ鋼板ぶき3 階建て
種類:倉庫
物件タイプ:ボックス型物流施設
■(株)シーアールイー<4月10日>
インドネシアにおける物流施設開発プロジェクト「Cella Emerald Logistik Warehouse」が3月に竣工/ジャカルタの主要な港や空港を結ぶ効率的な物流網の提供が可能に
(株)シーアールイーは、連結子会社のCRE Asia Pte. Ltd.が出資するCella Management Pte. Ltd.と傘下のマネジメント会社であるPT Cella Management Logistikが3号案件として開発を進めていた「Cella Emerald Logistik Warehouse」が3月に竣工したと発表した。
同プロジェクトは、西ジャワ州ボゴール県チルンシに位置しており、チマンギス-チビトゥン高速道路のインターチェンジまで約4kmの距離にある。また「タンジュン・プリオク港」まで約 48kmで、「スカルノ・ハッタ国際空港」までは約68kmであり、ジャカルタの主要な港や空港を結ぶ効率的な物流網の提供が可能だ。周囲には工業地帯が広がっており、周辺工場からの保管需要が見込まれる。竣工前に多くの多国籍企業や現地企業より関心が寄せられており、すでに一部区画で賃貸借契約を締結している。
※「 Cella Emerald Logistik Warehouse」の施設概要
構造・規模: 鉄骨造 平屋建て (メザニンあり)
敷地面積:約11万4,000㎡
賃貸面積:約6万6,000㎡
床荷重:4t/㎡
有効高:14m
竣工:2025年3月
■澁澤倉庫(株)<4月10日>
栃木県芳賀町で建設を進めていたい高機能危険品倉庫が竣工/同社危険品倉庫としては国内3拠点目、温度管理や多品種小ロット物流にも対応
澁澤倉庫(株)は、 栃木県芳賀町で建設を進めていた危険品倉庫が竣工したと発表した。同社が2024年に発表した「澁澤倉庫グループ 中期経営計画2026」の物流事業戦略の一つである物 流事業の収益力強化を図ることが目的。すでに稼働中の兵庫県神戸市の2棟および大阪府茨木 市の1棟に続く国内3拠点目の危険品倉庫だ。
新たな危険品倉庫は、同社栃木営業所の敷地内にタイプの異なる2棟で構成されている。そのうちの1棟には空調システムを設置し、温度管理が必要な商材にも対応可能な環境を整備。また同社が強みとしている多品種小ロット物流に対応した自動ラックを導入し、小ロット商品の保管効率向上や荷役作業の効率化・省人化を実現している。
※新設危険品倉庫の施設概要
所在地:栃木県芳賀郡芳賀町芳賀台5-1
敷地面積:6,654.04㎡ (2,012.84坪)
延床面積:A棟 997.50㎡ (301.74坪)、B棟 997.50㎡(301.74坪)
構造:鉄骨造、耐火建築物、平屋建て 2棟
■アサヒロジスティクス(株)<4月10日>
「花見台共配センター」の建替工事が竣工/常温庫へのエアコン導入や冷凍自動倉庫導入により労働環境をさらに改善、冷凍在庫保管容量は現センターの325%に拡充
アサヒロジスティクス(株)は、3月31日に物流施設「花見台共配センター」(埼玉県比企郡嵐山町)の建替工事が完了したことに伴い、4月15日に竣工式を行った。
同施設は1995年6月に大手スーパーマーケット向け物流センターとして開設された。開設当時は「花見台TCセンター」や「花見台CFセンター」として運用していたが、その後、共配(複数顧客商品を同じ車両で配送すること)を中心としたサービス提供のためのインフラのさらなる強化を図るため、2010年4月に名称を「花見台共配センター」に変更。現在は外食チェーン向け商品の在庫保管や仕分け、配送業務を中心とした拠点として運用されている。
同社は同施設を皮切りに本格的な物流センターの構築を進めてきたが、開設から約30年を経て施設の老朽化やキャパシティ不足、機能の不足等の課題が浮上。時代の変化にあわせて継続的に施設や設備の見直しを進める必要があることから、今回の同施設の建替工事をスクラップアンドビルドのモデル事業と位置付け、実施した。
