■物流施設 投資関連情報2023版<9.7~9.13>

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<2023年以降に建設・竣工・稼働する物流施設の情報> 

■(株)平和堂<9月7日>
平和堂多賀デリカセンター 順調に稼働/3 つのコンセプト 「商品にやさしい、環境にやさしい、人にやさしい」

 (株)平和堂は、「平和堂多賀流通センター」(滋賀県犬上郡多賀町)敷地内に、旧デリカセンターに代わる新拠点となる「平和堂多賀デリカセンター」を建設し、新デリカセンターが開設より3か月順調に稼働していることを明らかにした。
 1991 年に建設した旧デリカセンターは、開設から32年が経過し、設備の老朽化や店舗数増加による供給対応のほか、生産性の改善や新商品の開発・製造等の課題があった。新デリカセンターは、「商品にやさしい」「環境にやさしい」「人にやさしい」の 3 つのコンセプトのもと、商品開発力・生産能力・供給店舗拡大への対応や、徹底した衛生管理と最新の機器による味・品質・鮮度の向上、資源リサイクルを考えた環境への取り組み、そして働きやすい環境づくりを実現し、新しく生まれ変わった。旧デリカセンターと比較して、規模(延床面積)は約 2.3 倍、生産数量は2024年が約2倍(2019年比)、10年後の2033年には約2.4倍の数量を計画している。
 新デリカセンターの稼働により、これまで供給していた米飯や惣菜の品質が向上し、新商品開発もさらに活発になるとしている。
コンテナ自動搬送化、AGV 導入はスーパーのデリカセンターで初
 生産エリアから物流エリアまでAGVと呼ばれる自動搬送車が商品を運ぶ。バッテリーの充電や、搬送ラインに戻ることも全て AGV が自動で行う。また、商品を入れるコンテナも天井下のコンベヤで値付エリアまで運ぶ。この上下の空間でAGV とコンベヤを利用したコンテナ搬送システムを「ハイブリッド 型コンテナ搬送システム」と名付けた。
空調管理の工夫により身体への負担を軽減
 高温になる加熱室は、外気を導入し循環させて温度上昇を抑える。また、盛付室は、冷気がゆっくり降りて寒さを感じない空調(ソックダクト)を採用している。その他にも最新の機器を導入することで従業員の負担を減らし生産性向上やコスト削減に繋げるなど、DX を推進し省人化に取り組んでいく。
衛生的で働きやすい環境づくり
 館内は明るく開放的で、事務所や休憩エリアは衛生的なノンスリッパ歩行となる。ナチュラルに統一さ
れた休憩エリアには、眺望のあるカウンター席やリラックスチェアを完備。生産エリアの働きやすさだけでなく施設全体を通して、新デリカセンターの従業員にとって、働きがいがのあるセンターを目指した。同社は今後、 新デリカセンターを通じ、商品の味、品質だけではなく、衛生管理や環境への配慮、働きやすさを実現し、安全と安心を添えて食べる喜びや楽しさを届けていく。

※「平和堂多賀デリカセンター」の施設概要
所在地:滋賀県犬上郡多賀町中川原字大久保 4911-3(平和堂多賀流通センターA棟内)
建物規模(物流エリア含む):敷地面積約 6万4,717 ㎡、建築面積約 1万392 ㎡、 延床面積約 1万6,391 ㎡(うちデリ   カセンターエリア 1万1,732 ㎡)
建物構造:鉄骨造 2 階建て(1F:原料入荷エリア、炊飯・米飯・惣菜加工盛付けエリア、 2F:事務所、厚生エリア、ベーカリー・カットキャベツ・カットパイン加工盛付けエリア)
供給商品:米飯、惣菜、ベーカリー、野菜・フルーツ等の加工・製造
供給店舗:平和堂 全154店舗(兵庫県、大阪府、京都府、滋賀県、福井県、石川県、富山県、岐阜県・愛知県)、エール 全 2 店舗(京都府) ※店舗数は2023年9月4日現在
稼働日:2023年5月31日
稼働時間:24 時間

■プロロジス<9月7日>
千葉県八千代市の免震構造採用のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク八千代2」が着工