今回の建替工事を通じ、従業員の作業負荷を軽減し、より働きやすい環境を整備するため、常温庫にエアコンを導入する。また在庫スペース確保や自動倉庫等の導入によるシステム化などを推進することで、顧客の使いやすさを高め、効率的な物流サービスを提供できる施設とする。同社の共配ネットワークにおいては今後、同施設を関東のほか信越方面への幹線便の玄関口として機能させ、より幅広い顧客ニーズに対応できる環境を充実させる考えだ。
新センター稼働に伴い、保管キャパシティは大幅に増強される。特に近年ニーズが高まっている冷凍在庫保管容量は、現センターの325%(新センターのみでは225%。現在稼働中のチルド・フローズン棟の改修も予定されており、その分の保管容量増強も含む)に拡充。これにより、多様な顧客ニーズにより柔軟に対応できる体制が整う。
現状、同社の関東圏の共配センター6カ所(五霞、岩槻、松戸、千葉長沼、横浜、愛川)は満床に近づいているという。同社はこの現状を踏まえ、各共配センターの連携強化を図り、エリア全体での冷凍在庫保管能力が底上げすることで、より安定したサービスの提供を可能とする。また、ストックヤードおよびクロスドックスペースを拡充し、方面別仕分け体制の構築を進めることで、甲信越エリアへの配送対応や関東圏全体への配送網のさらなる拡充も視野に入れるとしている。
※「花見台共配センター」の施設概要
所在地:埼玉県比企郡嵐山町花見台7-1
竣工:2025年3月31日
敷地面積:1万1,849.44㎡(3,584.45坪)
延床面積:1万1,484.79㎡(3,474.14坪)
構造:鉄骨造、倉庫3階建て、事務所2階建て
設備:冷凍庫(-20℃)1,402.51㎡(424.26坪)うち自動倉庫634.91㎡(192.06坪)、冷蔵庫(8℃)2,986.72㎡(903.48坪)、常温庫2,710.71㎡(819.99坪)、超冷凍庫(-40℃)206.63㎡(62.51坪)、自動倉庫、事務所、休憩室、企業内保育園ほか ☆自家スタンド(設置計画中)
■ESR(株)<4月10日>
日本最大規模の物流施設プロジェクト「川西DC」で約1,500億円規模の最終フェーズとなる開発をスタート/合計14の機関投資家からなる国内ファンドおよび欧州系投資家から合計350億円以上を調達
ESR(株)は、兵庫県川西市東畦野の物流施設プロジェクト「ESR川西ディストリビューションセンター」(川西DC)について、約10億米ドル(約1,500億円。1米ドル=150円換算)を投資する最終フェーズ「川西DC3」の開発に着手した。開発資金は、同社と⾧年取引をしている欧州系投資家のほか、合計14の日本の機関投資家で構成されるESR初の国内ファンドから約2.3億米ドル(約350億円)を調達。同社は国内外の投資家の大きなエクイティコミットメントを戦略的に活用し、川西DC3を西日本の新たな物流拠点としていく。
川西 DCは、甲子園球場13個分の広さの総敷地面積505,281 ㎡(152,848 坪)を誇り、同社史上最大にして我が国でも最大規模の物流施設プロジェクトだという。関西主要都市まで1時間以内の距離にあり、広域配送からラストマイルまでに対応に強みを持つ関西屈指の物流拠点。充実した高速道路網を背景に、関西圏のみならず西日本エリアまでをカバーし、大阪中心市街地から北部、神戸市など阪神間のラストマイルにも対応可能だ。 1期工事の「川西DC2」が2025年3月31日に竣工。「川西DC1」も2025年5月末する竣工予定だという。
川西 DC3は同社グループ 39 番目の物流施設で、敷地面積 21万1,442 ㎡(63,961 坪)・延床面積 433,141 ㎡(131,025 坪)の地上9階建て。免震構造を採用したダブルランプ式マルチテナント型物流施設とする計画で、2025年4月に着工し、2028年2月に竣工する予定だ。
1階には両面バースを採用。倉庫の梁下有効高は1階が6.5m、2階~8階が5.5mで、床荷重は1階が2.0t/㎡、2階~8 階が1.5t/㎡となっている。柱ピッチは11m×11mを確保。1フロアを最大6分割・最小区画1,600坪とするなど、物流の効率化を促進し、輸送ハブやトランスシップ物流、ストレージ、自動倉庫などあらゆる事業者の多様なニーズに対応できる汎用性の高い設計となっている。
稼働中の川西DC2と 2カ月後に竣工する川西DC1には、西日本および大阪市の中心部から神戸市、阪神地域への配送といった広域およびラストマイル物流ソリューションを提供する物流企業が入居。今回着工した川西 DC3は、これら先行2施設を補完する大規模物流施設として位置づけており、その完成に伴って川西DC全体の賃貸可能面積は約38万㎡に達する。
同社開発チームは川西DC3竣工を見据え、川西市と連携し、持続可能な経済発展を促すとの目的から、川西DC残り敷地の用途を住宅系用途から工業用途に変更した。これに伴い、残り敷地については、製造業や危険物の保管に対応した施設など、幅広い用途に対応できる施設群を整備する予定だ。また、ESRグループとして2030年までの達成目標や重要課題を特定した「ESG2030ロードマップ」に沿い、再生可能エネルギーで発電された電力を蓄電池に貯蔵しておくバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)パー クとする計画の準備も進めているという。
※「川西DC3」の計画概要
所在地:兵庫県川西市東畦野字⾧尾1-6他 26筆(地番は竣工後に決定)
敷地面積:21万1,442㎡(6万3,961坪)〔川西DC全体 50万5, 281㎡(15万2,848坪)〕
延床面積:43万3,141㎡(13万1,025坪)
用途地域:工業地域
構造:地上9階建て、PCaPC造、免震構造
着工:2025年4月
竣工:2028年2月(予定)
■カミシマ運輸(株)<4月11日>
岡山県笠岡市で新築を進めていた物流センターと本社屋が竣工/7mの庇設置により天候に左右されない荷積み・荷下ろし作業を実現、複数ドライバーによる中国・四国・九州地方間の中継輸送において中継拠点としての役割も担う
カミシマ運輸(株)は、事業拡大に伴い、令和8年度開通予定の笠岡バイパス沿線にある笠岡港工業用地の1区画に物流センターと本社屋を新築した。同社は、同用地内の3カ所に計7棟の倉庫を所有している。今回の物流センターは4カ所目にして8棟目の倉庫で、延床面積が4,500㎡超となる同社最大の倉庫になったとしている。
同物流センターには7mの庇が設けられており、天候に左右されず荷積み・荷下ろし業務が行える。通常の商品保管・運送のほか、複数ドライバーによる中継輸送においても中国・四国・九州地方間の中継拠点としての役割も担う。
新本社屋には、これまで分散して行っていた事務業務を集約する。外部に開口部を多く設け、内部の間仕切りをガラス張りとすることで、開放的で明るい空間とした。海沿いに立地しているため、海の景色を楽しめるよう、オフィスのデスクを窓際にも設置したという。また、各室でアクセントクロスを分け、高級感や明るさなど、空間に個性を演出する工夫も行った。
※カミシマ運輸(株) 倉庫・事務所の施設概要
所在地:岡山県笠岡市港町1-27
延床面積:倉庫 4,570.56㎡、事務所 600.00㎡
敷地面積:9,826.79㎡
構造・階数:倉庫 鉄骨造1階建て、事務所 鉄骨造2階建て
■名正運輸(株)<4月16日>
名古屋南営業所のWEBページを開設/倉庫・配送に関する情報を発信するLP
名正運輸(株)は、名古屋南営業所のLP(ランディングページ)を開設した。同営業所は、名古屋高速「大高IC 」や、伊勢湾岸自動車道の「大府IC」「豊明IC」から約10分の距離に位置する。関西・関東の中継地点としての役割も果たし、愛知県内の三河方面や小牧方面にもアクセスしやすい拠点となっている。
※名古屋南営業所LPのURL
https://www.meisho-unyu.co.jp/warehousing-nagoyaminami/
※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。