 プロロジスは、千葉県八千代市でマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク八千代2」を着工した。2025年春竣工予定で建設を進める。
 同施設は、ダブルランプウェイを備えた延床面積約11万㎡のマルチテント型物流施設として計画している。免震構造を採用し、食品や流通、精密機器、Eコマースなど幅広い業種を想定して入居企業を募集する。
「プロロジスパーク八千代2」の立地
 開発地は、首都圏物流の大動脈である国道16号から約2kmと至近に位置し、東京都市圏の消費地および関東広域への配送にも最適な立地となっている。
 自動車20分圏内には20万人が居住し、周辺には複数の住宅街が立地している。京成本線「勝田台駅」および東葉高速鉄道「東葉勝田台駅」より、当該地までバスで15分とアクセスしやすく、従業員雇用にも有利な環境。隣接地のバス操車場の整備に伴い、さらなる通勤利便性向上が期待できる。また、良好な地盤にあり、ハザードマップにおいても、地震時の液状化や大雨による浸水が想定されないエリアに位置し、防災面でも優れた立地といなる。
もえぎ野自治会との協働によるまちづくり
 同施設は、大成建設による宅地開発事業地「八千代もえぎ野」に新たに造られた「もえぎ野複合業務地区」に開発される。「八千代もえぎ野」はもともと2001年から大規模住宅分譲地としてまちづくりが進められてきた住宅用地でしたが、もえぎ野自治会協力のもと大成建設とプロロジスのパートナーシップにより、商業・産業用地として開発された。周辺地域のにぎわいと活性化が期待されている。
 同施設隣地で、22年10月に完成したマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク八千代1」は、国分首都圏(株)や大手3PL会社などと賃貸借契約を締結し、契約率はすでに90%を超えている。「プロロジスパーク八千代1」では、もえぎ野自治会からの要望もあり、プロロジスと国分首都圏(株)が協力してもえぎ野住民に向けた披露目会を今年3月に実施した。そこで行われたパート募集先行案内がきっかけで、すでに多くの住民が働き始めているなど、地域の雇用拡大が進展している。また、「プロロジスパーク八千代1」は、22年11月に八千代市と「災害時等における施設利用の協力に関する協定」を締結した。災害発生時には、同市の要請に応じて施設の一部を物資集積場所及び車中泊避難場所として提供する。同地区には、給食センターが既に稼働しており、今後はバスの操車場、商業施設、が予定されている。「プロロジスパーク八千代2」も、雇用創出などにより地域活性化の一助となることを目指す。
「プロロジスパーク八千代2」計画概要
 「プロロジスパーク八千代2」は、約4万7,500㎡の敷地に地上6階建て、延床面積約11万㎡のマルチテント型物流施設として開発する。入居企業の事業継続性に寄与することをめざし、免震構造を採用。1~5階はノンブレース構造となっており、大型マテハンや自動倉庫の導入など次世代の多様な物流オペレーションに対応可能な計画となっている。
 ダブルランプウェイを備え、上り下り専用のランプウェイにより一方通行のトラック動線を確保している。1~5階にトラックが直接着車できるバースを備え、5・6階は保管効率を重視したメゾネット形式となっている。最大約1万5,000㎡のワンフロアオペレーションが可能で、効率的な物流オペレーションをサポートする。各階トラックバースの間口は11mスパンを採用し、4t以下のトラックであれば、1スパンに3台の着車が可能となる。敷地内には、17台分のトラック待機場と289台の乗用車駐車場を整備する。また、施設内には、コンビニエンスストアや休憩スペースを設け、働く方が憩い、くつろぐことができる快適な場を提供する。
 2024年4月からは、「プロロジスパーク八千代1」からの特別高圧電力の供給が開始される予定であり、これにより、冷凍冷蔵倉庫、大規模なマテハンや自動倉庫の導入、館内全域への空調設備など、大容量の電気を使用する用途への対応も可能となる。
 BCP(事業継続計画)の一環として、プロロジスの標準仕様である緊急地震速報システムや衛星電話の導入に加え、停電時でも共用部の電力を72時間程度維持する非常用発電機を備えるほか、「プロロジスパーク八千代1」の井水浄化設備を利用して断水時にもトイレ用水を確保する計画だ。屋根面には2MGWの太陽光パネルを設置予定で、環境に配慮した施設づくりを目指す。

※「プロロジスパーク八千代2」の施設概要
開発地:千葉県八千代市保品字蕨谷1803-7
敷地面積:約4万7,500㎡(約1万4,300坪)
計画延床面積:約11万㎡(約3万3,400坪)
構造:地上6階建(柱RC造、梁S造)、免震構造
着工:2023年9月
竣工予定:2025年春

■(株)阪急阪神エクスプレス<9月7日>
阪急阪神エクスプレスのケニア現地法人はナイロビ本社を移転

(株)阪急阪神エクスプレスのケニア現地法人であるIntraspeed Arcpro (Kenya) Limitedは、ナイロビ本社を移転した。

ナイロビ本社(Nairobi HQ
住所:Sunflag Industrial Park, Unit 9, Mombasa Road, Nairobi, Kenya

■SBS東芝ロジスティクス(株)<9月8日>
信越エリア初の自社倉庫「柏崎倉庫」が竣工/環境に配慮した二次電池(リチウムイオン電池)の物流拠点


 SBS東芝ロジスティクス(株)は、信越エリア初の自社倉庫となる「柏崎倉庫」(新潟県柏崎市)を竣工した。「柏崎倉庫」は、金沢市を始めとした北陸地域の主要都市や港を結ぶ北陸自動車道「柏崎IC」に近く、国道 353号線沿いに位置しているなど、物流拠点として優れた交通アクセスを有している。
 延床面積は約2,000㎡、鉄骨平屋建て2棟の倉庫、事務所棟及び設備棟の全4棟で構成されており、(株)東芝の柏崎工場で生産される二次電池(リチウムイオン電池)を保管するために、十分な天井高と床荷重を確保した。さらに、照明は消費電力の少ないLEDを使用し、事務所棟も全て省エネ基準を満たした断熱材を使用するなど、環境負荷を低減する設備を多数採用している。

※「柏崎倉庫」の施設概要
所在地:新潟県柏崎市大字野田 651-7
敷地面積:6,481.16㎡
延床面積:2,229.51㎡
天井高:有効天井高 8.0m
床荷重:2万5,000N/㎡ (約2,550kg/㎡)
倉庫棟:鉄骨造平屋建2棟
事務所棟:軽量鉄骨造平屋建1棟
設備棟:軽量鉄骨造平屋建1棟

■JP楽天ロジスティクス(株)<9月8日>
「楽天スーパーロジスティクス」の物流センター「Rakuten Fulfillment Center Yao」が大阪府八尾市で稼働開始

 JP楽天ロジスティクス(株)は、「楽天市場」出店店舗向けの総合物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」の物流センターとして、大阪府八尾市で「Rakuten Fulfillment Center Yao」(楽天フルフィルメントセンター八尾)を稼働させた。
 楽天スーパーロジスティクスは、楽天市場出店店舗の商品の入荷から配送までを一括して受託する総合物流サービスとなる。「ワンデリバリー」構想のもと、千葉県市川市、流山市、習志野市、神奈川県大和市、大阪府枚方市、兵庫県尼崎市および福岡県粕屋町の物流センターで商品の入荷から配送まで、高品質な物流サービスを提供し、安定したEC店舗運営に寄与してきた。これらの既存の物流センターが順調に稼働率を上げていることから、このたび新たに物流センターを開設し、同サービスのさらなる処理能力向上を図る。
 同センターは、これまで培ってきた倉庫内オペレーションのノウハウを生かし、倉庫運営のさらなる効率化・省人化に取り組んでいく。「楽天スーパーロジスティクス」の拠点は、今後も順次拡大予定。

※「Rakuten Fulfillment Center Yao」の施設概要
物件名:GLP八尾Ⅰ
所在地:大阪府八尾市郡川1-557
延床面積:約1万6,400坪(約5.4万㎡)
建物階数:地上4階建

■(株)阪急阪神エクスプレス<9月11日>
ドイツ現法 4 か所目の拠点のミュンヘン営業所を開設

 (株)阪急阪神エクスプレスのドイツ法人である HANKYU HANSHIN EXPRESS (DEUTSCHLAND) GMBH は、ドイツ南部のミュンヘンに新たに営業所を開設し、9 月11 日より営業を開始した。
 ミュンヘンはフランクフルトの南東400kmに位置し、自動車産業の集積地として、多くの企業が進出している。営業に特化した同営業所では、ドイツ南部およびオーストリアでの新規開拓営業活動および既存顧客の深耕営業活動を行う。

※「ミュンヘン営業所」の施設概要
住所:Maximilianstr. 29, 80539 Munich, Germany
営業開始日:2023年9月11日

■西濃運輸(株)<9月11日>
大阪府茨木市に中継輸送専門店を開設/2024年問題対応のために輸送力を強化

 西濃運輸(株)は、大阪府茨木市にある北大阪支店を中継輸送の専門店として10月1日より稼働する。これにより輸送力の強化、運行便の効率化を図っていくことで、2024年問題の解決の一手としていく。
 現在北大阪支店では、担当するテリトリー(東淀川区・茨木市の一部、守口市)で集荷した荷物を全国へ発送し、全国から届いた荷物をエリア内へお届けする輸送用プラットホームと、JR貨物の大阪貨物ターミナルに近接しているという立地を活かし、全国から九州宛の荷物が持ち込まれ、鉄道輸送やトラックを使った中継輸送が行われるプラットホームが混在する拠点となっている。
 そこで10月からは、輸送力の強化に向けて、北大阪支店が担当していた集配テリトリーを西濃運輸の豊中支店と摂津支店に移行し、九州向けの中継輸送を行う専門店として運用を始める。
 今後は全国の事業所から九州宛の荷物を受け入れ、幹線トラックと鉄道輸送を組み合わせた効率的な運行体制を構築することで、繁閑の物量波動にも柔軟に対応することができる。
 また現在よりも約6万7,200t/年程度の取扱量の増量も可能になると試算しており、人手不足や車両不足、また2024年問題などで課題を抱える同業他社の九州宛の荷物の受け入れも可能になる。

■アマゾンジャパン(同)<9月13日>
日本で初のAmazonの仕分け拠点「ソートセンター」を東京に新設/約1,000人の雇用機会を創出、より効率的なミドルマイル配送を実現

 Amazonは、日本初のAmazonの仕分け拠点「ソートセンター」を東京都品川区に開設した。ソートセンターは、商品の保管、ピッキング、梱包を行うフルフィルメントセンターと、配送を行うデリバリーステーションを繋ぐ、Amazonの配送網の中間に位置する拠点となる。新たに約1,000人の雇用機会を創出する予定で、仕分け作業や拠点の安全、品質・生産管理者など多様な職種が含まれる。
 今回、品川区に開設したAmazonのソートセンターは、先端物流設備を導入しており、大規模な仕分け能力を有している。様々な形状の梱包された商品の仕分けに対応したオートソーターを導入し、自動化への投資により仕分けプロセスの効率化を実現している。2フロアで延べ床面積は計約2万8,000㎡(テニスコート100面相当以上の広さ)、主に関東・北信越地方、及び北海道・沖縄に向けた幹線輸送の拠点として、1日に最大約75万個の商品を仕分けることができる。
 フルフィルメントセンターから配送方面が混載状態で出荷された商品を、ソートセンターで配送方面ごとに仕分けを行いデリバリーステーションへ発送することで、トラックなどの積載効率が向上し、より多くの商品を、効率的に配送することができる。また、積載率を高めることで配送拠点へ商品を運ぶトラックの台数も削減され、総輸送距離の短縮にも寄与する。
 同センタ―は東京国際空港(羽田空港)から約3.5km、東京港「東京国際コンテナターミナル」から約1.5kmに位置し、東京貨物ターミナル駅、および首都高速のインターチェンジにも隣接し、陸上、海上、航空のアクセスに優れている。

※注①:情報内容は取得当時のもののため、年月日、時制など表現がその当時のままです。
 注②:予定・竣工・稼働などの推移別で内容が重複している場合があります。

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